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日々の葛藤を短い詩に。
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#短編小説

A・O・Z・O・R・A

A・O・Z・O・R・A

Re:
あはは(笑)
そうだね

”笑” 文章で感情を伝えるのは、これが限界なのかも知れない。
小さな携帯の画面を見つめながら、忘れていた様に口元だけで笑った。

薄茶色のレンガが規則正しく並べられた壁にもたれ掛かると、ほんの数分間の晴れ間で、さっきまで雨に濡らされていた壁は、もう完全に渇き日溜まりの暖かさを背中に感じさせた。

久し振りの青空を見上げた。
その空の眩しさにボクはまた俯き、足下の水

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around

around

生きる意味も解らないまま
小さなポケットの中
今日も幸せを探してる

冷たい雨に気が付いたよ
求めてるものも
探してる答えも
ボクが選んだ今に有るって事

どんなに泣いたって
変える事のできない日常
飛べない空に憧れてた

ゆっくり進む時間に渇く
そっと隠したものも
与えられない温もりも
通り過ぎた季節に無くした事

そうさそれは
きっと自分が選んだ答え
初めから決まった結末なんて無いんだから

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sheer

sheer

伝えたい想いは
失わないために依存し
いつも遠い過去を彷徨っていた

だけど
本当に失ったものは
自分自身だったのかもしれない

伝えようとした想い
鏡の中にはあの日のワタシが居た
剥がれかけた傷跡
言えなかった過去
立ち止まり俯いた顔を上げると
アナタの笑顔はワタシの頬を撫でた

隠してなんていない
ただ遠ざけて振り返らなかっただけ
色を失って行く過去も
色を求めた永遠も
アナタの唇を黙ったまま

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記憶

記憶

薄れてゆく記憶を紡ぐ

壊れた時計は
小さな枯葉が気まぐれに舞う様に
ゆっくりと手の中で動き出す

キットまた・・・
そう曖昧に呟きもう一度振り返ると
黄色い葉の舞う小道にキミの後ろ姿を探した

今もこの手の中には
止まった時計と
古いKodakのポケットカメラ

green

637

637

触れる事の出来ない距離
何度も立ち止まり
何度も振り返った
もう戻れないと分かっているのに

哀しみも 後悔も
キミに言った最後の言葉も
遠い記憶に掠れ
本当はもう
思い出せなくなっているって 気付いてるのに

ねえ・・・
ボクの想いをキミの微笑みで裂いて
あの頃の様に 抱きしめて欲しい

ねえ・・・・
ボクの涙をキミの微笑みで拭って
二人の雫 遠い空に導いて欲しい

冷たい暗闇も 永遠も
笑って

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