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ヨーロッパで出会った植物の話 ①

お正月に大学時代の友達と10数年ぶりに会い、「わたしは昔からそうだったのか〜!」と、仲の良い友達が語る当時の自分についての話を聞いて、あらためて自分という人間を知るということがあり

誰にも見られなくても、彼女が読んでくれるならいいか、と旅の記録まだ〜?という声に応えて、noteを始めてみることにします。

なので、興味のない方はそっと閉じてくださいね。


昨年の秋、20年ぶりにヨーロッパに旅をしてきました。

今回の旅は

・家族旅行
(来年は息子が受験生なので、ゆっくり旅ができるのは今しかない?)

・パリ往復の航空券、現地はレンタカー移動
(円安のため節約旅行)

・ご縁のある方に久しぶりに会う
(海外に興味のある息子に、現地に住んでいる知人の暮らしを見せたい)

という3つが夫の考えた旅のキーワードでした。


私はお花を仕事にしているため、若い頃に行ったヨーロッパ旅行とは目的が異なりやっぱり現地の植物や草花を見たい、なんなら現地のお花屋さんも見てみたい!
ということで、夫から提案された時に
え、ヨーロッパ?行けるの?行きたい!!と即答。

今回のルートを辿るとこんな感じ。

私も運転を試みたのですが、マニュアル車の運転は久しぶりで、50mほど走って断念。


フランス、ドイツ、ベルギー、ポーランド、ルクセンブルグ、と、乗り継ぎのために滞在したシンガポールも含め、合計6カ国。

レンタカーの走行距離は約2,800Km。
現地での滞在は8泊ほど。

シャルル・ド・ゴール空港で契約したレンタカーを呆然と見つめてしまった。こんなコンパクトカーに、180cm近い長男含めて家族4人と荷物全てを載せられるの?

(もし全部乗らなかったら、別の車を手配するのでカウンターに戻って来たらいいとカウンターで言われたことを思い出す)

ヒヤヒヤしたが、旅慣れた夫がジグソーパズルのように荷物を組み合わせた。
後部座席の半分はスーツケースがどでんと鎮座。

9歳次男とわたしが必然的に後部座席半分にコンパクトに座るという、とても優雅とは言えない長距離旅行になりました。

旅の全てをお伝えするとページがいくらあっても足りないので
今回のnoteでは、ワタシが心動かされたものについてお伝えしようと思います。

まずはフランスから

まだスカイツリーにも登ったことがない私ですが、とりあえずパリといえばエッフェル塔。

街並みにどでん!とある感じは、東京タワーにも似てなくもない。
桐とエッフェル塔
マスタード色の丸いのが蕾(中央)/ 桐の実は先端が尖ったもの(左下)


小雨でエッフェル塔からの景色はあまり楽しめなかったものの、階段で2階まで登った心地よい疲労とともに、そろそろ次の目的地へと。
コインパーキングに戻ろうとした時にエッフェル塔の足元、セーヌ川沿いに、桐の並木が並んでいました。

エッフェル塔と桐

ちなみに、キリ〔桐〕は切ってもすぐに芽を出し、どんどん成長するため「キル(切る、伐る)」が名前の由来なのだとか。

かつては、女の子が生まれたら桐を植えるという習慣があり、娘がお嫁に行く時に、箪笥にして持たせてあげたそうです。

わたしはまだ花が咲いているのを見たことがないのですが、これを書いている義実家では母曰く、桐の花は紫でとても大きく美しいそう。
ヨーロッパでは園芸種にもなっているようです。

桐の蕾を使ったお正月飾り。
ちなみに、隣の赤い実はイイギリ(飯桐)といい、偶然ですが桐繋がり。
(枝が桐にとてもよく似ています)


ヨーロッパの車窓から

先ほども書きましたが、今回の移動はレンタカー。
小さい車にぎちぎちに座りながら、車窓からの風景を楽しみました。

最初にもしかして・・・と気づいたのは、パリから1時間ほどの郊外のomervilleに滞在するためにひたすら田舎道を走らせていたときのこと。(夫が)

Omerville村の一軒家の宿にて。スイカズラが旺盛に生育していました


やっとそろそろ村に到着・・・という頃、窓からこれはもしや・・・!と思い、
「少し停めて!」と言って降りてみるとやっぱりヤドリギでした。

フランスの田舎の道路沿いの樹木に寄生するヤドリギに遭遇。
夜は街灯がほとんどないので運転はドキドキ

宿木・寄生木とも書き、縁起の良い聖なる植物として知られているヤドリギ。

樹木の枝や幹に寄生して水分や養分をもらうことで成長するものの、宿主を枯らす訳ではなく、自力で光合成もできるので、正確には半寄生植物です。
 
1年に1節しか成長しないと言われているため、このような鳥の巣のような球形になるまでにかなり長い年月がかかります。

ヤドリギの戦略

ヤドリギは、最近日本でも人気なのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、ヤドリギの実はとてもベタベタしています。
鳥がヤドリギの実を食べ、フンとして出す時に、ベタベタした実をおしりから取りたくて枝にこするんだそう。
種が取り付いた枝から、ヤドリギが発芽して命を繋げています。

この量すごい・・・

風景の中のヤドリギを見るとその周辺だけどーん!!と大小のヤドリギが広がっているので、鳥(の生態)がどのように作用してこの景色を作っているんだろう・・・?と想像を膨らませていました。

というのも、訪れた国全ての道中に、ヤドリギがありました。
出会うたびに、反応していたら、だんだんと子ども達に

「ちょっと気持ち悪い・・・」と言われる始末でした。

ポーランドにて。街中にも!

ちなみに、こちらはなんとヤドリギのハーブティー。
旅の後半に滞在したフランスとドイツ国境の地方都市、ザールブリュッケンの街の薬局で見つけました。


Mistel という名とイラストから選びました
ドイツ語は全くわからないので、植物のイラスト頼み。


大体1パック4ユーロほど。荷物が入ればもっと色々買っておきたかった!


帰国後、ちょうどクリスマスシーズンだったので、生徒さん達にもいくつかのクラスでお出ししました。ヤドリギは、鎮痛作用があり、特に循環器・呼吸器系疾患に効果があるそうです。
ハーブティーの馴染みがある味、というよりは薬草茶、という方が近い感じ。(言葉は同じかもですがあくまでイメージ)
飲んでみて、カモミールに近いかも?という方もいらっしゃいました。

ジヴェルニー・モネの家のキッチン。アンスリュームの鉢が可愛い!


という訳で、今日はここまで。
お付き合いいただきありがとうございました。




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