脱兎のごとく
あの朝、僕は脱兎のごとく時間に追いかけられていた
目覚めると6時50分!まずい完全に寝坊した!僕の朝は早い!毎日早い!
布団を蹴飛ばしまずは全裸!いや下着はつけてる!全裸ではない!
そんな事はどうでもいい!から一旦なにか食おう、パンか米か
時間がないからパンだろ、いやシリアルか、健康考えシリアルか?
いやパンだ、パンはどこだ、レンジの上か、ない、ないぞ!どこだ!
奇をてらって米びつか、いやいやいやいや、そんな事はどうでもいい!
睡眠を中断し、ご飯を諦め、俺は今までいくつもの何を捨て生きてきたんだ
きょうも朝飯を諦め、昼飯も食えず、どうせ夜も何時に食えるかわからない
食うために働くのに俺はいつも食えないのはどういうことなのかわからない
いやいやいやいや、いやいや、いや!そんな事はどうでもいい!
シャツとスーツとネクタイベルト、カバンにボウシにコートにとけい
わすれもんないか、わすれたら忘れろ、その事自体をわすれればいい
私OKOK私、出発だ!!!
と、ドアを開けると真っ暗だった、あれ、あれれ、そうか?そうなのか?
夜か?夜の18時50分か?そうかそうか、んじゃ寝よう
急いでいたからクタクタだ
がんばった、今日も頑張った、そう僕ら、俺たち、私ら、今日も頑張った
明日の朝また続きをしよう
詩集「言語のゴミ溜~これをばシと言わんとしてなんという~」より
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