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2023シーズン ガイナーレ鳥取 選手短評【MF編】

書いてる間に更新や移籍がどんどん来る。
書いては消し、消しては書き。

今回はMF編。

GK・DF編は↓


掲載しているデータは基本的にFootball LABSoccer DB等から。
ポジションは選手名鑑の登録に準拠。選手名は順不同。

MF

文仁柱

34試合 2450分 1得点2アシスト 警告:5 退場:0

背番号6を背負った今季は主に左SBの1stチョイスとして活躍。高い技術でビルドアップの起点となり、機を見た攻め上がりで攻撃に厚みをもたらした。
終盤は競り合いにも逞しさが備わってきて、もう少しで上のカテゴリーからも声がかかりそうだったが、J3岐阜への移籍が発表された。宇賀神が抜けたのでチャンスはありそうか。
プレスでハメられたときに安易にボールを手放すところは直した方がいいと思うよ。


世瀬啓人

36試合 2974分 2得点6アシスト 警告:4 退場:1

ユース出身のNo.10。今季はボール奪取やキープに磨きがかかり、試合数・出場時間・アシストの全てでキャリアハイを更新。ピッチ中央で抜群の存在感を放った。
前を向いた相手を長い足で刈り払うボールハントは絶品。今季の鳥取は攻撃CBPと中央攻撃指数がともにリーグトップだったが、間違いなく彼のお陰。
秋には入籍を発表。家族もでき個人昇格は避けられないと思われたが、鳥取のためにもう1年闘う決意をしてくれた。
共に昇格しよう。


普光院誠

36試合 3105分 3得点4アシスト 警告:5 退場:0

鳥取史上最高のパサー。
長短のパスと正確な状況判断で攻撃を操った。秋田サポの「信じて走ればそこにパスが出てくる」という評価は正しかった。A北九州戦の富樫へのスルーパス、H横浜戦の田中のスーパーボレーにつながるコーナーキックは圧巻だった。
機を見たドリブル突破も印象的で、個人的に運ぶドリブルの上手さはチーム随一だと思う。
基本的にボランチが主戦場だったが、金サッカーでFWや左SBで起用されたり、増本政権下ではトップ下に送られたり、一番技術が高いのをいいことに若干便利屋扱いされていた。
無事契約更新も発表。鳥取を古くから観ているサポーターにとってNo.10とNo.14が並ぶ中盤は特別なので、来季も世瀬とのコンビでJ3を席巻してほしい。


知久航介

6試合 57分 0得点0アシスト 警告:0 退場:0

新井泰貴(現藤枝)が移籍した今季は出場機会が増えることが期待されていたが、わずか57分の出場に。2022シーズンにはコーナーキックからアシストも記録しておりキック精度は決して低くないが、披露する機会はほとんど訪れなかった。
TOEIC L&R初受験で955点をたたき出すほどの秀才。NHKのインタビューを聞く限りSpeaking力も備わっている。海外クラブへの在籍歴もあるため世界中どこに行っても通用すると思うが、新天地はどこになるだろうか。
というかその英語力ちょっと分けてほしい…。(L&R ハイスコア505点)


丸山壮大

13試合 349分 0得点0アシスト 警告:1 退場:0

26試合に出場したルーキーイヤーから一転、今季は先発3、出場時間は350分と大幅に出場機会を減らした。最後は怪我でシーズンアウト。
先発した3試合はいずれもボランチでの起用だったが中盤の強度を維持できず。結果も3戦全敗、本人も全て途中交代と厳しかった。特にA岐阜・A八戸の2連戦が(悪い意味で)印象的。
ポジション・役割的に被りそうな伊川が入ったことで、正直崖っぷちにいると思う。新卒社会人にありがちな2年目の油断だったね と笑って振り返れるように、奮起して3年目頑張ってほしい。


馬場琢未

3試合 42分 0得点0アシスト 警告:0 退場:0

去年は出場40分、今季は42分と序列は覆せず。
岡野GMを彷彿とさせる長髪と背番号でたびたび注目されるが、逆に言うと容姿以外の話題がほとんど出てこなかった2年間でもある。
大卒2年目でこの成績では流石にハイどうぞと3年目は来ないはずで、現にまだ契約更新のリリースは無い。現実的にはレンタルもあり得るところか。
ただ馬場に限らないが、この年代は全国的には無名の大学から獲った選手ばかりなので、他クラブがレンタルで獲得しようにも参考資料や動画などがあまり無く、それが交渉を難化させているのではないかと邪推する。
米子北高出身で山陰に縁のある選手なので、いい形を見出してほしいが…。


長谷川アーリアジャスール

21試合 1270分 0得点0アシスト 警告:0 退場:0

4月に加入したベテランMF。小谷野強化部長による実質最初の補強選手。
コンディションが整えば技術力はJ3では別格。信じられないタイミングや角度で出てくるエレガントなパスは一見の価値あり。
チーム事情でボランチでの出場が多かったが、町田ではFWを務めていたことから前めのポジションでも見てみたい。
田中恵太のYoutubeで彼のサッカー人生に迫ったドキュメント(?)動画はもうすぐ50万回再生。豊富な経験は動画に収まりきらないほどで、若手主体の来季は彼の存在が存分に活きるはず。
サッカークリニックを主催するなど、ピッチ外での振る舞いも素晴らしい人格者。


田村亮介

28試合 1038分 7得点1アシスト 警告:2 退場:0

点を取ることも取らせることもできる万能型アタッカー。今季はアディショナルタイムの決勝弾を2回記録するなど計7ゴール、勝負強さが光った。ただ先発試合数はここ5年で最も少なく、夏場にはベンチ外も経験するなど不完全燃焼感も。明るいキャラクターでサポーター人気も高く残留を願う声は多かったが、クラブ・選手間で合意できる妥決点を見いだせなかったか地元の奈良へ移籍することが発表された。
田中恵太のYoutubeでプチブレイク。「〇〇ですぅ~」は局地的流行語にもなった。ピッチ上でもYoutubeでも、短い出場時間で結果を出せる男。


東條敦輝

25試合 1351分 2得点3アシスト 警告:0 退場:0

国士舘大から加入したルーキー。下部組織から大学を経由してトップチームに帰還するいわゆる“鮭”。鳥取では初の事例。
高い技術と豊富な運動量を武器に実力者ひしめく2列目で25試合に出場。監督交代以降はしばらくベンチ外が続いたが9月ころから復調し、終盤はトップ下のファーストチョイスに。最終戦のH鹿児島戦では契約の関係で出場できない牛之濱に代わってLSHで先発し、そん色ないプレーを披露した。というか牛之濱をほぼ完璧にトレースしていてびっくりした。
加藤潤也のように、上のカテゴリーでも遜色なく活躍できるタイプだと思う。
世瀬と並ぶ鳥取の象徴であり、希望。


小澤秀充

34試合 1237分 4得点2アシスト 警告:0 退場:0

2年目ルーキーの中では最も試合に絡み、途中出場でのジョーカーとして34試合に出場。ボールを晒しながら喰いついた相手の逆を取る独特のドリブルを武器に独力で陣地を前進させられる数少ない選手。開幕直後は2得点1アシストと大活躍した。ただ相手の対策が進んだ終盤は徐々にトーンダウン。
H讃岐戦での(やや不可解な)ゴール取り消しなど、質が高いとは言えないJ3のジャッジに調子を狂わされた印象も。
プレースタイル的にファールをもらえないと相手へカウンターの起点をプレゼントすることになるため、段々と仕掛けることそのものに迷いを抱いているような印象を受けた。3年目の来季は勝負の年だが、その辺りの技術に磨きがかかればより怖い存在になれるはず。


牛之濵拓

32試合 2462分 9得点4アシスト 警告:4 退場:0

同カテ内での期限付き移籍という珍しい形で鹿児島から加入。RSHを軸に2列目の様々なポジションで起用された。スピードやパワーで圧倒するタイプではないが視界から消える、スペースを陥れる技術が光り前線に不可欠な存在に。琉球から4ゴールを固め打ちするなど得点数も伸ばし、最終的にはキャリアハイに並ぶ9ゴールを記録した。ただ終盤戦では決定機を外す場面も目立つようになり、昇格争いから脱落する一因にも。
鹿児島への帰還、琉球への移籍、鳥取への完全など様々な可能性があったと思うが新天地は増本監督の就任した北九州に。パスサッカーを志向するならまだまだ活躍の場はあるはず。


常安澪

5試合 176分 0得点2アシスト 0警告0退場

東海学園大学在学中。特別指定選手として5試合に出場。
鳥取の特別指定選手は安藤由翔(現富山)以来実に10年ぶり。
リーグ戦やインカレとの兼ね合いで帯同期間は短かったが、出場した試合では実力の高さを垣間見せた。
密集を苦にせず球際や1対1も強く、最終節の鹿児島戦で岡本・戸根の両CBを手玉にとったように完成度はすでにJ3上位レベル。ボールを受けてから前を向くプレーが抜群に上手い。
来季攻撃の全権を託されてても全然不思議じゃない、そんな逸材。


【FW編に続く】


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