本日の読書 #010 「刺身と寿司」
参考書籍:『魚ビジネス 食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める魚の教養』ながさき一生
第一章 寿司から学ぶ魚ビジネスの世界 より
刺身と寿司。
私はどちらも好きなので、これらの優劣を付けろと言われると難しい。
しかし本書を読んでいると、それぞれに独自の文化があり、同じ生魚を使用していてもその目指すところは大きく異なることが分かる。
「刺身は産地で、寿司はお店で食べるもの」の言葉通り、
刺身には刺身の土俵が、寿司には寿司の土俵がある。
ウニが例に挙げられている。
ウニはすぐに品質が劣化するために、現地ですぐ食べるのが最も美味い。
となれば、必然的にウニの旨さは「刺身>寿司」となる。
品質を劣化させないように、あるいは型崩れさせないように使用するのがミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム)で、寿司としてのウニにはこのミョウバンの利かせ方がキモとなる。
つまり「寿司の世界で一番旨いウニ」を狙うためには、ウニ自体の鮮度よりもむしろ「ミョウバンの使い方」に精通しておく必要があるということだ。
これはnoteにおいても同じことが言える。
「美文名文を書くことができる」のは確かに素晴らしい能力ではある。
ただそれは「新鮮なウニが採れる」みたいなことで、刺身で食べるなら最高だ、ということに過ぎない。
noteの世界には美文が書けなくても戦える土壌が豊富にある。
画像を使ったり、音声で訴求したり、他人の記事を引用してみたり。
必ずしも文章力だけで勝負する必要はないのだ。
刺身でも、回転寿司でも、パック寿司でも良い。
何か自分の得意な土俵を探すことが、noteを続ける秘訣だと思う。
「自分だけが使えるミョウバン」のような何かを見付けたい。
いつもサポートしていただきありがとうございます。 頂いたサポートは全て、近隣の本屋さんで書籍の購入に使わせて頂いております。