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アルバイト

ここ数日、飲食店でお手伝いをさせてもらった。
今日の様な休日で忙しい日は、
アルバイトの学生さんも多く。
おばあが1人加わってて、すまないね。
と内心思いつつ、優しく教えてくれる学生さんたち。
私の頃はね…
なんて胸を張って自分語りおばさんになれる程、
バイト経験はない。



小中高とほとんどの時間、
勉強、スポーツに明け暮れた。
高校卒業後の進学先も、
カリキュラムギチギチの学校で、
固定のバイトは難しく、
隙間時間に派遣バイトで働いた。
色んなバイト先で色んな体験をした。
我ながらいい経験だったと今でも思う。


ある日は運送会社で荷物の仕分け。
冬の寒い倉庫の中、外人さんたちと一緒に、
ヒーヒー言いながら、荷物の仕分けをした。
冬の倉庫の過酷さと、言葉が通じずとも、
同じ苦しみを感じたら仲間になると学んだ。

ある日は有名な劇団の公演会場でチラシ準備。
終演後に配る、何十種類もあるチラシ。
が並べられた机を、約30人で囲み、
人間回転寿司しながら、1人分をひたすら集めた。
裏方の苦労を知ると同時に、とても目が回った。

ある日はコンビニのパン製造。
焼きそばパンの上の紅生姜を乗せる担当。
ちょんとつまんでちょんと乗せる。
シンプルな単純作業かと思いきや。
青のり担当のおばさまがかなり厳しく、
「これじゃ多い!これじゃ少ない!!」
と、ご指導いただいた。
焼きそばパンにおける紅生姜の重要性に、
人生初めて気付かされた。
ちなみに私は紅生姜が苦手で、
焼きそばにくっついてくるのも避けて食べるので、
「分量なんて知るかぁ!」
とおばさまに紅生姜を乗せたかったが、
そんな事はしなかった。
黙々と、ちょんとつまんでちょんと乗せて。
「これじゃ多い。」
焼きそばパンは買わないと心に決めた。

きっと一つのバイト先で経験をじっくり積むのも大事。
けど何でも屋になれた気がしてとても面白かった。



バイトをしてると、心理学の先生がこんな話をしていたことを思い出す。

「今あなた達は“モラトリアム期間”なのよ。
アルバイトで社会に出てる様な近い体験はするけど、
責任は無いし失敗も許される。
「大人になるための猶予期間」だから。
この期間にちゃんと遊んで学ばないと、
いつまで経っても自己が確立しない、
大人になりきれない、
“モラトリアム人間”になるの。
だから今のうちに色んな経験積んで、
沢山失敗しなさい。」


今日も手伝いながら、そんな話を思い出し、
あれ、今の私、もしかしてモラトリアム人間…?
いやいや、やりたい事は定まってるから。
けど、この安定してない現状は、
何ともモラトリアムに近いよねぇ。
え、て事は…
遊びが足りてなくない!?
失敗は面接ダメだったりで経験したけど。
…。
遊ぶ…か…!!

なんて急に遊びに出掛けたりしません。
大人なので。
眠そうだったバイトの子に「わっ!」とかやったりしません。
大人なので。

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