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「いのちの停車場』を見て

5月の連休に、『いのちの停車場』という映画のペアチケットをある抽選で手に入れました!それから、時は緊急事態宣言へ。何となく行く機会を逃していたのですが、そろそろ上映が終わってもいけない、と、母と観に行って来ました。

医療の現場の片隅で働いていることから、専門用語が台詞の中に出て来ても、何を意味しているか、それなりに分かります。

仕事のことを思い出して、嫌になるかな、と思いきや、そんなことは全くなく、すっと内容に入り込めて、あぁ、分かる、分かる、と思いながら見ていました。私の出会って来た患者さんと重ねながら…。

今、私はたまたま日常生活を問題なく送ることができています。しかし、いのちの限りが見えて来た患者さんは、心の中でいろいろ考えていらっしゃるのだと思います。多くはないですが、私のかかわった患者さんの中には、少なからず「家に帰りたい」=「家で最期を迎えたい」と考える方がいます。

どうありたいか、との思いをしっかりと考えられています。それを叶えるために、医療スタッフは動くわけですが、本当に少ない経験の中で、薬剤師の私にも声がかかり、在宅医療に携わる医師にお目にかかる機会が数度ありました。

医師にもいろいろ性格があるように、私が見た在宅医も対照的でした。いずれにしても、医師が家に出向いて医療を提供する…とても貴重な分野だと尊敬します。

松坂桃李演じる、医師国家試験に三度不合格だった役に対して、広瀬すず演じる看護師が言います。
「あなたみたいな不器用な医師がいた方がいい。医師になれるよう挑戦してほしい。」

何だか共感しました。私が見たことのある医師はだいたい、頭の回転がめっぽう速く、一言えば百すぐに理解する超能力の持ち主。ただ、回転が速すぎて一回転半くらいのずれた所で止まり、変な方向に向かう人もいるとかいないとか。多くの権限と責任を委ねられる代わりに、余裕がなくなり周りに当たり散らす人がいるとかいないとか。

そんな中、人の気持ちに寄り添える、不器用な医師が一人でもいてくれるとありがたいなと思いました。実際、最近、患者さんの意向を叶えるために、どんな逆境にも患者さんを見放さない医師を見かけることができました。心から尊敬できる人だと思った次第です。

さて、映画の終わり方が、あとはそれぞれで考えて…というタイプの終わり方だったので、分かりやすいハッピーエンドが大好きな私は、少しモヤモヤしています。問題提起で終わったのでしょう。

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