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12月の目標は 『サピエンス全史』 の読破です。

師走をいかがお過ごしでしょうか?
わたしはインフルエンザが大大大流行しているせいで仕事が忙しいです。

小学生は学年閉鎖とかしまくってますね。
頼みの綱のタミフルドライシロップが需要過多で手に入らなくなってしまい、大人用のタミフルカプセルを一個ずつ外して、中身を子供用に調製し直して調剤しています。
(超大変な作業です)

さて、12月の目標について、自分で逃げ出さないように宣言しておきます。
それはユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』の読破です。
(読破とは、例によって「全ページ読むこと」と定義します)

先日、文庫版を上下巻で買いまして。
実は毎日少しずつ読んでいます。

ただいまの進捗は、上巻の48%地点です。


『サピエンス全史』といえば、言わずとしれた世界的名著で、全世界累計2500万部という、ちょっとネジが外れた売れ行きを誇っています。
内容はタイトル通り「サピエンス」の「全史」で、私たちの祖先であるホモ・サピエンスがどんな歴史を辿ってきたのか、について詳細に書かれています。

「全史」というだけあって内容は非常に厚く、上巻354ページ、下巻400ページあります。
第一章から第二十章(!?)まで存在します。

いま第六章まで読み終わったのですが、まーーーーーー面白い!
柴田裕之さんの天才的な翻訳と、ハラリ氏自身の切れ味バツグンな喩え話のおかげで、飽きずに終始ニヤけながら読んでいます。

『ジョブ理論』や『学習する組織』などに見られる洋書特有の読みづらさを一切感じず、スラスラと読み進めることができます。



印象的だった文言をいくつか引用しておきます。

私たちはつい最近までサバンナの負け組の一員だったため、自分の地位についての恐れと不安でいっぱいで、そのためなおさら残忍で危険な存在となっている。

第一章「唯一生き延びた人類種」 第二節「思考力の代償」より

もともと人類は、ライオンが狩った草食動物の屍肉をハイエナが漁った後に、その草食動物の骨髄をこっそりとすすっていたそうです。
まさに「サバンナの負け組」です。
それが一瞬で食物連鎖のトップに躍り出てしまったために、王様のように振る舞ってしまうのですね。


世界の大型生物のうち、人類の殺到という大洪水を唯一生き延びるのは人類そのものと、ノアの方舟を漕ぐ奴隷の役割を果たす家畜だけということになるだろう。

第四章「史上最も危険な種」 第三節「ノアの方舟」より

上陸した大陸の大型動物を軒並み絶滅させてきた人類は、いま海上の大型動物をも絶滅の危機に追いやっています。
そうして最終的に残るのは人類と、人類が生きるために「生をデザイン」された家畜だけである。
それを上手に喩えている文章です。唸りました。

ちなみに本章で語られている「雌牛と仔牛の話」がエグすぎて引きました。


歴史とは、ごくわずかの人の営みであり、残りの人々はすべて、畑を耕し、水桶を運んでいた。

第六章「神話による社会の拡大」 第一節「未来に関する懸念」より

「農業革命により人類は豊かになった」と一般的に考えられていますが、本書においてはそれは逆で、「人類は数を増やすことには成功したが、豊かさは得られなかった」としています。
歴史書で語られるような人間はいつだって「少数のエリート層」で、彼らが生きるための食糧を作る大多数の農民は歴史には登場しません。



とこんな感じで、読んでいるといくつも発見があります。

まだ500ページ以上あるのですが、自分が思っていたよりも楽しい読書で、この調子なら今月中には読み終えることもできそうです。
気合を入れて、やり遂げたいと思います。
(今月は、他の本はあんまり読めないかも)

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