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名前

明日の最終面接に備えながら、
あ、あれも読んでおいたら役に立つかも、
と思い、本棚から一冊の本を取り出す。
数年前に興味があって購入した心理学の本。
仕事に直接関係する訳ではなく、
ただの好奇心で購入し、割とちゃんと勉強した。
定着した知識もあれば、
パラパラめくって、
あー、そういえば、
と戻ってくる知識も。

その中でも、つい目が留まったワード。
"ネームコーリング効果"
・ネームコーリング効果とは、名前を呼んでもらうと、その相手に対して好意を抱く効果のこと。
仕事でも恋愛でも、信頼関係を築く時に使える手法。

わわわ、
この前辞めた会社、
これが全く出来たなかったな。
嫌な記憶がわさわさと蘇る。
入社してすぐは「新人」。
当たり前、そりゃ新人だからね。
けれど、1週間、2週間…1ヶ月経っても、2ヶ月経っても「新人」。
え、なんか違和感。
私の名前知られてない?
同期が1人いたが、別々でも、2人まとめてでも、
「ちょっとー新人さん」。
うん、いや、
まあ、新人だけどさ。
この会社の人、名前覚える気ないの?
あ、呼ぶ価値もない的な??
日々の、記号みたいな「新人」に嫌気がさし、
もはや社員A、社員Bの方がマシなんだけど。
と思いつつも、
「新人」は呼ばれるたびに、
元気にお返事して社内を駆けていた。
そして「新人」のまま辞めてやった。

これか、
これが無かったから、
誰一人信頼出来なかったのか。
と。
退職してから何度か考えていた。
あの会社にいた時間って…。
そっか、
"ネームコーリング"の大切さを学ぶ為に、あの会社に入ったのか。
これはいい経験だったな。
胸に刻んでおこう。
何なら体にも彫っておきたいくらい。
けど、痛いのは苦手なのでやめておく。

もし新たな就職先で、
いつか後輩が出来たら、
「新人」は使わない。
それぞれにある、素敵な名前で、
沢山呼んであげよう。
(呼びすぎは迷惑か)

今後の人生で出会う人も、
すぐ名前を覚えて、
名前で呼ぼう。

面接対策のはずが、
人生の教訓が一つ増えました。

そういえば、
こんな類の事を歌っている、素敵なバンドがいたなぁ。
それでは聴いてください。
SUPER BEAVERで『名前を呼ぶよ』。

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