差別との戦い その3

差別との戦い その1 https://note.mu/grin/n/nac0efe9fb15c

差別との戦い その2 https://note.mu/grin/n/n953098a7ceff

 その1では導入として差別と戦って勝ち目はあるのか、そもそも差別と戦うべきなのだろうかという問題提起をした。その2では差別という行為は生来の特徴をベースに持つ普遍的なものなのではないかということを拙いながら主張した。それを踏まえ、本稿以降ではどのようにすれば私たち男性同性愛者は差別から解き放たれることができるのか、その具体的な方法を探っていこうと思う。

 現在、世界で目立って行われているゲイリブ(gay liberation)活動は、『差別的な言説が見られた場合に是正を求めること』『性指向によって不利益を被ることがないように法の整備を訴えること』『カミングアウトを推奨し、メディアへの露出を増やしたりパレードなどのイベントを定期的に行ったりして一般的なゲイの存在と数をアピールすること』などだ。こういったやり方は1960年代から基本的には変わっていない。ということは何十年もの間の批判や検証に耐え続けてきた方策なわけで、そのあたりを私が今ここで繰り返すことにはあまり意味がない。なので、ここでは別の方法を検討していこうと思う。


 男性同士でも子供が作れるようになれば、それがおそらく一番手っ取り早いのではないかということはずっと考えてきた。しかし、それには技術的な壁や倫理その他の問題が多く、さらには社会的な要請もほぼないため、残念ながらあまり期待はできそうにないのが現状だ。

https://www.bbc.com/japanese/45834252

https://www.apbb.com/articles/-/2778469?pid=6564942

 なので、同性カップルでも特別養子縁組ができる権利を民法改正によって獲得するか、または同性婚を制度化することによって必然的に養子を迎える権利を得るかする、そして親としてきちんと子を育て上げ社会に送り出してゆく、というのが一番現実的だろうと思う。

 だが、これが実現化してもおそらく数世代ぶんほどの時間をかけなくては男性同士+子どもという家族構成が普通の形として受け入れられることはないだろう。それにいざ法的な壁が取り払われてもいったいどれだけの日本のゲイカップルが養子を迎えるという選択をするだろうかと考えると時間はさらに必要になる気がする。日本は孤児が街にあふれストリートチルドレンが引き起こす問題にみんなが頭を抱えているような国ではないし、一人ひとりのゲイを見ていると、率先して矢面に立つことを自ら選ぶような、なんというかアクの強い人はあまりいない印象だからだ。

 もちろん、今から数世代ぶんの時間が経過したあとの世の中にもゲイはたくさんいるだろうから、未来のために、この方策は進めていくべきだろうと思う。そういった遠大な道のりを十分理解したうえで同性婚の制度化その他を目標として活動している人たちには心から敬意を評するし、がんばってほしいと思う。私は同道できないが。

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