親父のことも大事なんだと受け入れられた


昨日、児童相談所のリアルを描いた『ほどけそうな、息』のトークイベントに登壇してきました。

この映画を2回見たのですが、2回目みたときに、自分がフタをしていた感情に気がつきました。

「おれ、やっぱり、親父のこと大事だと思ってるんだな。母やおれにしたことは許せないけど、それでも親父にも良いとこがあり、おれへの愛情もあるんだろうな」と。

僕が2,16歳の時に母は同じ親父と離婚しました。離婚した原因は、親父が母と僕に暴力・暴言を日々するのと、ギャンブル等による借金のことが主な理由。

僕はずっと、「母が親父にボコボコにされている姿」をみて育ってきただけと思っていました。

でも、僕が21歳の時に、『ちいさいひと』という児童相談所の漫画を読み、親から虐待されるいろんな子どもの描写にふれると、異常なくらい涙が止まらず、身体の震えもとまらず、さすがにこれはおかしいと思い、母に「親父におれも何かされてた?」ときくと、数秒だまりこみ「実はしょうごも生まれた時から、ひどいことをされつづけていた。しょうごが忘れているようだったから黙っていた」と。

そう母はすごく悲しく、申し訳ないような表情で僕に告げました。

不思議なことに、その瞬間に、僕も親父から色々ひどいことをされていた記憶がフラッシュバックし、鮮明に思い出しました。その時はひどい頭痛に襲われ、フラフラになりました。

フラッシュバックした後も前も、離婚してから定期的に親父と会っていました。ずっと「あんなことをしてきた親父にどうしておれは会うんだろう」とモヤモヤしていました。もはや、たまには会いたいなと思う時もあるくらいに。

親父のことを完全には許せません。でも、愛情表現が不器用すぎる親父と今も連絡をとり、「身体は大丈夫か?仕事は順調か?」といつも聞いてきます。

そんな親父のことを大事だと思っている自分がいるんだなと、『ほどけそうな、息』をみて、ふと受け入れられました。

不思議なことが起きるもんですね。

何かこういう感情とかを、日常の中で、分かち合える人と話せられるのは、生きていく上で本当に大事なことだなと改めて思いました。

よりいっそう、今つくっているひとり親の方限定のトークアプリ「ペアチル」の大事さを自分でも強く感じ、課題は山積みですが、ちゃんと価値のあるものにし、ひとり親の方々の力になっていきたいと自覚しました。

親父のことは大事ですが、過酷な毎日、愛を注いでくれた母に恩返しをしたい気持ちの方が強く、母のような状況にある、ママさんパパさんの少しでも力になれるために突っ走ります。

社会問題×マーケティングが好き / ㍿小さな一歩(前澤ファンド出資先)で養育費の未払い問題にビジネスでトライ→㍿SHIRO創業。社会問題の発見→要因分析→ビジネス考案→実行に必要な資本整備→実行・改善のサイクルが最短で回り社会問題が解決されつづけるインフラを創る。