【雑記】集いしひとびと
最後の日、映画『未知との遭遇』の主人公のおっさん、ロイ(リチャード・ドレイファス)は、ついに”彼ら”の宇宙船に迎え入れられ彼方に飛び立った。
『未知との遭遇』は僕にとってとっておきの映画だ。不思議なことに時々、無性に観たくなるのだ。これまで何度観たことだろう。
つい先日にも観たばかりだ。今回観るきっかけになったのは、ある場面がなぜか頭から離れなくなったからだ。前々から気にはなっていたのだ。
ロイが突然、何かにとり憑かれたように車を飛ばして山道を登っていくシーンがある。街を見下ろす山の上にたどり着く。そこには既に同じように何かによって引き付けられた人々が集っていた。夜も更けた時刻にもかかわらず。
その中に飄々と口笛を吹きながらのんびり何かを待っている年配のおっさんがいた。口笛のメロディーはカントリーミュージック風の懐かしい香りのするものだった。
今さらではあるが、それがなんという曲か気になってしょうがなくなってしまった。これまで見過ごしてきたが、その曲こそが集いしひとびとに通底する何かを暗示しているような気がしたのである。
検索してみると意外と簡単にヒットした。おおこの曲である。
「She'll Be Coming Around the Mountain」というアメリカで歌い継がれてきたスタンダードナンバーなのだな。
早速、歌詞の意味を調べると...…。
これがもう期待以上に意味深な歌詞なのだった。
「彼女 = マザーシップ(UFOの母船)」として読めば飛来する宇宙船団とそれを迎える”集いしひとびと”にとっては、これ以上の歌はないと思えるものだった。
気になるのは、”六頭の白馬”を駆ってやってくるとのくだりである。そう言えば確か映画の中のマザーシップは、周囲を飛び交う何機かの小型UFOを従えてやってきた。あれは、何機だったろう。六機だったら出来過ぎだ。
こんなことを思い浮かべながらもう一回観なければならないことになってしまっているのだ。
もう観たくてうずうずしている。
いつか僕も、あの集いしひとびとに混ざりたいのだ。
皆さん良いお年を。
ではでは。
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