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イラストのトレースは著作権法の侵害になるの?

皆さま、こんにちは。
弁護士をしております、中野秀俊と申します。
今日のテーマですけれども、イラストのトレースは著作権法の侵害になるの?というお話をしたいと思います。

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トレースは、著作権違反?

このトレースについては、実は著作権上どうなのか?という質問がありましたので、お答えをしていきたいと思います。トレパク騒動というのが結構あり、物議をかもした部分ではあります。トレースについては当然、法律用語ではありませんし、定義があるわけではありませんが、いわゆるお手本になぞってそのまま描くというのがトレースなのかなというところです。

著作権侵害になる場合には


模写というのはお手本を見ながらイラストを描くというところですが、法律的な括りとしては一緒なのかなと正直なところ思っています。というのは、これが著作権法違反になるのかという観点からすると、まずどういう場合に著作権違法になるのか、著作権侵害になるのかという事が大事になってきます。そうすると、著作権侵害になる場合というのは依拠性と類似性の2つの要件を満たす必要があります。依拠性というのは、それを見て、何かに依拠して描いたものというところになります。類似性というのは同一のものも含みますが、似ているというもので、この2つがあると著作権侵害になるわけです。やはり、それが依拠性かどうか、それを見て描いたのかどうかというのは描いた人にしか分からないのでなかなか判断はしにくいのですが、やはり類似性、同一だよね、似ているよねというところが争点になってくるかなというところになってきます。

類似性とは何か?

では、類似性とはどのようになれば似ている、似ていないとなるのかというお話ですが、これは以前もご説明しましたが、判決文のままいうと、既存の著作物の表現上の本質的な特徴を直接監督する云々といった難しい言葉で書かれています。要はどういう事かというと、そのものと同一、それは当たり前です。そのままトレースして、そのまま描いたものは勿論アウトです。また、そっくりな場合ですね。そのままではないけれどもそっくりであれば、これも勿論アウトです。やはり元の絵が分かるという場合や似ているという場合もアウトになってきます。確かにこれに関しては、以前もご説明しましたが、多分に裁判所の評価というものが関わってきます。なので、色々な事例を見ていると、これとこれは著作権侵害ではない、これは著作権侵害だ、この線引きはどこやねん!みたいなところはあったりしますが、やはりそのものであるとかそっくりである場合には著作権侵害になるというところは十分に注意した方が良いかと思います。
 トレパクについては当然、トレースをして似ている、そっくりという事に当たるかと思いますので、著作権侵害にはなるかと思います。なので、後から知らなかったという事は通用しないので、十分に注意をしていただければと思います。

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