sheer

伝えたい想いは
失わないために依存し
いつも遠い過去を彷徨っていた

だけど
本当に失ったものは
自分自身だったのかもしれない

伝えようとした想い
鏡の中にはあの日のワタシが居た
剥がれかけた傷跡
言えなかった過去
立ち止まり俯いた顔を上げると
アナタの笑顔はワタシの頬を撫でた

隠してなんていない
ただ遠ざけて振り返らなかっただけ
色を失って行く過去も
色を求めた永遠も
アナタの唇を黙ったまま見詰めた
感じた風は暖かく長い髪を揺らして

言いかけた想い
三日目の夜が終わてゆく

鏡に映った自分
嫌いだった昨日
変えたかった明日
独りきりの地下鉄

繋いだ左手
小指を折る癖
隠してなんていない
ただ遠ざけて振り返らなかっただけ

色を失って行く過去も
色を求めた永遠も

横顔を見つめ
四日目の夜が始まっていた


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