長男「見て!あの人、腕に絵描いてあるよ!」 ← そのとき私に戦慄走る──
家族で、うどん屋チェーン店に行ったときの話です。
お座敷席で子どもたちにうどんを取り分けて、さあ食べましょうか、というとき、隣に別の家族が座りました。
お父さんとお母さんと、娘さんが2人。
我が家とほぼ変わらない家族構成だったわけですが、一つ明らかに、もう見ただけで分かる大きな違いが。
お父さん、入れ墨がびっしり。
0.25秒しか見ませんでしたがそれでも分かる、只者ではない感じ。
腕だけではなく、足、首元まで。たぶん顔にも、ALL TATOO。
そしてお母さんも、片腕に大きな入れ墨が。
うーん、これはちょっと嫌な予感がするな。
と、案の定、5才の息子。
「お父さん、見て!あの人、腕に絵描いてあるよ!」
そんなに大きな声ではなかったけれど、隣に座っているし、まあ聞こえてますよねー、ぐらいの音量で。
たぶん聞き流してくれている、先方のご家族。
ありがたい、と思いつつも、返事に窮する。
子どもにとってみたら、腕に絵が描いてあるなんて不思議すぎるだろうし。
そりゃ初めて見たら食いつくよね。そこは仕方がないとしよう。
さて、どうしようか…
瞬時にいくつかの案を考えます。
「そんなこと言ったらダメ」
→ いや、絵が描いてあるのは事実だし、ダメとか意味わからん。
「え、何のこと?」
→ 「見てよ見てよ、あそこだよ!」と言われてしまう。
「うん、オシャレだよね〜」
→ 下手に会話が弾んでしまうと、その先には地雷原しか。
というわけで、私の選んだ返答は──
「うん、そっか。とりあえず食べようか(低音)」
でした。
長男はかなり察しの良いタイプなので、何かを感じ取ったらしく、
それ以降は入れ墨に触れることなく事なきを得ました。
と、そんな一件があったわけですが、
子どもに入れ墨について話すの難しいな、と。
なぜそう思うのかというと、私は小児科の近くにある薬局で働いているのですが、最近明らかに入れ墨をしているお母さんが増えているんです。
特に、首の後ろや足首、指にワンポイントのタトゥーを入れている人をよく見掛けます。
ひと昔前、それこそ私が幼少の頃なんかは、
「入れ墨をしている人は、怖い人なんだよ」
という教育がされていた印象があります。
しかし今、それで良いのだろうか?
入れ墨はすべからく怖いものだ、とか。
入れ墨をしている人には近寄るな、とか。
そんな教育は「我が子のこれから生きる世界」を想定できているのだろうか?
疑問が残ります。
結論から言えば、まだ息子には何も話していません。
頭ごなしに否定するのではなく、もう少し、入れ墨の歴史や文化的側面を知ってから、改めて話をしようと思いました。
近隣の図書館にコチラの新書があったので、今度借りてみます。
自分が生きた時代の常識ではなく、子どもの生きる時代について考える。
これからも大切にしていきたいところです。
ただ迷いも無くはないので、皆さんのご意見も、よければ教えて下さい。
それでは、また。
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