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2023シーズン ガイナーレ鳥取 選手短評【FW・監督編】

年明けも仕事始めも通り過ぎてしまったけど最後までやる。
みんなはこんな社会人になっちゃダメだよ。(白目)

最終回はFWと監督編。

GK・DF編は↓

MF編は↓

掲載しているデータは基本的にFootball LABSoccer DB等から。
ポジションは選手名鑑の登録に準拠。選手名は順不同。

FW

重松健太郎

34試合 2393分 7得点4アシスト 警告:5 退場:0

今季不動のCF。ハイボールを競る前の駆け引きや体の使い方が抜群に上手い。高校でCFやってる子とかみんな参考にした方がいいと思う。ブレ玉フリーキックは鳥取では炸裂しなかったが、右足の威力は抜群。得点とアシストの合計も10点台に乗せた。
正直欠点らしい欠点はなかったように思うが1年で契約満了に。ベテラン選手として若手への影響力なども判断されただろうか。
新天地は同じJ3のFC大阪になった。


大久保優

16試合 658分 2得点2アシスト 警告:1 退場:0

ポテンシャルと浪漫にあふれたNo.11。天賦の得点感覚と圧倒的な身体能力にサポーターは得点王の夢を見た。実際、量産体制に入った時のシュート決定率はレオナルド(現 浙江FC)に匹敵する水準で、過去に所属した全FWの中で最も点取り屋の風格をまとっていた。
大怪我による離脱やチーム状況の変化などで自身とチームのバイオリズムが最後まで嚙み合わなかった印象。昨年の前十字靭帯断裂は痛恨だった。
4年目が終わった今オフで無念の契約満了となったが、持っているポテンシャルを発揮すればJ3でも得点を量産できる実力はある。新天地がどこになるかはまだ発表されていないが、コンスタントに点を取れる環境に身を置けば凄まじいストライカーになって再会できるかもしれない。
その日を楽しみに待ってる。これからのサッカー人生に幸あれ。


富樫佑太

29試合 1810分 8得点3アシスト 警告:4 退場:0

石川大地(現熊本)の背番号を引き継いだエース。シーズン序盤こそ体が重そう~な印象だったが、夏ごろから復調。体が慣れた後半戦は動きにキレが戻り、広いシュートレンジと多彩なフィニッシュパターンで6ゴールを固め取りした。鳥取では数少ない理不尽ゴールが取れるタイプ。意外とドリブルやポストワークもそつなくこなせるので、2列目以外での起用ができるのも◎。
金チルドレンの退団が相次いでいたが、無事契約更新を発表。ふた桁得点を十分狙える選手なので、来季も大爆発よろしくお願いします。


髙尾流星

12試合 217分 0得点0アシスト 警告:0 退場:0

成長と課題の両方が見えたシーズン。
ポストプレーやチェイスの質は目に見えて向上したし、前線で起点になろう、味方のために時間を作ろうという意識が随所に感じられるプレーには好感が持てた。重松を教科書にしながら1年間課題に取り組んだのだと思う。
一方で絶好のチャンスをものにできないシーンが多数あったことは反省点。今季の鳥取は1点差ゲームを最後に追いつかれる・勝ち越される展開が多かったが、彼が決めていればもっと簡単な展開になっていた試合も少なくなかった。3年目の来季は得点にこだわってさらに大きく成長してほしい。
大丈夫、きっかけ1つでケチャップの蓋は開く。我々には林誠道(現金沢、来季は千葉)という成功体験があるから、分かるのだ。


遊馬将也

12試合 147分 0得点0アシスト 警告:1 退場:0

FC神楽しまねの活動停止に伴い、練習生から加入を勝ち取った苦労人。
シーズン途中にシステムが1トップに移行したこともあり出場機会自体は限定的だったが、ピッチ内外での献身的な振る舞いでチームを支えた。守備固めの際にはWBに入ったことも。
数字上は得点・アシストともに0だが、A奈良戦の大久保の決勝点は彼の献身的な動きがなければ生まれていなかった。
今季限りでの現役引退が発表され、SC鳥取の強化部に着任。トライアウト参加者から3名の鳥取加入をまとめるなど、早くも活躍している模様。
Jリーグクラブに在籍した4年間での総出場時間は2,000分に満たなかったが、酸いも甘いも嚙み分けたその経験は今後のキャリアに大きく活きるはず。
お疲れさまでした。


澤上竜二

16試合 479分 0得点0アシスト 警告:0 退場:0

石川や田口(現岐阜)が抜けた今季、彼のレンタル延長は補強に匹敵する朗報だった。背番号9をレンタルの選手が背負うのはなかなか異例だと思うが、それも首脳陣の期待の表れだったのだろう。ただその期待とは裏腹に出場時間は思うように伸びず、結局得点0のまま鳥取を去ることになった。
大学時代の実績から点取り屋としてのイメージが強いが決してセルフィッシュな選手ではなく、むしろチームのためにしっかりと走れるタイプ。被カウンター時に一番危険なスペースを埋めに戻っているのはたいてい彼だった。
体は強いが純ポストプレーヤーではないため、密集を避けてよくサイドに流れてきていた。そのあたりが重松を超えられなかった要因だろうか。
今季一番プレースコアが良かった試合が福島移籍後の鳥取戦(≒古巣対戦)だったあたり、良くも悪くもメンタルがプレーに表れやすいのかもしれない。鳥取の守備強度が低すぎただけかも
来季はついに桜の庇護から外れ、福島に完全移籍。頑張れ。


吉井佑将

11試合 232分 1得点0アシスト 警告:1 退場:0

YSCCとの契約を解除して9月に加入したパワフルストライカー。身体能力が高く、速くて強い。重戦車のようにゴリゴリ前進する様子は頼もしかった。
A讃岐戦での劇的逆転勝利を呼び込んだゴールは語り草。
基本的に重松との交代でCFに入ることが多く首脳陣もそのつもりで獲ってきたと思うのだが、終盤はシャドーの駒不足を補うために田村や牛之濱と交代で入ることが増えていった。本来の仕事に徹していればもう少し点が取れたのではと、若干申し訳なさを感じなくもない。
重松が抜ける来季はFWの最有力候補だが、1月4日時点でまだ去就未発表。
地元島根県の出身+福山シティ時代に小谷野監督と指導関係であり、残留は既定路線だと思いたいが…。


監督

金鐘成

14試合 3勝6分5敗 得点19失点23 得失点-4 勝率26.9% 平均勝ち点1.15

「3-1で撃ち勝つサッカー」を掲げ、それを実現するための素晴らしい攻撃システムを構築した手腕は見事。10年以上鳥取を観ているが、これだけ再現性のある攻撃をシーズン通じて展開できたのは初めてだと思う。相手がガードを固めたエリアを連携で易々と突破していくさまは痛快この上なかった。
ただそのあまりにも極端なスタイルを成立させるには強固な個に支えられた守備力が不可欠で、それを揃えるだけの財源が鳥取には無かった。
結果、得点と同じかそれ以上に失点がかさみ、点は取れているのに勝ち点は伸びないというジレンマに陥ることとなった。特にGKは就任全期間を通じた泣き所で、両SBまで前線に上がった後の広大なスペースを一手に引き受けられるスペシャルワンはついに現れなかった。
(結果的に)最後の指揮となったH北九州戦、自身の矜持を曲げた3バックの採用は言葉に尽くしがたい悔しさだったのではないだろうか。
解任後すぐに琉球の指揮官に再就職し、再び土台作りの1年目に着手している模様。2年後には凄まじいチームを作ってきそうなので、何卒お手柔らかにお願いします。


増本浩平

24試合 11勝8分5敗 得点38失点29 得失点+9 勝率45.8% 平均勝ち点1.58

金監督の解任を受け、6月からチームを指揮。ただし正式に監督に就任したのは10月半ばからで、それまでは暫定監督という立場だった。
就任直後のA鹿児島戦を気合で乗り切ると、その後チームバランスの改善に着手。途中7戦負けなしも記録した。4-2-3-1で相手の中央をこじ開ける独特のスタイルは増本体制になってから確立されていったものだが、鳥取のリソースを考えれば最適解の1つだったと思う。
ただその後はA岐阜戦、A八戸戦で連敗を喫するなどいまいち突き抜けることができず、昇格争いの天王山・H富山戦で敗戦して事実上昇格争いからも脱落。奇しくもこの富山戦は暫定が取れて最初の指揮だったが、相手の敷いたレールに抗うアイデアも乏しく内容的にもよくなかった。個人的にはここが分水嶺だったと思う。
6月の着任後の成績から契約満了を訝しむ声は多いが、実際のところ増本監督は月間最優秀監督は一度も取っていないし正式就任後の成績は2勝3分2敗と絶賛できるものではないので、個人的には「無くはない」かなとも思う。
コーチとしてみても、高木・金両監督の途中解任に関与しているとみれば致し方ないかな、と。
とはいえJFL以前を知る選手が再び鳥取を仕事の場に選んでくれたこと、過去一、二を争うくらい楽しいシーズンを過ごさせてもらったことは素直に感謝しかありません。氏の真価を北九州でみられることを楽しみにしつつ、戦うとなれば絶対に負けない気概で、来季も切磋琢磨していけたらいいですね。
ありがとうございました。


以上で監督・選手の短評を終わります。
ご高覧いただきありがとうございました。

チーム総評をこの後にやりたかったのですが、シンドいし長くなりすぎるので元気があれば別記事にまとめます。

有限不実行。
みんなはこんな社会人になっちゃダメだよ。(二回目)




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