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企業におけるサイコパスとブラック企業
日本は、ブラック企業が多いと言われているが何故なのか、とアメリカ生活から戻ってきて10年経過した自分の疑問は、未だに未解決のままでした。
帰国して10年、実に5社で働いて感じたのは、外資系を含め、会社都合なのに自社都合で辞めさせる文化は普通に行われている気がしています。
会社都合での解雇などは、アメリカの方がもっと頻繁に普通に行われているというイメージが強いものの、アメリカでの就労は正社員としては3社、うち1社だけが会社都合の解雇、理由は合併によるチームの解散でした。
こういう流れは、決して理不尽でもなくアメリカであれば至って普通の流れで、次の転職へのチャンスへつなげることができます。
しかし、この考えを日本にそのまま適応すると痛い目にあることもある。その件は、後に話そうと思います。
その前に、なぜ、ブラック企業という企業が社員からは疎まれているのに、淘汰されずに生き残っているのでしょうか?
生物学においても社会学においても、必要とされなければ淘汰されるという仕組みは変わらない。
ブラック企業を望む社員はいないにも関わらず、なぜ、こうも多くのブラック企業が淘汰されずに残っているのでしょうか?
調査をしたわけではないので、あくまでも自分が調べた中からの考察を述べようと思います。
ブラック上司や企業を説明する前に、サイコパスについて考察しようと思います。
何故なら、サイコパスを調べると、モラハラ上司やブラック企業に共通するものが多く出てくるからです。
サイコパス
サイコパスは、どういう人物の事を言うのでしょうか?
サイコパスとは、社会病質者とも呼ばれ、反社会的行動、共感性の欠如、感情の欠如、衝動性、自己愛などの特徴を持つパーソナリティ障害の一種です。
この定義の中で企業内でのサイコパスに結びつくのは、共感性の欠如、感情の欠如、自己愛の3つ。
サイコパスは、日本では100人に一人の割合で存在すると言われ、欧米では5人に一人の割合で存在するという国もあると言います。
しかし、社会学的にも生物学的にも、必要とされなければ淘汰されるはずですが、寧ろ一定数を保っている事実から逆に考えてみると、サイコパスを必要とする人や組織が一定数は存在しているということです。
自分の上司に不満を持っている部下の方の不満でかなり共通している不満は、共感性の欠如だと思います。
現場の苦悩を無視して、自分の目標だけを是が非でも達成しようとするも、部下が数字を達成しなければ、自分の目標を達成できる人間を手に入れるべく、とっかえひっかえ人を変えていく、または頭ごなしに叱責したり、やれるすべての罰を与えるような不利な環境に追いやられた経験を持ったいる人もいると思います。
サイコパスは、共感できないという人格障害ではありますが、なぜか会社でいうと経営者に多く潜んでいます。
サイコパスというと、犯罪者を思い浮かべる人は多いと思いますが、必ずしも犯罪者になるわけではなく、会社の中に潜んで上手に世の中を生きている周到なサイコパスもいます。
そのタイプが一番、非サイコパスの人間にはきついわけです。
何故、経営者や上司にサイコパスが多いのか?
サイコパスは、相手の気持ちを考える能力が欠如しているため、相手の気持ちを考えると行動しにくいという業務に向いているわけです。
例えば、営業で言うところの新規獲得のみを行うハンターと言われる役職には向いていると思います。
B2C営業では、新規獲得はするものの、新規獲得のみを請け負う役職は殆どありません。
B2Bの世界で、特にITやテクノロジー系となると、新規獲得のみを行うハンターが契約を締結するところまで行い、その後は、アカウントマネージャーという役職にバトンタッチし、契約後にそのお客さんに触れることはもうありません。
つまり、新規のお客さんを獲得したら、獲得後、どんな苦労があるだろうかなどの心配を一切する必要もなく、無感情で突っ走ることのできる人に向いているのがハンターです。
もう一つ、サイコパスがハンターに向いているのは、表向きのコミュニケーションが上手という特徴があります。
印象のいい営業マンと話して契約したけれど、契約後、殆どコミュニケーションをとることがなくなったし、サービス自体も聞いていた内容程、自分達には必要でもなかったかなと思う瞬間は、多くの社会人が抱いている感情かもしれません。
サイコパスは、自分の目標達成のために、嘘をついたり相手を欺くことに罪悪感を全く感じないという特徴を持ち合わせています。
これが、強気の営業マンに向いていると言われることがあります。
営業は悲しい性ではありますが、数字でしか評価されないことが多いです。
だから、どう獲得したなどというプロセスを上層部が細かく管理することも殆どありません。
獲得さえすればいいという世界が、悲しいけれどあります。
共感力の強い人は、お客様にとって得がない製品やサービスを強制的に販売させられるときに罪悪感を抱くことはありますよね。
そういう営業マンは、数字が取れていけないわけですから、評価が下がっていくわけです。
ですが、人格としては決して低い評価を貰うような人物ではありません。
本当の意味で、お客さんの(そんな製品やサービスからのメリットがない)ニーズに応え、(無意味なサービスの年間契約を掴まされた)被害を最小限に抑えた、いい行いをしたとも言えます。
また、無理強いする上司は、自己愛というべく、自社愛、ブランド愛を強く持ち過ぎて、自分たちのサービスが必要ないわけない、という考え方をする人が多くいます。
寧ろ、そういう考えを持っていないと上司というポストへはつけないでしょう。
しかし、本当に注力しないといけないのは、そんなサービスを売ることではなく、必要とされるサービスを作り上げることなのです。
本当に必要であれば、ごり押しして営業をせずとも売れていきます。
サイコパスは治せない
サイコパスという障害は、治すことができないようです。
通常、人間は、ある行動をとると痛みを伴う刺激を受けるという実験をした際に、その行動をとらなくなります。
動物実験でも同様です。
それが、罰からの学びになり、人間の世界では、叱ることで、はみ出した道から、正しい道へ戻すための軌道修正をします。それが通常の人の罰からの学びになります。
サイコパスの場合、罰を与えても、はみ出した道から正しい道へ戻るという学びはなく、どの方法なら、このはみ出した道を進むことができるのか、という学びをしていくわけです。
どちらも同じ学びなのですが、アウトプットが異なるわけです。
犯罪者とサイコパスがよく重ねあわされるのも、そのサイコパスの容疑者の目的が「殺人」になってしまっている場合、捕まえる以外の方法で、この犯罪を止めることは難しく、また刑期という罰からも何も学びませんので、刑期を終えて世に出ても再犯するだけです。
会社の経営者や上司も同じです。
その人達がサイコパスな行動をとることで、会社から辞めてもらったとしても、やめさせた会社だけが助かるだけで、転職先の企業が次の餌食に合うだけです。
サイコパスは減らない
サイコパスは、倫理的に良くないと言われることに対する、やってはいけないという共感力に乏しいため、不倫や浮気も奔放に行います。
サイコパスは、そういう理由もあり、一所に長くいられませんし、一人の人と長くいられません。
だから、多数の異性の下で種を広める活動を繰り返し、その罪悪感もありません。
唯一、サイコパスが上手くいく相手は、相手もサイコパスであることです。
恐らくお互いが不倫をするでしょうが、罪悪感をお互いが持たず、種を広めようという生物学的な行動が先行するため、お互いを攻めることもないでしょう。
ただ、自己愛はお互い強いので、私は不倫をしても良いがあなたはダメ、という感情があるはずです。
お互いサイコパス。ここは、見つからないように上手くやっているのではないでしょうか?
ここまで読むと、生物学的な要素が出てきているので、勘のいいひとならもうわかっているのかもしれませんが、サイコパスも不倫も遺伝的要素が非常に大きく影響しています。
サイコパスの多くは、遺伝的な理由が強いですが、不倫の遺伝子の場合は、後天的な環境の変化を変えることで、不倫の行動を抑制することができているという結果が出ているようです。
サイコパスに関しては、環境を変えても殆どかわっていないとのこと。
ということは、サイコパスが生き残るには、その性格が適していると思われる職場で生き残ることです。
抽象的ですが、いわゆる、「人がやりたがらない仕事」「普通だと腰が引けてしまう新たな分野での業務」が向いています。
新規獲得の営業、リストラの現場マネージャー、マルチレベルマーケティング、経営者などは、共感力の高い人だと強引に事業を進める際に、腰が引けてしまうこともあるかもしれません。
逆に考えると、最近IT系に多いハンターといういわれる役職には、最適だと思います。
外資系だと営業の目標値も高く、ごり押しで業績の進捗を詰めてこられることも多いかもしれませんが、報酬もそれなりに高いですよね。
こういう得られるものが大きいものに旨味や快楽を感じるのがサイコパスの特徴です。
もし企業が本当に新規獲得だけに奔走してもらいたいという思いがあるならば、そういう人材を集団とは離れて管理しながら、手元に置いておくことで業績は伸びていくかもしれません。
サイコパスとモラハラの共通点
共通点は、相手の痛みを全く共感できない点、幼少の体験で愛情の欠如、自己愛が強い、この辺りはそっくりです。
男性の場合は、刑事事件にならない程度の場合は、企業内でその特徴を発揮し、女性の場合は、家庭の中で配偶者や子供に対して、モラハラをする点。
これは、共通項と言えると思います。
サイコパスは、一定数残り続けるという事実とブラック企業がなくならないというのは、関連性がありそうに見えます。
ただ、科学的に証明はできませんが、文化的に考察すると、ブラック企業がなくならないのは、存在で来ているからなくなっていないと言えると思います。
欧米であれば、ブラック企業と分かった時点で社員は退職します。
転職が普通の欧米社会では、次の企業も、ある程度、前職の退職理由を気にせず、候補者の業務遂行能力を評価して採用してくれます。
日本は、ブラック企業と分かっても転職せずに我慢して残ります。
企業の経営は、従業員がいることで成り立っていますので、人がいる限りブラック企業は残ります。
何故、我慢しているのかというと、転職こそ当たり前になった日本でも、転職する際に、離職理由ばかり人事が聞いてきます。
不採用に去った理由も、幸運にも理由が聞けた場合、業務遂行能力に問題がないにも関わらず不採用になる場合は、離職リスクが高いというものが上位に挙がってきます。
欧米には、受け皿があるが、日本には求人だけが転がっている中で、受け皿自体は、昭和の採用基準がそのまま残っています。
これでは、会社をすぐには辞められないな、と感じ、転職に気が引ける人もまだいるのではないでしょうか?
外資系出身の方であれば、転職活動にすぐ入れますが、まだ新卒採用のところから一度も転職したことがありませんという人であれば、転職に不安を感じるはずです。
実際に外資系で辞めざるを得ない状況を何度も繰り返して転職に慣れている人でも、転職活動は疲れます。
でも、この昭和の採用文化の根強さが、日本に人材不足と言わしめているのです。
正直、人材は不足していません。
かなり多くの方が仕事を探しています。
採用基準が、間違っているということと、採用担当に裁量権が少ないということが問題なのです。
いわゆる業務人事というだけで、探せと言われたから探している人が多く、その人材を採用したことで、どういう未来を会社にもたらそうと考えているのかというものがないに過ぎない。
多くの企業の上層部に、サイコパス気質が存在することが鑑みると、業務人事の立場の人間が、主張したところでサイコパスフル稼働されて、自分の身が危険に晒されます。
それを恐れて我慢を何十年にもわたりしてきた日本の深い闇がなくならない限り、日本からブラックはなくなりません。
また、企業が宗教的になっている企業もありますよね。同族企業に多いですが。
こういう企業もまたブラックになりがちで、宗教色がなくならない限り変わることもないと思います。
今年は、日本からブラックを減らすためにも、転職しやすい環境へ変えるにはどうすればいいのかを、とことん追求してみようと思います。
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