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2023シーズン ガイナーレ鳥取 選手短評【GK・DF編】

シーズン終わって1か月近く経過し、契約満了や移籍リリースがもりもり出てる時期に今更短評かよ…という冷ややかな視線に負けずにやり切る。
強い気持ちで。

まずはGK・DF陣から。総括は全編の最後に。

なお掲載しているデータは基本的にFootball LABSoccer DB等から。
ポジションは選手名鑑の登録に準拠。選手名は順不同。


GK

糸原紘史郎

29試合 2610分 0得点0アシスト 警告:0 退場:0

GK陣3人の中では最多の29試合に先発。序盤は井岡と交互に起用されることが多かったが、夏場以降はポジションを確保。相手のハイプレスを裏返す速く正確なミドルキックはライバルにはない大きな武器だった。終盤はハイボール処理や飛び出しのミスも減り安定感が増した。
新卒1年目から5試合→11試合→29試合と着実に出場時間を伸ばし、GKに超人的スキルが要求される金サッカーに食らいついて成長してはいるが、総合的にはまだまだ発展途上。H八戸戦やH岐阜戦など、試合を壊すレベルのミスも相変わらず散見される。
貴重な地元出身ゴーリーだけに鳥取で立派な守護神に成長してほしいが、居心地の良い環境が成長を鈍化させていると思わなくもない。残留と移籍のどちらもありそうか。


井岡海都

8試合 720分 0得点0アシスト 警告:0 退場:0

金サッカーのラストピースとなるべく、今季仙台から加入。シュートストップに抜群の安定感があった田尻を放出してまで獲得した新戦力だけに掛かる期待は大きかったが、残念ながら信頼を勝ち取るまでに至らず。
増本体制への移行直後から起用され、無失点試合2試合を含めた4試合負けなしと救世主になりかけたがH岩手戦以降再びサブに。久々の出場となったH福島戦で2失点目につながる判断ミスを犯し、以降はベンチにも入れないままシーズン終了となってしまった。
年齢的に複数年契約を結んでいる可能性もあるが、今季強化部が刷新されたことや加入の経緯などをみると構想外になっていてもおかしくない。
来季も鳥取でプレーするなら、勝負の年。


高麗稜太

1試合 90分 0得点0アシスト 警告:0 退場:0

今季拓殖大から新加入。180cmとGKとしては小柄な部類だが、足元の技術が高くビルドアップにも参加できる現代型。
開幕以降はベンチ内外を行き来していたが、失点が止まらないチームの雰囲気を変える狙いもあり、6月のA富山戦でJデビュー。その試合を無失点で凌ぎ切ったことでサポーターからの期待も俄然高まったが、その直後にケガで長期離脱。結果的にこの1試合の出場に留まることとなった。
シーズン終盤には再びベンチ入りまで帰ってきたので来季への展望は明るいと思いたいが、指揮官交代による方針転換は不安材料。事実、今オフの補強で192cmの櫻庭が加入。求められるGK像が変わっていそうな印象は受ける。

ピッチ外では小中学生向けのGKクリニックを企画・開催する出色の活躍。
資金集めから指導役まで全方位に奔走し、社会人としての能力の高さをこれでもかと示した。正直、めちゃくちゃ得難い人材だと思う。


DF

増谷幸佑

33試合 2883分 1得点0アシスト 警告:1 退場:1

キャリアハイを更新する33試合に出場。攻撃ではビルドアップの起点となり守備では最終ラインを統率し、鳥取のサッカーを最後尾から支え続けた。
いかに不可欠な存在だったかは不在時の戦績(0勝1分4敗・6得点11失点)が示す通り。ただ純粋なCBとして見れば近年のJ3では強度不足な感は否めず、シーズン終盤は軽率なミスも見え隠れするようになり無念の契約満了。H長野戦での2失点目につながるプレーとH琉球戦で田中恵太の8枚目のイエローカードを誘発したプレーが痛かった。
近年はおんぶに抱っこの状態だったので、ここで一区切りとなるのはある意味仕方ないのかも。
鳥取での生活は終わるが機会があればまた日本海に大きめのイカを釣りにきてほしい。新天地でも幸あれ。


鈴木順也

37試合 3093分 0得点3アシスト 警告:5 退場:0

DF陣の中では最長の出場時間。今季もCBの一番手としてフル稼働した。
相手の攻撃のキーマンとマッチアップすることが多いため球際の勝敗でネガティブな印象を持たれることも少なくないが、ケガも少なく常に計算が立つ貴重な存在。左SBでマルクス・ヴィニシウスを抑えたH今治戦はハイライト。
チーム内の役割的に攻撃参加を自重することが多いが、たまに持ち上がったときに見せるパスやドリブルからは隠し切れない攻撃センスが溢れているので、状況判断が向上すればサイドバックでも活躍できるんじゃないか。
増谷・石井が居ない来季はDFリーダーとしての役割も求められる。
バウンドボールの目測を誤って大ピンチを招く癖さえ治ればJ3屈指のDFになれるはずなので、来季もよろしくお願いします。


飯泉涼矢

21試合 1766分 0得点0アシスト 警告:3 退場:0

トライアウトを経て今季新加入。
6月まで出場時間0だったが、裏天王山のH北九州戦で3バックの左CBとして初先発すると、以降は主に4バックの左CBとして19試合にフル出場。
圧倒的な空中戦勝率を誇り、単純なハイボールで簡単に押し切られていた鳥取の守備を変えた功労者。カバーリングや足の速さも水準以上で、特にH宮崎戦の前半終了間際に見せた守備は圧巻。セットプレーから間接的にお膳立てしたゴールもあり、攻守に特長を存分に見せることができた。
Football LABの空中戦指数はJ3 No.1。後半戦の安定したパフォーマンスが水戸に見つかり、個人昇格が決まった。「鳥取が育てた!」と言えるかは正直微妙なところだが、甲斐健太郎、井上黎生人に続く鳥取産CBとして上のカテゴリでさらに暴れてほしい。


長井響

2試合 12分 0得点0アシスト 警告:0 退場:0

新卒2年目の今季は出場機会が激減。ベンチ入りの機会はそれなりにあったが、最終的にはわずか12分の出場に留まった。
前向きの対人守備には一定の強みがありそうだが、総合力ではまだJ3水準にないということか。
同期入団の小澤や文がコンスタントに出場機会を得る中で状況は苦しいが、DFラインの年齢構成的にも20代前半の選手の成長は不可欠なので頑張ってほしい。たぶん来季が契約最終年。


西尾響

0試合 0分 0得点0アシスト 警告:0 退場:0

U-18から昇格したルーキー。
今季の出場は無かったが、入団時のコメントで『体を作りながらまずはベンチ入りを目標とし、その中でスタメンを取るなど競争に勝って生き残っていきたい』と語っていたとおり、まずはベンチ入りが目標か。
契約更新のリリースがまだ出ていないのは気になるが、U-18の先輩たちがしっかりとポジションを掴んでいる中で、彼への期待も大きい。
シーズン終盤に髪が銀色になっててビックリした。


田中恵太

30試合 2670分 4得点3アシスト 警告:8 退場:0

今季琉球から加入。金サッカーを体現する超攻撃的右SBとしてフル稼働し、チームの得点力向上に大きく貢献した。縦突破とクロスを武器とするラテラルという印象が強いが、個人的にはビルドアップ時の判断の正確さが最大の武器だと思う。相手との駆け引きでわざとファールを誘うようなある種ダーティな手札も所持しており、様々な意味で『プロ』という言葉を最も体現している選手。
前線に高さが足りない鳥取ではクロスからのアシストが伸びなかったが、ならばとばかりにシーズン後半は自らがフィニッシャーとなりファインゴールを連発。
代名詞ともいえるYoutubeチャンネルは、外連味や誇張がなくコンテンツとしての観やすさが桁外れに高い。クラブの公式Youtubeよりはるかに有用な情報を提供し続けており、ピッチ外での貢献も計り知れない。
オフ動画一発目で沖縄に行っていてヒヤヒヤしたサポも多いはずだが、無事契約更新。よかった~。


石井光輝

13試合 810分 1得点0アシスト 警告:0 退場:0

今季のキャプテン。最終ラインの様々なポジションで13試合に出場したが、パフォーマンスはなかなか上がらず。左SBで出た際にビルドアップの行き止まりのようになってしまっていたのが印象的だった。
高木体制で3バックを採用していた2020シーズンこそ左HVとして通年出場したが、4バックに移行してからは活躍の場を見出せない時間が続いている。今年のチームでは最古参選手(7年目)であり、ワンクラブマンとして鳥取に携わり続ける未来をサポも本人も(もしかしたらクラブも)望んでいたが、残念ながら契約満了に。
今オフ、その高木監督に誘われる形で長野に完全移籍した。新天地で、再び光り輝くことを願ってやまない。


坂本敬

10試合 424分 0得点0アシスト 警告:0 退場:0

出場時間は限定的ながらも実りあるシーズンだった。田中が出場停止の試合で右SBのスタメンを張ることが多かったが、出た試合ではまずまずのパフォーマンスを披露。スタメンと2番手の差が一番小さかったのはこのポジションだったと思う。
今季は体格が目に見えて大きくなり、A沼津戦で対面のDF濱に当たり負けしないなど力強さも証明した。5年目の来季は大卒新人の1年目にあたる年だが飛躍の予感は十分。ゴールやアシストなど目に見える数字を早めに手にしたい。


【MF編に続く】


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