文化祭のバンド
文化祭で軽音のライブとなると、基本的に高校をイメージするが、私の中学では、3年は体育館で全校生徒の前で出し物をすることになっていた。
そこでF組が「バンドのライブ」に決まった。
私は、A組だったので演劇の舞台を演出することになった。
私は中学の時にキーボードを買い、ギターやベース、ドラムなども練習し始めていた。
最終的にドラムに決めたのだが、ドラムを持っていなかった。
F組の出し物では、高校のようにPAをレンタルしないため、自分で私物としてライブきっとを持っている必要があった。
たまたま、F組には、メンバー全員学期を持っているという環境に恵まれていた。
高校の文化祭では、いくつかのバンドが30分程の持ち時間で披露するが、中学の時は、ライブと言うよりかは、一種の出し物に近いため1曲を披露するだけだった。
しかし、中学生は軽音楽部のライブのような環境を体験したことがない生徒ばかりなので、1曲でも十分に盛り上がり、皆体育館の壇上の目の前に立ち見の状態で拳を上げて飛び跳ねて盛り上がった。
そもそも短期間なので、1曲を完璧にするくらいがちょうどよかった。
1曲を披露すると、興奮した在校生は、「アンコール」を求める。
そしてバンドは、もう一度同じ曲を始める。それも、大盛り上がりとなった。
結局、演奏が上手い下手は本質ではなく、一体感を感じることと、ライブ感を感じられれば満足なのだ。
そのニーズにはしっかり答えたいいエンタメだったと思う。
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