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#スイス文学
【詩の翻訳】種蒔く人の辞/コンラート・フェルディナント・マイヤー
種蒔く人の辞
一歩の距離を測れ!一蒔きの量を測れ!
大地はまだまだ若い!
そこに死んで永遠の眠りについた穀粒が落ちている。
眠りは甘美だ。穀粒はそれを十分に感受している。
ここに一つ、土塊を割って出てきた穀粒がある。
穀粒はそれを十分に感受している。甘美なのは光だ。
そしてこの世界からこぼれ落ちるものは誰もおらず、
誰もが神の御心にかなうように死んでいくのだ。
Conrad Ferdinan
【詩の翻訳】時代の風景/ゴットフリート・ケラー
時代の風景
深い谷間に微光を放つ鉄道があり、
橋が谷とレールを
はるばると越えていく、それぞれの柱が一つの塔で、
人工の冠を戴いて空中にそびえ立ち、
雲に向かって広い弧を支えている。
古代ローマのもののようだが、新しくて輝いており、
森に覆われた山々を結びつけている。
橋の上には車が走っていない、
というのも水晶のような水が上の方で流れているからで、
その清らな流れを船乗りたちは讃えるのだ。