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動作分析は、「面白い」ということが分かるnote

この記事は、2020年8月7日に販売開始される書籍「動作分析ドリル〜7RULEs〜」の読者向けの動作徹底解説(他の動作分析noteは、2020年8月7日から一斉オープンします)になります。

本来は、1つ777円のところ今回のnoteのみ有料(100円)とさせていただきました。
まだ先行予約販売の期間中ですので、ドリルが気になった方は、下記から先行予約販売特設グループにどうぞ!その中で、改変前の第2章を全て公開しています。

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何事も一歩ずつ半年間続けてみましょう。
このnoteだけでなく、様々なツールを活用してあなたが最後まで継続できるように私たちも色々と工夫しながら頑張ります!!
それでは、今回は、ドリル16日目に出てくる最初の動作分析の山場のヒントとして徹底解説していきます。(もはやヒントじゃない)

【ヒロキ】左への寝返り【水平面】の動画

動作分析ドリルの手順はしっかり覚えましたか?もしまだ細かく覚えていない方(ドリル購入を悩んでいる方)もいると思いますので、解説していきます。
まだ16日目まで進んでない方は、先にドリルを進めてくださいね。ここから先は、内容がかなり濃くなるので、へこたれないように要注意です!

動作分析の手順その①〜開始姿勢と終了姿勢を切り取る〜

ドリルを購入している方は、動作分析タイムラインも活用しながら練習してくださいね。まずは開始姿勢です。

<開始姿勢>

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次に終了姿勢。

<終了姿勢>

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動作分析の手順その②〜動作フェーズを3分割にする〜

動作分析ドリルの中では3分割としていましたが、このnoteは徹底解説なので、5分割にしていきます。(実はドリルの中でも5分割にするんだよ〜って書いてあったんだけど、気づいたかな?)

<準備期>

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<加速期>

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<転換点>

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<減速期>

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<調整期>

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ここまでは、できると思います。できたかな?もしドリルの読者(ドリラー)でこの分割の仕方が分からない方は、下記のLINEへ質問してくださいね。直接監修者の西山がお返事いたします。

ドリル購入がまだの方は、先にドリルを購入して動作分析の手順をしっかり学んでください。ドリルだけでなく、動作分析用動画392本も付いてきます。

さて、ここからが本題です。動作分析ドリルの中では次は、上半身と下半身に分けていきましょうという流れでしたが、このnoteを読んでいる方には、もっと動作分析を得意になって欲しいので、先に動作の予測の練習もしていきたいと思います。

開始姿勢から動作を予測してみよう

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この写真を見ただけで動作が予測できるあなたは、もうここから先は読む必要はありません。時間がもったいないので、もっと上級の動作分析をしていきましょう!
何を見ていいか分からない方のために、こんな印をつけてみました。

スクリーンショット 2020-06-11 12.14.31

姿勢分析で重要なことは、モーメント。。。これは、動作分析ドリルの40日目で出てくるのですが、まだそこまで進んでいない場合は、予習として聞いてくださいね。
モーメントとは、上図で示している矢印です。どっちの方向に回りそうかという状態を矢印で表したものです。赤色の矢印は、ヒロキの右側から左側へ、青色の矢印は、左から右へのモーメントが発生してそうだなという、あくまでも予測です。
例えば、右下腿にある青色矢印は、下腿が外旋位にあるので、右回りのモーメントになります。その上にある赤色矢印は、大腿骨が内旋位にありますよということ。この2つの関係性から、右膝が左に比べて下腿の外旋が大きい状態なのかもという予測ができます。だから、動き出すときは、右の内側ハムの活動を高めることで、下腿を内旋させる力が必要になるかもしれない・・・とかの予測がモーメントからできますね!

あっ!ここでアライメントを見るときの大切な注意点をあげときます。
【必ず何に対してなのかを明らかにすること】
例えば、左大腿の青矢印は、骨盤に対して大腿骨が内旋してるんです。
当たり前と言えば当たり前のことなのですが、これを見落としてしまう人がたくさんいるので注意喚起としてお伝えしておきます。

それでは、下から見ていきましょう。
まずは、黒の線はなんの線かというと、
母趾の高さに引いた線になります。右の母趾が線に届いていませんよね?これから分かること・・・それは、右の方が外旋しているということ。

最初はそれでもいいです。でもよく見てみてください。これに気づけたあなたは、動作分析上級者です。

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見にくい方のために、アップです。

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気づきました?ピンク色の線を増やしました。このピンク色の線は、小指に合わせた線になります。小指の位置は左右同じなんです。
右足の方が外旋しているのであれば、小指の位置も違うはずですよね?でも小指の位置は変わらない。でも親指の位置は左足が高い位置にある。これから考えられることは・・・

・・

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

ちゃんと考えました?

そうです。

左足関節の背屈位(前脛骨筋の筋緊張が高い)が考えられるのです。そう言われると、右の母趾球の方が落ち込んでるようにも見えますよね?左は、母趾球がこちらに「こんにちは」と顔を見せてるように見えます。細かいでしょ〜?でもこれが動作分析の面白いところなんです。この分析ができるかどうかで、動作の予測が大きく変わってきます。

さぁ、どんどんいきますよ〜!
次は少し上に上がって、大腿と骨盤です。

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骨盤は、左後方回旋のように見えます。あくまでも予想です。私も実際にヒロキの身体は触っていないので、予測です。
そして、左右の股関節は内旋しているように見えますが、ここからが大事なところ。
アライメントを見るときに大切なことは、【何に対して】でしたよね?
大腿骨は、常に骨盤に対しての動きですので、骨盤を考慮しなければいけません。
今回、ヒロキの骨盤は、左後方回旋しているので、大腿骨が環境に対して中間位のままであれば、右の股関節は外旋位、左の股関節は内旋位になります。そこで、大腿骨だけを環境に対して考えてみると、右大腿骨は軽度内旋位で、左大腿骨は正中位のように見えます。ということと、骨盤の左回旋を組み合わせて考える。

これを考えるのが苦手な人が多いので、頑張って分かりやすく解説しますね。

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このマジックは、まっすぐですか?

きっと多くの人が、斜めと答えるのではないでしょうか?

そこが股関節の問題を難しくしているんです。ここでも何に対してなのかを考えなければいけません。この写真という環境に対しては、斜めです。でも、マジックそのものはもちろんまっすぐです。ここをはっきりさせなければいけないのです。
だから、よく新人さんとかが真逆の評価を言ってしまうことってありますよね?私もそれで若手の頃たくさん恥をかきました。
それは、【何に対して】なのかが分かっていないからということが多いです。是非、新人さんにはそこまで聞いてあげましょう。

それを踏まえて、環境に対して、骨盤が左後方回旋している状態と右大腿骨軽度内旋位と左大腿骨正中位を組み合わせて考えていきます。
例えば、骨盤が左に10度回旋していると仮定すると、両大腿骨が正中位であれば、右股関節は、10度外旋位、左股関節は、10度内旋位になります。この関係性は難しくても何度も何度も練習して考えてみてください。
今回の場合は、動作分析で、厳密な角度は測っていないので、もしこうだったらこうだろうというお話になります。

環境に対して骨盤左後方回旋(10)と右大腿骨軽度内旋(10)と左大腿骨正中位(0)として考えた場合、股関節の角度は、右大腿骨は正中位、左大腿骨は、内旋位ということがわかりますか?
骨盤が左方向に10進んでいて、右大腿骨も左方向に10進んでいるので、その2つの骨の関係性は、0ですよね?
反対に骨盤が左方向に10進んでいて、左大腿骨は、その場に止まっていたら−10になります。そのような関係性を常に考えていきましょうね。

最後は、右肩甲帯です。

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追加でオレンジの線とオレンジの●をつけてみました。右肩の部分に比べて左肩の部分が下がっています。このことから、肩甲帯は外転もしくはプロトラクトのような位置関係にあって、右大胸筋の緊張が高いことが予測されます。

以上がざっくりみた背臥位でのアライメントとモーメントです。これらから動作を予測していくのですが、最初は難しいと思いますので、今回は最初に動作を分析して、背臥位の姿勢とどう関係性があるかを見ていきましょう。

ー準備期を分析してみよう

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準備期は、大きく重心移動が起こる直前の動作でしたよね?だからこの場合、重心が左側へ移動する前のタイミングで切り取っています。

肘関節屈曲しながら、股関節、膝関節屈曲していきます。この時重心はまだ大きく左へ移動していませんよね?左にいく準備をしています。
この時にすでに背臥位の時のアライメントと同じ動きが出ているのがわかりますか?

それは、、、

ここ!

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左足関節背屈でしょ?そして、右足関節は底屈で母指球が下がった状態でしょ?
こうして背臥位のアライメントが次の動作に影響していることってたくさんあります。開始姿勢の分析が重要なのもわかりましたね?
人間ってたくさんの戦略を持っているんですけど、基本的に数パターンでしか使わないということが私なりの考えです。だって、毎回違う動き方をしていたら非効率でしょ?だから大元のバランス戦略をみることができれば、それが他の動作でも出ているはずという前提で考えていくことができます。それが7RULEsで学んでいくことです。

それから、右下腿が中間位になっているのがわかると思います。膝を屈曲させるためにハムを使うのですが、下腿が外旋位から、膝屈曲とともに下腿の内旋が起こっている。ということは、内側ハムの作用が強く出ているのかな?と考えられます。

ー加速期を分析してみよう

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加速期は一番力がいるタイミング。細かく分割すると、加速期の中にも加速期、転換点、減速期があるのですが、それはドリル修了者へお話ししていきたいと思いますので、もし詳しく知りたい方は、7RULEsの部屋に入居されてみてください。その部屋では、たくさんの事例検討をしてい(き)ます。

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加速期では、どのように重心を左へ移動しているかを見ることができます。ヒロキの場合、右下肢でベッドを押し付け、左側へ下半身重心を移動しようとしています。上半身重心は、両上肢の屈曲内転内旋の活動・・・おそらくメインは右の大胸筋の活動によって体幹を回旋させる力を補助しているのではないかなということが予測できます。だって、、、背臥位の肩周りのアライメントで、右の肩甲帯が大胸筋に引っ張られてそうだったでしょ?その活動が、寝返りの時も使われているみたいです。
もちろん、左の足関節は背屈で固定されたままというのが見れるかと思います。

ー転換点を分析してみよう

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今回転換点としたこの位置は、筋の活動がなくてもあとは脱力と遠心性収縮でブレーキをかけることで終了姿勢までたどり着けると判断できるタイミングです。この写真から脱力させると寝返りそうでしょ?

だから、転換点の意味は、加速させるための求心性の筋活動から、減速させるための遠心性の筋活動に切り替わるポイントということです。

この転換点で大切なのは、余計な力が入り続けていないかどうか。相変わらず左足首は背屈位での固定は見られますが、そのほかは大きな問題はなさそうです。(あくまでも動画だけを見た中での大きな問題点がなさそうということで、実際の介入では、触ったり他の評価とともに考えていく必要があります。)

ー減速期を分析してみよう

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減速期も終わりの方のタイミングです。この減速期がヒロキの特徴的な動きが出ていますよね?本来は、減速期なので、スピードが緩まって終了姿勢になっていくのですが、ヒロキの場合、、、

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左の股関節の内旋(骨盤が大腿骨上に乗る動き)が出る前に、左下肢外転の力を使い、お尻を持ち上げて左のお尻を後ろへ引く動作が見られます。この動作をする人は、いろんな理由があるのですが、少しだけ予測してみましょう。

●股関節のクローズドの内旋が苦手

●内転筋が過剰に働きすぎている

●左足関節背屈位で固定した状態で、かかとを滑らしながら膝関節を屈曲するので、下肢外側の皮膚や筋膜が遠位方向に引っ張られ、左股関節の内旋に伴い、股関節周囲でつっぱりのような感覚が出現し、それを解放するための動き

●背臥位の時点から、骨盤左後方回旋している可能性があり、すでに股関節内旋位だったから

などが考えられますね。こういう特徴的な動きをする理由は必ず存在するので、それを評価することが大切です。色々と予測できるようになりましょう!

ー終了姿勢を分析してみよう

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終了姿勢のこのアングルでは、見るポイントが少ないから簡単ですね。

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もう言わずともわかりましたか?
右の足関節底屈位で母趾が下がった状態で、左足首背屈位。右下肢(下腿)が後方に若干残っているのは、右のハムストの影響かな?とか。色々繋がってきましたか?

動作分析と姿勢からヒロキのバランス戦略を読み取ってみよう

ほぼほぼ答えは出揃っていますが、まとめていきますね。

寝返り動作の水平面の動画で、見られた主な現象として、

●左足関節背屈固定
●右内側ハムの過活動
●右大胸筋の過活動

がありましたね。これが、ヒロキの主に使用されるバランス戦略です。(寝返り動作の水平面で見えた範囲での戦略なので、他のアングルから見れば他にも見つかります。)

本当だろうな?と疑う方もいるかと思いますので、違う動作で検証してみましょう。

見るポイントが分かっているので、動作分析も簡単になってるはずです。

動作分析ドリルを購入している方は、全ての動作を取得できると思いますので、
●【前額面】手上げ左足ランジ動作【ヒロキ】
●【前額面】手上げ右足ランジ動作【ヒロキ】
●【水平面】右への寝返り動作【ヒロキ】
●【前額面】ジャンプ動作【ヒロキ】
を取得して、見てみてください。その特徴が顕著に出ている部分を1カットずつだけ載せますね。

まずは、左足関節背屈の制御がどのようになっているのか。ランジ動作で著名に出ていました。

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反対の右足はというと・・・

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母指球が下がってますよね?背臥位の時と一緒なんです。

次は右内側ハムの過活動があるかどうか。

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これだけでは、内側かどうかはわかりませんが、右膝の屈曲が強いですよね?ということは、右のハムを使っていることは明らか。

そして、最後に右の大胸筋です。

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なんじゃこのジャンプの仕方は!!!!????笑

でもしっかりと、右大胸筋を使ってそうですね。笑

こういう負荷量が高い動作になればなるほど、バランス戦略はわかりやすく出てきます。

このジャンプ動作を、また少しだけ分析してみると、左の肩関節外転も強いので、三角筋も過剰に使ってそうだなということが分かります。

最後におまけで載せておきます。

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ねっ?

動作分析は難しくないでしょ?

こうやって動作分析ができるようになるのが、動作分析ドリル「7RULEs」です。
購入したセラピストは、どんどん動作分析が得意になります。でも継続した人だけね。

以上、ヒロキの左への寝返り動作からヒロキのバランス戦略を見てみようでした。この他にもいろんな戦略を使っているので、それを見つけてくださいね。

動作分析をするのが楽しくなった気持ちが少しでも生まれたら、コメントやいいね、質問、100円の寄付、なんでもいいのでアクションしてもらえると嬉しいです。

サポートもありがたいけど、シェアしてくれるともっと嬉しい!1人でも多くのセラピストに届けてください。あ!もちろんサポートも嬉しいですよ!最後まで読んでいただきありがとうございました!