見出し画像

彼岸の夢。

悲しい夢を見た。お彼岸だから?もうすぐ1年だから?母が夢に出てくることが多い。そして、夢の中の母も病気で、死期が近い設定なのだ。私は、夢の中でも元気な母には会えないでいる。死期が近いと言っても、私が最後に会った時のような、骨と皮だけになった母ではなく、しっかりと自分の足で歩けるし、病人のようではあるがしっかりと肉付きもあった。ただ、既に死ぬことからは逃げられない状況なのだ。
今朝見た夢は、今まで見た夢の中でも、母が元気な分、残酷だった。夢の中では、死期が近い人には、自分で死ぬ日を決められる決まりがあった。計画分娩で、この日にお産をしましょう、だから、いついつに病院に来てくださいね、というように、母は元気な姿で火葬場に出かけていった。家族もみんな大きな車に、元気な喪服姿で乗っている。私は気づく。人数的に、誰か乗れない。父に聞くと、お前は留守番だと言われる。そうか、私だけ留守番なのか。うんうん、仕方ないよね、次女だしさ、なんて言い訳しながら、子供の頃から密かに抱いていた疎外感を、母の最期にも感じる。母はとても元気な姿で、私以外の家族と一緒に車で火葬場に出かけて行った。

この夢で、私は何が悲しかったのだろうか。母が、自ら死に行くことだろうか。私だけ、置いていかれたことだろうか。
実家近くの大きな国道で、私は一人、母の姿が見えなくなるまで手を振っていた。もう、会えないんだなと、悲しみの中にも不思議な気持ちが混ざっていた。全ては夢の話だけど、母の死は私の中でまだまだ消化しきれていない出来事なんだと思い知らされる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?