WEB広告「○○?冷蔵庫のアレで一発だよ」を追い求めて
現在広告界で一大ジャンルを築く「冷蔵庫のアレ」系広告。
「○○の給料に驚かないでください」と並ぶ頻発広告シリーズ。
見ている限り「冷蔵庫のアレ」で対処できる物は多岐に渡る。
(冷蔵庫のアレとは一体何なのか。)
代表的なのはシミ、目の下のたるみ。
この広告に於いては医者がしきりに「冷蔵庫のアレ」をひけらかす。
その上テレビで放送されて大炎上だそうだ。
広告に出る医者は冷蔵庫で賢者の石でも冷やしてんのか?
(※関係ないが家の冷凍庫では2年ほど無意味に1000円が冷えている。)
「冷蔵庫のアレ」の実態に迫るため早速検索窓に叩き込むとこんなサジェストが。
世間もめちゃくちゃ気になってる模様。
冷蔵庫のあれでシミ、アレって何など。
掻き立てられた知的好奇心の迸りを感じる。
ちなみに、〜いつ使うのは漫画のタイトルらしい。アツい風評被害。
これは冷蔵庫のアレが何か絶対に突き止めなきゃ始まらねえ。
週間ストーリーランドの「謎の老婆」的エンターテイメント精神を感じるぜ!
謎の老婆とは:
1999年から2001年にかけて放送された番組「週間ストーリーランド」内のアニメシリーズ。
謎の老婆は街の路地で謎の道具(ex:はやくなるサングラス、もどるパラシュート)を売る露店を開いており、
その道具を購入した人は老婆の商品を使い一時的に財を為すが、大半は人生が破綻していく。(良い方向に終わることもあるが稀。)
なお、この老婆が何なのかは全く明かされない。
老婆も広告も、遭遇しなけりゃ始まらない!
ネットの海に大航海!
見つけた!美魔女(75)は冷蔵庫とお風呂のハイブリッド型らしい。気になる。これなら亜種「※お風呂のアレで一発」も解決するのでは。
※お風呂のアレで○○が治るシリーズ
絶対この写真の女性が白髪で悩んでいないだろうのにも味がある。
今回は冷蔵庫のアレ主体なので、
美魔女の風呂の習慣を確認させてもらうことにした。
早速クリックだ!
一切説明が無く、実写と漫画が入り混じる衝撃的なサイトに遷移。
UMAを探しアマゾンに乗り込む藤岡弘、的なテンションも一気に冷え込む。
ちなみに藤岡弘、のオフィシャルサイトの名前は「SAMURAI DO」だ。
さて、ガソリンスタンドの洗車機のような背景の部屋でテレビをみる夫が、開始早々妻のスッピンに衝撃を受け
夫の発言の衝撃により妻は一瞬実写化。
その姿を見た娘が「おばあちゃんみたい」と口走ってしまう。言い過ぎである。
しかし漆黒のメラニン色素を誇るシミは至って気高く冷静だ。無言を貫くその姿勢。
まさに彼女のシミはハードボイルドの代名詞と言っても過言ではない。
洗車機の夫の発言から「冷蔵庫のアレ」広告はメタ的に30代女性をターゲティングしていることがうかがえる。
しかし最終的に引き合いに出される二人は同級生の42歳。コンセプトがヤケクソで清々しい。
こんなブレブレの広告が許されるなら自分ももっと自由に生きようと思える。
ちなみに先にオチを言うとこの漫画もサイトもこの商品の宣伝である。
冷蔵庫関係ねえじゃねえか!!!
実際の使用感は是非上記amazonのレビュー部分を見てみて欲しい。
ということで広告はウソで、ただクリームを宣伝するだけのサイトだ。
以下はもう消化試合となる、暇な人だけ楽しんでくれ。
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さておき、娘から突然老婆呼ばわりされた事にショックな主婦は
「良子に聞いてみよォ」
などとスタンドでも出しそうな喋り方で謎の女、良子に相談しに行く。
突然明らかに無断で使われてる人〜!!!!
驚き。じゃねえんだよ。誰が一番驚いてると思ってんだ。
良子と主婦の会話の最中突然割りこんでくる若い女性が印象的なシーン。
前後の繋がりから考察するに主婦が突然目を虚ろにして語り出した刹那、
「良子による何らかのアクション」があったことは明白。それが冒頭に書かれた「衝撃の事件」だろう。
突然予想外の出来事が起きるといえば1987年3月26日に起きた、猪木とマサ斎藤のシングルマッチでの出来事が印象深い。
なんと試合中、謎の海賊男の乱入によりマサ斎藤は手錠をかけられ控室まで連れ帰られてしまう。
(※実際に猪木が用意していた筋書きでは海賊男は猪木を拘束し、マサ斎藤と一緒に猪木を叩きのめす予定だった。)
そもそも海賊男に扮している男自体スペイン語のみしかわからなかったため、説明が行き渡っておらず、
重ねてホッケーマスクにより前がよく見えなかったことから、猪木どころかマサ斎藤を連れ去る完全な珍事となった。
このよくわからない出来事からなんやかんやで因縁が深まり1987年10月4日、
猪木vsマサ斎藤の「巌流島の決闘」が生じるわけだが、
この戦いの注目すべきポイントは多い。
約2時間かけ因縁の勝負に勝つ猪木。
マサ斎藤も全力で健闘し、破れるという役割で猪木との因縁に決着をつけた。
そしてマサ斎藤の付き人として一緒に巌流島に乗り込んだ船木。
巌流島は無人島で自然がたくさんあったため、船木は全力で山を駆け巡り普段見ないトカゲを取ったのだ!!
女性に一切触れることなく、正気に戻った主婦との会話は続く。
この人が冷蔵庫で賢者の石を冷やしてるお医者さんだろうか。
お分かりだろうか。
さきほどまで薄オレンジのVネックのインナーを着ていた主婦が
この短い間にインナーを変えている。
良子の胸ぐらを掴んだ次のコマで良子の視線が明後日の方向に向いていることから、この2コマの間に二人は一戦を交えていることは明白だ。
そう、獣同士は目を合わせることが威嚇となる
歴戦の猛者と出会った戦士は気楽に視線を交わさないのだ。
おそらくこの間に起きた戦闘こそ、彼女らの巌流島の決闘だろう。
その際船木がトカゲを捕まえたように、主婦のシミが野生の医者を野山で捕まえてきたという流れで間違いない。
証拠として上記3コマ目では左上の額のシミが消えている。
得るものがあれば失うものがある。
シミは人間社会を生きていく上で決して忘れてはならない重要な事項を身を以って教えてくれたのだ。
そして良子から何かしらのものすごい成分がどえらい量入ったクリームの話を聞かされた主婦はようやく過去の因縁を払拭し、良子に素直に教えを請うたのだ。
洗車機の中の夫に蔑まれ、実写化したら娘にけなされ。
そして良子に出会い、巌流島でいくつかのシミを失った主婦の再生の物語が今始まったのだ。
確かに様々な出会いを経た結果、最初に実写化した時の主婦の画像とシミの配置が、また顔の造形が、全く変わっている。なんなら手もコマごとに全然違う人だ。
「老婆肌に奇跡が・・・!?」
などという、どえらいキャッチフレーズが飛び出す語彙を持った主婦。
彼女のシミが一体どうなったのか?
その先はご覧の皆さんに任せたいと思う。
なぜならもうここまで見た時点で、
冷蔵庫のアレも、風呂の習慣も、75歳の美魔女も出てこない事が明白だからだ。
なんなんだこのサイトは。なんなんだこの人生においてもっとも無駄な時間は!
一般家庭の冷蔵庫に冷えてるわけが無い、どえらい成分のクリームは何なんだ。
「・・・きえるクリームでございます。」
な、週間ストーリーランドの、謎の老婆!?!?
「い、いらん!!そんなクリームじゃなく冷蔵庫のアレが欲しいんだ!!!お風呂のアレでもいい!!!」
「・・・ではキャンセル料金として9万円だけお支払い下さい」
「なんだって!?初回は980円でもそれは定期便を購入する初回特典というだけで、2回目からは5980円!?しかも2年間契約を破ると9万円を支払うことに!?
クソッこれが定期便の罠、
ただの金がきえるクリームだって事か?!!」
その後、冷蔵庫のアレを追求していた者は行方をくらまし、すっかりきえてしまったと言う。