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仕事を楽しむ(モチベーション3.0を読んでみて)

本当に遅ればせながら「モチベーション3.0」(ダニエル・ピンク)を読みました。わかりやすいし、読みやすい本でした。

彼は人間を動かすモチベーションをコンピューターを動かす「OS」にたとえて説明しています。

モチベーションのバージョン1.0は原始の時代で、生存のための欲求から来るもの。

モチベーションのバージョン2.0は産業革命以後の時代。要は労働の提供とそれによって対価たる報酬が得られることによって生まれるもの。おそらくは多くの企業で現在とられているアプローチがこれにあたると言えるでしょう。

その先にあるのが、モチベーションのバージョン3.0ということになります。

一言で言うと「内発的動機づけ」ということになるでしょうか。
もっと簡単に言えば、「報酬が欲しいからやる」ではなく「楽しいからやる」というモチベーションです。

コンサルタントのモチベーション

モチベーション3.0が機能する前提として、基本的な報酬(安全や十分な賃金など)が保証されていることがあります。

もう一つとして、その仕事にどの程度のクリエイティビティが必要なのか、も重要な要素になるようです。

私はコンサルタントとして働いていますが、クライアントの課題解決策は型にはまったものではなく、かなり自由で、クリエイティビティの高い職種といえるでしょう。おそらくはダニエルピンクが想定するモチベーション3.0に上手くハマる職業と言えそうです。

実際に、私自身が仕事で嬉しいのは、報酬が得られる時よりも相手の課題解決の手伝いが見つかり、それに対しての活動をしている、その瞬間自体であり、完了した時の役立ち感に対してです。

報酬はないと困りますが、それ自体がモチベーションの主ではないように思います。見合った対価があるならば、それでいいと思うのです。

よく考えると、コンサルタントの仕事は、モチベーション3.0の考え方で見た時に、とても恵まれた職業だといえるかもしれません。

ただ注意した方がいいのは、過剰な数値の目標設定はコンサルタントには害をなすだろうと思う点です。数値の達成に集中すればするほど目の前のクライアント自身を見なくなってしまうからです。その結果、おそらく仕事自体の楽しさが削がれてしまうでしょうし、成果物の質も下がることになってしまうでしょう。

どうする経営者?

ただ、経営者側からすれば目標管理を弱めるということは勇気がいることでしょう。本当にそれで成果が上がるのか、という不安はつきないしょうね。

これについては、いきなり目標設定の仕方を変えるということではなくて、今、現場が仕事を楽しむような状況にあるか?ということを観察してみることからスタートするのがよいでしょう。そこから具体的な課題が見えてくるのではないでしょうか?


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