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授業の様子②:グローバルスタディーズ学科


 現在、申が担当する「応用演習1」(以下は、ゼミと言う)に参加している学生は2名になります。

 申ゼミでは「近・現代東アジアの風俗史」を学ぼうという旗を掲げていました。ゼミのキーワードは、近代・現代・東アジア・風俗・西洋化・流行・文化・都市・コンテンツ・産業などです。これらのキーワードから学生は自らの研究テーマを設定することになります。そして、3年次の1クォーター、2クォーター(大学では1Q、2Qと言う)で海外長期フィールドワークを行い、持続可能な自分なりのテーマを見つけて、4年次の卒業論文を書き上げることを目的としています。

学生と一緒に輪読しようと考えている書物類(2022年7月撮影)

 ゼミ生たちには「風俗」とは何か?を問いかけながら、東アジアの民族あるいは社会集団に根付いている習俗、今は消え去ってしまった風俗を研究するゼミを目指しています。とくに、風俗史の研究範囲を近現代の東アジアとし、現代的な区分においては、19世紀から21世紀の風俗を研究対象としています。その中で風俗がもつ歴史性・文化性・社会性・経済性及び政治的な側面を追及することにしています。それによって、風俗の変遷や変化、新たな風俗の成立やその背景に存在する意味合いを考察することができるのではないかと考えました。

 実際、ゼミに集まった学生は日本人学生と中国からの留学生それぞれ1名でした。ゼミ生の興味を聞いたところ「韓国語」と「中国語」を学びたいということだったので、ゼミの予定を変えて、「ハングルの運用」と「中国語」の基礎を学ぶことにしました。このようなゼミ内容の変更は、これから待ち受けている3年次の海外長期フィールドワークをより楽しく、学びを深めるためにも語学を学ぶ良い機会になると捉えています。

ハングルを学ぶ図書(2022年7月撮影)
中国語を学ぶ図書(2022年7月撮影)

 韓国出身の教員である私がハングルの成り立ちから書き方、ハングルの発音の仕組み、現代韓国人の生活文化や言葉の変遷やその関係性を取り入れています。一般的な言語習得を目的とする言語教育とは異なる形でゼミを行っています。同じように、現代中国社会の現状を踏まえながら、中国からの留学生Qさんからも中国語のピン音の基礎を教えてもらいながら、互いに学び合っています。Qさんにとっては中国語という母語を通した自国への振り返りとなっているようです。

 申ゼミはお互いに学び合いながら自らの関心を見つけ出せるよう、心がけています。

2022年8月8日
申 昌浩(グローバルスターディーズ学科教員)


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