高く澄んだ秋空に吸い込まれそうな極私的プレイリスト

2023年10月13日 11:27

私：・・・・・。

村長：おい。

私：・・・・・・・。

村長：おい！

私：んあ？
あ、村長じゃないですか。どうしたんですか？こんなところで…

村長：そりゃこっちのセリフだ。
天下の公道の真ん中で口空いたまんま上を見上げてぼっ立って、なにやってんだ？

私：空があんまり綺麗なんで見とれちゃって。
い〜い季節になりましたね〜。

村長：相変わらずネジゆるんでんなぁ。
邪魔だからさっさとどっか行けよ。

私：え？どうしたんすか？
村役場の偉いさんが打ち揃って何かあるんですか？

村長：今から村の公式YouTubeチャンネルの撮影するんだからよ。
儂ワシが企画・脚本・演出・出演だぞ。

私：わ、あそこで旧式のビデオカメラ担いでるのは農業政策部長じゃないですか。
レフ板持ってるのは出納課長だ。
健康福祉課長と土木整備課長がADやってる！
こいつら地方公務員のくせに何やってるんだ…

村長：とりあえず今年度中に登録者数100万人目指してっからよ。
今日はこの村のパワースポット巡りって企画だ。

私：なに眠たいこと言ってんだこのジジイ。
まぁいいや、一日4本しか来ない村営バスを待つあいだ、この素晴らしい秋空に似合う曲でも聴いているとするか。

この曲聴きながら秋の空を見上げてると、鼻の奥がツーンとしてくるなぁ。
明るい寂寥感とでもいうか…
見渡す限りの草原で、ひとりきりで涼しい風に吹かれているような感覚だよ。

私にとっては永遠の名曲、アニメ「交響詩篇エウレカセブン」の最終回で効果的に使われてたなぁ。
子どもの頃おおいにハマったアニメだったし、その後電気グルーヴのライヴでも聴くたびに涙が滂沱として流れるよ。

以前にも紹介したMarie Ulven Ringheimさんのソロ・プロジェクト。
秋に始まる恋を、なんの衒いもなく率直に語る歌詞もステキだし、抑えぎみのサウンドメイクもこの季節にぴったりの名曲だねこれは。

これも個人的には秋の曲だよ。
ハイランドのヒースの丘で誰かを待ちながら空を見上げてるところをイメージしてしまう、と言うとあまりにカッコ良すぎで恥ずかしいな。

このクールな浮遊感、高い高い広い広い秋の空にスゥ〜ッと吸い込まれてゆくような気がする。
シンプルゆえに深い歌詞も曲調に合ってるなぁ。

コロラド州デンバーのレッド・ロックス野外劇場で、最高に気持ちいいカッティングプレイを聴かせてくれるCory Wongさん。
このクリスピーな空気感の中で、生で聴きたいなぁ…

晩秋の夕焼け空をイメージさせる、郷愁に満ちたいい曲だ…
機関車ファンにはたまらないであろう映像とともにアップされてたけど、たとえ音だけでもこの曲の映像喚起力は強力だねぇ。

私：あれ？あそこで公園緑地課長にメイクを直してもらってるのって…

村長：儂ワシのアシスタントを務めてくれるアケミさんじゃ。
京マチ子に似てて美人だろ。

私：村のはずれにある「スナックあけみ」のママさんだ。
たしか先代・先々代の村長の愛人と噂され、ふたりとも任期途中に不自然で不可解な亡くなり方をして、そのたびにお店の内装・設備が豪華になっていったために、稀代の妖婦ヴァンプと呼ばれるようになった江戸アケミさんじゃないですか。

村長：こら、つまらん邪推をするでない。

私：そ、村長、ヤバいですよあの女ひとは…
この村の首長が3人続けて任期満了できないという事態に…

村長：なぁ〜に下らんこと言っておる！
儂ワシがそんな迂闊で卑俗な男に見えるっつーのか？

私：はい！すぐ殺されそうな人物に見えます！

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