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✴︎City Farming Life✴︎オリーブで新規就農はイケてない!

With COVID-19 , After COVID-19 この先のライフスタイルに大きな変化が起きるだろう、もう起きている?状況ですが、今後の生き方として農業を選択される方も増えるでしょう。

現在の農家の平均年齢は66.8歳、農業人口も20年で半減しておりますが、新規就農者は毎年2万人程度増えております。今後新規就農される際の作物としてオリーブを選択されようとしている方に、オススメしない理由と、それでもオリーブをやるんだって方へのお力添えになればと、オリーブで新規就農した私の経験談です。

1.圃場面積の確保と反収の低さ

オリーブで生計を立てようとすると最低2haの畑は必要になります。技術や販路により収益は変わりますが、成園化(10年後)の収穫量として10aあたり200kg〜300kgと想定し、搾油率10%とすると20〜30ℓのオリーブオイルが採れます。100ml/2000円で直販した場合で、10aで40万〜60万円の売上げです。2haで800万〜1200万円で原価や経費は、肥料や農薬、機械化状況、搾油機の保有か搾油の外注か、販売方法などで大きく変動しますが、売上の半分ぐらいを想定しておくべきです。そしてこれは病害虫や台風など被害がない順風満帆に行った場合です。もう一度書きますが、上手く行った10年後の収益です。苗を植えてから5年間は殆ど売上は上がりません。そして、新規就農者が2haの畑を用意する事も困難です。野菜は作付け半年後や1年後から10aでの売上が50万円(根菜類)100万(果菜類)程度です。オリーブは農業を初めたい方が選択する作物ではありません。

それでもオリーブって方へ
反収は低いですが、労働生産性は高いです。日々の作業は少ないので、他の果樹に比べると多くの面積をこなせます。

2.加工(6次産業化)が必須

「6次化で農家の所得向上」なんて事が言われておりますが、このステージにチャレンジできるのは、農業(1次産業)で成功してからのステップです。新規就農者の場合、畑の確保の次に、機械や資材の置き場、農産物の洗浄や調製場などの確保が必要になります。農家には付き物の、大きな庭や納屋が無いのです。これに加えて加工場を持たなければいけないのです...(オリーブだけの場合、洗浄、調製場は加工場が在れば必要ありません。)
オリーブの場合、油脂製造許可が取得できる施設になりますので、小規模でも建物だけで1000万円は掛かります。そこに搾油機やタンクなど諸々500万円。何十年後に投資回収できますかね...

それでもオリーブって方へ
2021年から委託加工を承りますので、お気軽にご相談を!

3.周囲の反対

1、2に書いた通り、普通に考えると成功する作物ではありませんので、家族や友人が賛成しても、それ以外の方々からは反対されます。まー良く反対されバカにされます。

それでもオリーブって方へ
我慢と無視です。夢に向かって!!!

以上の様に、農業を職にしたい方にはオリーブは向きません。私の様に、オリーブオイルが作りたくて農業をする者のみチャレンジしたら良いかと思います。
私が知る限り、日本で自家栽培オリーブのみで成り立っている農家はいないです。他の野菜などと組み合わせて農業として成立させていたり、海外からオリーブオイルを輸入して食品製造業として成立させたりしております。

それでもオリーブって想っている私から、未来のオリーブ農家へ。

春に芽吹く新梢は1年の活力を漲らせてくれます。
真夏の草刈りは地獄の様ですが、草を刈り終わった夕方、風に棚引くオリーブの葉は実に美しく心洗われます。
収穫の秋、エメラルドグリーンに輝くオイルが1年の努力を忘れさせてくれます。
冬の寒さに耐えるオリーブは忍耐を教えてくれます。

オリーブは人生を掛けられる最高の友になりますよ!
後は気合と根性で何とかなります!!

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