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本日の読書 #021 「アファーマティブ・アクション」
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参考書籍:『これからの「正義」の話をしよう』マイケル・サンデル
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第7章 アファーマティブ・アクションをめぐる論争 より
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アファーマティブ・アクション。
日本語では「積極的格差是正処置」「積極的差別是正措置」などと呼ばれる。
例えばアメリカの大学などにおいて、黒人の点数に対して下駄を履かせたり、黒人の中での上位◯%は合格、などといった措置を行うことをいう。
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直感的には「いや、それはダメでしょ」と感じてしまいやすい。
実際にアメリカではアファーマティブ・アクションを巡る論争が絶えないそうだ。
ではなぜこのような措置が取られるのか。
それは「多様性の確保」のため。
大学には多様性が必要だ。
「社会全体の共通善」を目指すならば、大学を卒業できるのが白人だけであって良いハズがない。
例えば黒人やヒスパニックといったマイノリティを出自に持つ国会議員や裁判官、法律家もいなければ、格差や差別は無くならないからだ。
だから「黒人の中で最も優秀な5%」を入学させる、といった判断になる。
それでもまだ疑問に思う。
「いや、それなら黒人もしっかりと勉強して、成績で権利を勝ち取るべきでしょ?」
と。
ここに「格差」や「差別」の問題が絡んでくる。
サピエンス全史の上巻に、黒人差別についての記述があった。
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つまり黒人の母集団は白人のそれに対して全体的に貧困であり、そもそもの「教育機会の豊富さ」という前提が大きくズレているのだ。
だから黒人の上位層は、白人の中位層と同程度の学力となってしまう。
すると「是正措置なしでは黒人の入学者が全く確保できない」という事態になる。
それがアファーマティブ・アクションの存在意義だ。
***
ちなみに私はアファーマティブ・アクションに対して賛成の立場だが、それは上記の理由によるものではない。
「大学がどのような人材を合格とするかは、大学の判断で良いのでは?」と感じるためだ。
例えば大学側が「うちは黒人を最低でも20%は在籍させておきたい」と考えるなら、そうなるように是正すれば良い。
それが受験生にあらかじめ周知されているのであれば、問題ない。
就職の面接と同様に、どんな人材がほしいかは組織によって異なると思う。
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