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はじめての船旅。

3月は、割と楽しい1ヵ月だった。
大きな出来事といえば、旅行に行ったこと。
はじめて泊まりがけのフェリーに乗った。

乗船時間は12時間。寝て起きたら目的地に着いている。
観光で島へ行くときなんかに2時間フェリーに乗るとかはあったけど、こんなに長く乗船したのは初めてだった。

✴︎

当日は夕方の18時過ぎに乗り場に到着。車と一緒に乗り込んだ。
船内には、レストランはもちろんお風呂や24時間使えるシャワールームなど思いのほかキレイな設備が備わっていて気持ちが良かった。

19時出航で、出航前にレストランやお風呂も使用可能だったので、荷物を部屋に置いてすぐにレストランに向かった。

レストランはビュッフェスタイルでデザートも充実。
席を取ろうとしていると窓側の席はすでにいっぱいだった。
なるほど、外を眺めながらディナーするためには早めに席を取っとくのか。ひとつ学んだ。
でもまぁ今の時季外は真っ暗だし、特にこだわらなくてもいいかとすぐ諦めがついた。

食べている途中で船が動き出す。おぉ、、意外と振動が来るな、、と思った。

ほどなくして
「レストランが混雑しているためご利用予定の方はもうしばらくお待ちください」
と船内アナウンスが入った。
荷物置いてソッコーで来て良かった。。

車で乗り込んだときには乗用車は少なかったので油断していたけれど、こう見ると確かにかなりの人で賑わっている。
シニア層が多いのかな?なんて勝手に思っていたけど、ファミリー層や学生さんと思われる若い人たちもたくさんいた。

レストランを出ると順番を待っている人たちが大勢並んでいる。
ツアーなんかで来た人たちは大人数での移動だし集合時間の関係もあってこういう待ち時間が発生してしまうのかもしれない。

途中売店に寄って飲み物とお菓子をゲットして部屋に戻った。
夫と2人だったので今回はツインの部屋を選んだ。窓は無し。
部屋のグレードはいろいろあるようで、船内マップを見ると最上階のゴージャスな部屋は私たちの部屋の倍以上の広さだった。
いつかここに泊まってやるぜ。。と謎のライバル心に火が付いた。

とはいえ私たちの部屋は狭くはあるけど、テレビもトイレも小さなシャワールームもあって一晩過ごすには充分だった。

ひとまず案内の冊子を意味もなくパラパラめくったり、いろんな箇所の電気を無駄にパチパチと点けたり消したりした。この時間が結構楽しい。
泊まるからには全部の機能を余すことなく使ってやろうという気持ちになる。
冷蔵庫もあるし枕元にUSBコンセントもある。
うん、この部屋最高だ!

必要なものがギュッとコンパクトにまとまった空間が私はすきだ。人の創意工夫が感じられて。
耳鼻科の診察室とか、飛行機のコックピットとか、見てるとちょっとキュンとする。(私だけ?)
人の挙動に合わせて物たちが整然と集合している感じが、おぉ…!と変に感動してしまうのだ。

軽く荷物の整理をして一息ついたら、次のミッションはお風呂だなーとぼんやり考える。
船の上で寝るのはもちろんお風呂も初めてだからね。どんな感じだろう。

とりあえず今のうちに船のWi-Fi繋いどくか、と冊子を見ながら接続してみるものの…まったく繋がらない。
一時的なものだろうと思いしばらく時間を置いてチャレンジするもやはり繋がらず。これはちょっと誤算だった。海を舐めていた。
一晩とはいえ長い船旅、のんびりYouTubeでも観るかぁなんて考えていた私が甘かった。

──夜の大海を突き進む孤高の船。
この瞬間にようやく、自分がいま海の上にいるということを思い知らされた──

待ってー!ミステリー小説っぽーい!
閉鎖空間で通信もシャットアウトっていう設定だけでもうミステリーの香りじゃない?好きな人はそうじゃない?
(通信環境はどうやら部屋の位置も関係してたみたい。。)

なんて妄想を楽しむのもつかの間。
お風呂に入るというミッションを遂行しなければならない。
幸い船内の混雑状況などはスマホでタイムリーにアクセスできた。
女湯はずっと『混んでいます』の表示から変わる気配がない。
23時以降は大浴場は利用できないのでそれまでに入らなければ。
部屋のシャワールームもあるけど、せっかくなら湯船に浸かりたい。

その前にちょいと船内を散策してデッキにも出てみた。
真っ暗で景色もへったくれもなかった。
海面を覗き込むと案外進むスピード速いんだなと驚く。が、寒さが勝ってものの30秒で船内へ戻った。

そうこうしてるうちに気づけばもう22時近くになっていた。
女湯が空くまで待つかとマイペースに考えていたけどもう待ってられんと思い大浴場へGO!
着いてみると案外空いてる…?もっと早く来ればよかった。

ロッカーに荷物を入れていると、いま上がってきた人が私の真下のロッカーだったようでお互い気を遣う。
これあるあるなんだけど。こんなにたくさんロッカーあるのに今このタイミングでかぶる!?ってこと。

それはさておき、お風呂はというと大きな窓側に浴槽が3つ並んでいてゆっくり入ることが出来た。洗い場も空いててラッキー。
暗くて景色が見れなかったのが残念だったけど、やっぱり湯船に浸かれてよかった。
身も心もホカホカで部屋に戻った。

✴︎

部屋のテレビは見れたけど、通信の影響で途中途切れることも度々あった。
スマホも使えないとなるとそう、あれが役に立つ。
本持ってきてよかったーと心の底から思った。

薄明りのベッドの上で本を読んでいると、あっという間に眠気が来る。
船の揺れは多少気になったけど、段々と慣れてきた。
夫はお酒を飲んで早々に寝てしまっている。

到着は翌朝6時55分。
寝坊しないようにしなきゃとアラームをセットして布団をかぶる。
隣の部屋のおばさま方と思われる話し声がずっと聞こえてきてたけど、深夜12時を回ってから徐々に静かになった。
私も女子旅だったら夜更かししてトークを繰り広げていただろうなと少し羨ましい気持ちになる。

✴︎

翌朝は1回目のアラームでちゃんと起きれた。
自宅では2度寝3度寝するけど、旅先では謎にシャキッと起きれるタイプ。
起きてからそうだ船の上だ、ってなって何だか非日常を感じた。

身支度をして下船の準備をする。
間もなく到着というところで、もう一度デッキに行ってみた。
その日は天気に恵まれて朝から気持ちの良い朝日を浴びることができた。


単なる移動手段としてじゃなく、旅の思い出としてこのフェリーを利用できてよかった。ありがとう。
帰りもよろしく。(往復でチケット取りました)

到着が朝7時だったこともあって、観光スポットもたくさん回ることができた。

あっという間だったけど楽しかったな。
また別の航路でもフェリー利用したい!

そんなこんなで特に盛り上がり要素もなく綴った旅日記ですが、私的にはドキドキワクワクの船旅でした。

ここまで読んでいただいたこと、とても嬉しく思います。