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趣味は納税です。
のっけから大間違いを書いている(笑。
当然のごとく納税は趣味などではなく、国民の「義務」である。
確か以前にも書いたと思うが、僕の店は一応「法人」扱いになっている。
お店を始める前に、何かと都合(体裁??)が良いだろうという事で、そうした。
いまだに店が一軒なんて、わざわざ法人にする必要もなく、ただ手間なだけだ。
帳簿はきちんと揃えなければならないし、保管の場所もとる。
3月に決算、そして5月には確定申告と、この時期はそれなりに気を揉む。
こんなしょぼいビジネスで、法人にするメリットといえば、
(ここから先は、これから独り立ちして、たった一人で小さいながらもビジネスを起こしたいという方のために書いているので、ビジネスを大きくしたい方、もしくはもうすでに大きくされている方は、どうぞスルーしてください。)
・赤字の繰越ができること
・自分で自分の保証人になれること
くらいのものだろうか。
毎日せっせと伝票をつけて、これっぱかしの利点しかないのは、なんとも釣り合いが取れない気もするが、始めてしまった事なのだから仕方ない。
なので、毎年このゴールデンウィーク過ぎは、気が重い。
それでも、
23年前、この店を契約するときに、大家さんと初めて対面して、
「法人ですか?個人ですか?」
と聞かれて、
「法人です!!」
と答えると、
ニコッと、安堵の表情をされた、あの瞬間だけでも、それなりに手間をかけた甲斐はあったのかもしれないと、今にしてみると、少しだけそう思う。
それに、金融機関へ融資の相談に行くにしても、個人だとやれ通帳を見せろだの、借金は無いかなど、色々聞かれると思うが、法人であれば、直近数年分の確定申告書を出せば充分な場合も多い。
そんなところもメリットといえば、メリットなのかもしれない。
とはいうものの、
訳もわからず、単なる見栄だけで法人化すると、苦労する事の方が多いかと思う。
特に、稀に余計な入知恵をしてくる人もいて、
「会社なんて赤字にしておけばいい。繰り越せるし、その方が法人税もかからない。」
なんて、複数の会社を持っている人の節税対策話を鵜呑みにして、毎年赤字を垂れ流しにしていたりすると、後々面倒な事になる。
実際、僕の事業も、当初の数年間は、売上に対し、かかった経費をそのまま計上して、赤字であれば「はいそのまま」と、馬鹿正直に決算報告をしていた。
そのうち、いよいよ資金がバーストして、お金を借りに金融機関へ行ったとしても、そんな経営状況では、もはや誰も相手にはしてくれない。
一度、公の融資機関へ泣きついたところ、担当者の方(多分、金融機関で働いていたOBだと思う。きっとそういう方のリタイア後の受け入れ先なんだろう)から、
「ああ、この年くらいは「黒字」にしたかったですね。」
と言われ、
ハッとなった。
ああ、会社の「黒字」って、自分で作るものなんだ。
と初めて知った。
あまり教えてはもらえないが、企業というのは、紛れもなく、1円でも良いから、
「黒字」を出すのが目的だ。
いや、使命といってもいいかもしれない。
そのためには、決算時、それに届かないと分かれば、経費を自分のポケットマネーにして切り詰めるもよし、自分で自分にボトルでも入れて売上を上げるもよし、
(役員といえど、給与をそう簡単に上げ下げ出来ないところが法人の辛いところ)
とにかく、最終的に「黒字化」するのが絶対だ。
利益を出して、
きちんと税を納める。
それが会社だ。
そんなこんなで、積年の赤字を解消して、無事法人税を納められた時は、
ちょっと「誇らしかった」ように記憶している。
当たり前のことを、当たり前に出来る喜び。
やっと「人並み」になれた気がした。
てな訳で、
僕にとって、納税はもはや「義務」というより、
「人並み」でいられる証し、紳士淑女の「嗜み」のようになっている(笑。
そんなこんなで、お陰様で今年も何とか納税出来そうです。
有難うございました。
ちなみに額は聞かないで(笑。
神保町へお越しの際は、是非お立ち寄りください。
税が正しく使われますように。
お待ちしております。
More Than This / Charlie Hunter · Norah Jones
Blue Note Records
2001
(本文の最後に、お店でよくかける音楽を紹介しています。お家でお酒を飲まれる際に是非どうぞ。今度お店に聴きに来てくださいね。)
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