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部対抗リレー

 体育祭で盛り上がる種目の一つに部対抗リレーがある。

 大抵、サッカー部、バスケ部、野球部が上位に挙がってくる。

 不思議なもので、陸上部には早い人がいるのだろうけど、部活単位で見ると人気も薄く、部員が少ないせいか、他の部の方に俊足達が揃っていた。

 部対抗リレーは、ユニフォームを着て出場するのが通例である。

 どの運動部も、ユニフォームは動きやすいように設計されているが、毎年気の毒に思うのは、剣道部だ。

 胴着を着せられ、面も被らされ、竹刀まで持たされている。

 バトンを二つ持っているようなものだ。

 スタートの合図で、先に出てくるのは、大抵サッカー部とサッカー部である。

 サッカー部は、全体的に俊足が多く、特にウィンガー、ミッドフィルダー、ストライカーは俊足が多い。

 このメンバーで繋がれると、なかなか追いつけないのも事実。

 バスケ部も、試合中、ずっと走り回っているため、かなり持久力はある。

 しかし、意外に瞬発力にも長けているものは多い。
 
 一方、野球部は、俊足に関して言うとばらつきがある。

 全体的に、走り込みはしていると思うが、強打者が必ずしも足が速いとは限らない。

 ばらつきがあるため、第一走者が一位でバトンを受け渡しても、どこかの走者で順位が入れ替わる恐れが毎年あった。

 バスケ部は、全体的に瞬発力のある集団ではあるものの、極めて速い人がいるわけでもない。

 センターを担当する高身長の選手であれば、身長が高ければ高いほど、スピードは落ちてしまうのも自然の摂理だ。

 バスケで俊足が多いのは、フォワードとガードだ。

 サッカー部には、当時俊足がいた。彼はウィンガーで、サッカー部の中で一番足が速かった。

 ボール捌きは苦手としていたものの、走らせたら右に出るものはいない程の俊足。

 試合で上手く実力を発揮できなくとも、部対抗リレーでは確実に活躍していた。

 体育祭は、紅組、白組と別れている学校もあれば、もしかしたら、もっと複数の色で分かれているところもあるかもしれない。

 ただ、紅組、白組という別れ方をしていると、親和性に乏しく応援の熱も「いまいち」になる。

 しかし、部対抗リレーとなると、部活一筋という人が多いため、思い入れがあり、本人達の熱の入りようも半端ないだけでなく、中学は、〇〇部のXX先輩を追いかける女子の後輩も出てき始める。

 そうなると、紅組、白組を超越し、紅白リレーよりも盛り上がる。

 気の毒なことに、部対抗リレーは、存在する部活通しのリレーとなるので、文化部はかなり不利な状況に追い込まれる。

 走り込みが日課になっている部活と、座り込みが日課となっている部活が激突すれば、走り込む競技なのだから、走り込みを日課としている部活が勝つに決まっている。

 文化部に所属したことはないが、絶対に「これ、うちらでなくちゃダメですか? 遅いというレッテルを貼られるだけなので、不戦敗にしてもらえませんか」という問いが少なからずあるだろう。

 このように順位を競うのは、勝ったチームや勝ったチームを応援している人にとってはいい思い出になるものの、大敗を喫したチームからすると、自信喪失以外に何も生まないのが事実だ。

 前述の通り、こういう背景から、体育会系にとって花形の部対抗リレーは、文化部にとっては年に一回の悪夢となる。

 体育会系の部では、部対抗リレーに選出されることが名誉であるのに対し、文化部にとっては選出されないことが名誉を守ることになる。

 部対抗リレーの未来を予測すると、部活にEスポーツの部活が出来たらどうだろう。

 あるいは、ロボティクス部やドローン部、大きなところでIT部なんて出来たらどうだろう。

 Eスポーツもスポーツと言いながら、プロゲーマーの集団。実際の運動となれば弱いかもしれない。

 ウィニングイレブンでは常勝チームなのに、リアルなサッカー選手とのリアルな戦いは大敗を喫す。

 体育祭では、体育会系の部活しか有利ではない。文化部が有利になる環境が整えられていないのは不公平だろう。

 いっそのこと、ドローン部が各走者の真後ろ、または真横に並走し、各走者目線でリレー全体を録画する。

 この模様は、後日編集され学校から動画リンクとして共有されるか、全校生徒を体育館に集めて、巨大スクリーンで放映して、後夜祭的に盛り上がるなんて言うのもありだと思う。

吹奏楽部は、動画内の音楽を担当、ロボティクスやドローン部などは、走者に並走したカメラ担当、IT部は、スクリーンのインフラ構築担当及び、体育祭全体をカメラに収めた動画を収納するクラウド管理で活躍、合唱部は、動画の最後でテーマソングを入れるなどのような関わり方だと、本来持つ力を見てもらい形で反映することが出来るだろう。

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