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8月22日、Ashford & Simpsonの仕事を追体験して追悼

拝啓 残暑お見舞い申し上げます。
8月も終わろうとしているのに、ここ日本では記録的な猛暑が続いています。
空の上もやっぱり夏は暑いですか?
思えばあなたが亡くなってしまったのも、暑い8月でした。

あれから12年経つあいだに、いつの間にか音楽好きとなっていた私は、
あなたとValerieさんの創ってきた作品を後追いで享受しています。
そしてつくづく感じています。
あなた方がソウル/ポピュラー音楽の歴史上、どれだけ偉大なコンポーザー、ソングライター、プロデューサー、デュエットシンガーだったかを。

Motownを離れてからのあなた方ご自身のご活躍も、もちろん楽しませていただいています。
さらにいろいろなひとのさまざまな曲を知るうちに、気づくことになりました。
自分が良い曲だと感じたものが、しばしばあなた方のお仕事であったと。

東洋には「お盆」という宗教的慣習があり、今年はすでにその時期は過ぎてしまったのですが、あなたのご命日に感謝を込めて、こんな曲を聴いて過ごしました。


♪ ”Ain't No Mountain High Enough”  by Marvin Gaye & Tammi Terrell

マンハッタンの摩天楼にインスピレーションを得た曲、と聞きました。
力強くて華やかな高揚感は、半世紀経っても色褪せません。
お二人とは、天国でお会いになりましたか?

そして奇しくもあなたが亡くなる約1ヶ月前にこの世を去ったAmy Winehouseさんがこの名曲を参照して、せつなくて素晴らしい作品にしたのはご存じですよね。
これには泣きました。

♪ ”Tears Dry On Their Own”  by Amy Winehouse


♪ ”I'm Every Woman”  by Chaka Khan

のちにWhitney Houstonさんのスタイリスティックなカヴァーもヒットした、Chaka Khanさんの熱唱に元気づけられた女性は多いのでは。
まさに鉄壁の作編曲。


♪ ”Bourgie', Bourgie'”  by Gladys Knight & The Pips

個人的には、オリジナル作のインストゥルメンタル曲の方が大好きなのですが、
このカヴァー・ヴァージョンもガラージ・クラシックとして知りました。
Valerieさんのピアノをはじめ、すごいメンツの演奏の厚みに圧倒されます。


♪ ”Let's Go Get Stoned”  by Ray Charles

そして、あなた方のキャリア初のR&Bチャート1位となったRay Charlesさんの1966年作。
この仕事によって、MotownのBerry Gordy Jr.さんに認められたと聞きました。


♪ ”I Can't Give Back the Love I Feel for You”  by Jeff Beck Group

残念ながら今年初頭に亡くなってしまったJeff Beckさんが、第2期Jeff Beck Groupの最終アルバムに残したのが、あなた方がThe Supremesに提供した曲のカヴァー。
Beckさんの豪快なスライドを堪能しています。


♪ ”The Boss (Eric Kupper Remix)”  by Diana Ross

1979年のDiana Rossさんのヒット曲が、ちょうど40年後の2019年にビルボードのDance Club Songs第1位になりました。
リミックスしたのはFrankie Knucklesさんの右腕だったEric Kupperさん。
あなた方の原曲を尊重した、無駄のないアップデイトは流石です。


♪ ”Ain't No Mountain” on Late Show, July 15, 2013  by Valerie Simpson

Valerieさんのお元気な姿もTVショウなどで拝見します。
お二人がマンハッタンに開いた「Sugar Bar」も盛業中と聞きます。
いつかお店を訪れ、曲名にちなんだカクテルを飲みたいと思っています。


素敵な作品とパフォーマンスをありがとう、Nicolas Ashfordさん。
そしてValerie Simpsonさん、いつまでもお元気で。 敬具

©Motown Classics 2

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