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笑撃?の実録!『運転代行女が見た!泥酔珍客スタッフ事件簿!』《第2話》

〜何も起こらない訳がない。
 お客様の99.9%がお酒を召してるから〜
暴言、セクハラにも負けず今日も安全にお送り致します。


        第10案件
      歯磨いていません

50代男性客ドラ松本とペアの私。

出勤しアルコールチェック。

私は0

彼は何度やっても微量の数値。

食べた物やマウスウォッシュ後などで微量の数値が出るとよく聞いていたが、それらの類はしてないと。

私「おはようございます!3号車です!松本さんのアルコールチェックで数値が少しでるのですが」と社長に連絡。

社「昼間にお酒飲んだ?」

松「飲んでません」

社「マウスウォッシュした?」

松「してません」

社「口ゆすいだ?」

松「ゆすいでいません」

社「夜何食べたの?」

松「餃子です」

社「歯、磨いた?」

松「磨いていません。」

私「あ!今、説明書よく読んでみたら0じゃなくても〇〇さんの数値は大丈夫な範囲みたいです!」

社「よかった!じゃあよろしく!」
と出発。

でも

なんだかな

アルコール数値より気になることが

どうしたってきになるよね?

餃子食べてきて歯を磨いていないって

そのやり取り、私に失礼極まりない

まぁまぁ、まぁ最悪今日だけは時間が無くて、外でたまたま餃子食べて来ちゃった的ならね。

私「今日は家でご飯食べて来たんですか?」

松「はい」

。」

おい嘘だろ

家から出勤してるのに、餃子食べて歯を磨いて来ないって

コイツやばいな

密室の車で数時間一緒

そんな人とペアになりたくない

 
       第11案件
       山崎のお酒
     随ドラ(主人公の業務)

40代常連のお客様。

40代客ドラ金城とペアの私は2台連なって実車し到着。

駐車の誘導しようとしたら勝手にぱぱっと駐車し何故かそそくさと随伴車に戻ってきた金城。

伝票の為お客様とそのまま別れてもいいのだがおかしいと思った矢先

金「さっき、ちょっと車ぶつけちゃったんだよね」
私「え? え?!いつ?!! 出発するときに私、誘導出たじゃん!」

居酒屋の駐車場からバックで出るのに、私は道路に出て客車の誘導してたのにそんなはず!

安全にさがってストップをかけて急いで随伴車に戻って客車を追いかけて随走

私「いつ?!」
金「いや、誘導してもらった後、さがっちゃったんだよね」
私「えーっ!」

そう

こいつは自分の運転になぜか絶大なる自信を持っている

〝オレとペアの時は誘導出なくていいよ〝
だの

〝俺とペアのときは俺が随伴車も運転してやるよ〟

だの

〝他の客ドラは運転下手だから、誘導大変でしょ?〟

だの
だの

そんなことをいつもほざいているやつなのだ。
だから勝手に更に下がったのだ

しかも、以前も金城が鉢植えに向かってバックしてくるので「ストップ!ストップ!!!」と言っても全然止まらず車のボディを叩いて止めさせたことがあるのだ。

外に出て鉢植えまで数センチなのを見て

「あほんとだ」とニタニタ

鉢植えを見えてなかったくせに誘導に従わず大丈夫だろうとバックしてきたのだ!

そんなやつ。

そして、こいつはお客様の新車のプリウスや随伴車もやっつけてる(傷つけてる)くせに何故か絶大なる自信に満ち溢れている

その傲慢で今回もぶつけてしまったのだ。

と話はそれたが

お客様が去る前に、急いでその場で社長に電話で報告して、すぐにお客様に代わり社長が謝罪すると

客「元から傷も凹みもあるから気にしなくていいよ!」と。

確かに他の傷もありどこをぶつけたのか一目にはわからないが

修理のことなど社長が何を言ってもお客様は大丈夫大丈夫!と。

「本当に申し訳ありませんでした」

とその場は終えるが、社長は後日3万円近い山崎のお酒を持ってお詫びに行った。

そんな話をスタッフ同士で話してると

「俺に言ってくれればもっと安く仕入れられたのに〜」と輪の中の1人が


おい。

おいおいおい

お前が言うな
ぶつけたお前が言うな

その前に言うことあるだろ金城!!!

全く悪びれる様子なく他の人がぶつけたような態度

しかも!

金「車も後ろボコボコだからわかんねーから」


みんなの視線
イタイイタイ

そしてまたまた後日談

それからまた数日後にそのお客様を配車された金城と私。

ぶつけてから初顔合わせ。

私も金城に合わせて一言お詫びをと緊張しながらお店から出てくるお客様を待ってると

きたっ!

お客様がでてくるなり

金「こんばんは〜」

〝え?〟

待って待って待って!
思わず金城を見てしまった!

金「自宅でいいですかぁ〜?」

まてまてまて

え?  え?   こいつ

客「あよろしく

私はパニック!

言葉が出ないっ!

すると次に口を開いたのが

客「あそうだ この前の大丈夫だから」

い、言わせてしまった!!!!

なんてことを!!!

すると金城は

言葉を発せずニタニタしながら頭を何度かぺこぺこ

こいつやばいっ!!!

やばいこいつっ!!!

お客様がとてもいい人で社長がお客様との関係を築いてるからこれで済まされてるんだそ!

こいつはまだまだ序の口
まだまだいろいろやらかすのであった


        第12案件      
     だるまさんが転んだ

みなさん経験があるだろう。

買い物や出先でパーキングに車をとめて、用事を済ませて車に戻る時にはどこに止めたかわからなくなること。

それが代行のお客様には頻繁にある。

でも、みなさんはどこのパーキングに止めたかは分かるはず!

ただその敷地内のどの位置が忘れてしまうだけだが、代行のお客様はパーキング自体がどこか分からなくなってしまう。

迎え先のお店を出て 

「あれ?あれれ?こっちだっけな?あっちだけっけな?」がよくある。 

街中をくるくると歩き回る

そんな時はだるまさんが転んだ状態。

お客様と客ドラが前を歩き、あっちでもないこっちでもないと進んでは止まり、進んでは止まり

それを随ドラが随伴車で後ろからついて歩く?

ちがうちがう。

歩く速度の走行でついて行く

ハザードを付けてノロノロ運転で進んでは止まり進んでは止まりを繰り返す。

だるまさんが転んだ状態

すぐ見つかるときは良いが、30分以上探し回った時もある。 


        第13案件
       払わねーよ!   
        随ドラ

30代前半の坊主頭の何か起きそうな雰囲気の男性のお客様。

他に上司らしき人物と後輩らしき人物と3人。

客「ここから◯駅までいくら?」

50代客ドラ男早見が

早「3千円で足りると思います。」と出発。

だが、途中で急に✖️駅を経由してから◯駅に到着。

私「3500円です」

客「なんでだよ!3000円って言っただろ!」

早「途中で✖️駅を経由する時点でもお話ししましたが、経由すると距離が伸びて料金も高くなりますので申し訳ありませんが3500円になります」

客「そんなの知らねーよ!3000円って言っただろ?!3000円しか払わねーよ!」

と携帯を取り出し動画を撮り出した。

続けて「こいつ、3000円って言ったのに3500円取ろうとしてまーす」

。」

動画を撮られながらも

「そんなことおっしゃられたら代行業やっていけないです

などと低姿勢に説明を繰り返したが払わねーの一点張り。

社長の判断で泣く泣く3000円だけもらって帰った。

本気で悪くないと思って撮ってるのか?

こうすれば泣き寝入りすると思って撮ってるのか

どちらにしてももう呼ばないで下さい。

っーゆーより、普段呼ばれない市のお店から呼ばれて行ったので、付近の代行からは着拒にされてる可能性も大。


        第14案件
       フェロモン

40代女性随ドラ井川。

スポーティな服装で一見クールに淡々と業務をこなすがかなりの強者。

イケメン好きでいつもお客様を物色

「〇〇さんちょいワルおやじ風でかっこいい!」

「〇〇くんが元彼に似てるんだけど〜!」

と楽しむ裏の顔。

まだお客様に手を出したことは無いが、既婚者でイケメン旦那と子どもも3人いるのに2人の男性と同時に不倫している

しかも彼女が昼間働いているパート先の同じ職場の2人!

W不倫+二股不倫。すごすぎる。

おまけに人生で一番好きな顔というパート先の出入り業者さんには毎年GODIVAのチョコをあげて狙っている

こわいが、話を聞く分にはおもしろい


 
        第15案件
      激ギレラーメン      
        随ドラ

ご機嫌で登場の40代男性客。

客「ねーちゃんかわいいね〜。おねーちゃんと乗りたいなぁ〜」

と今日は随ドラの私と一通りのゆるいやり取りをしてから出発。

しばらく走ると客ドラ男草彅から

「ラメーン屋で止まります」

と無線で連絡が入りラーメン屋の前で停車。

終了か?と思い随伴車から私も降りで駆け寄ると

客「ねーちゃん。ラーメンご馳走するから食べていこうよ」

私「え?あ、ありがとうございます。お気持ちは嬉しいのですが、仕事中ですので」

客「いいだろ?ラーメン代も、車待たせてる間の料金も払うから」

私「ごめんなさい。この後も何件かお客様が待ってますので、こちらで終了かこのままご自宅にお送りさせて頂きたいのですが

と丁重にお断りし続けること10

すると

客「なんだよ!金払うって言ってるんだからいいだろ!いくらだって払うって言ってるだろ!」

とキレ出した。

ラーメン店主も呆れ顔で見守る中、なだめになだめてどうにかその場で終了

ってゆーか。
途中でお客様とラーメンを食べるなんて無理なんだから。

「彼女に聞いてみてください」
と私に託さないで、実車中にでどうにかしてください


        第16案件
     急いでるから早くして! 
         随ドラ

30代半ばの男性客

ハイエースに仲間やコンパニオン女性たちと乗り込んだ。

みんなを途中で降ろして、ハイエースを自宅に置いてからタクシーでみんなの元へ合流する予定らしい。

途中でみんなを下ろし彼だけ乗せて再出発し自宅までお送りして精算してると

客「急いでるから早くしてっ!!」
と声も大きくかなりの威圧感。

「はい」と言いながら
お札を受け取った30代男性客ドラ林の手元が急激に遅くなる

一枚一枚四つ折りにされてる千円札6

一枚一枚広げて確認してからではないと受け取れません

ので一枚一枚ひろげてると

「早くしろよ!!」と追い威圧

そんなこと言う前に、折りたたんであるお札をそのまま渡さないでください。

そして

そんな態度でそんなこと言うと余計に彼の手元が遅くなりますよ


        

        第17案件
        左きき 
     客ドラ(主人公の業務)

対応が難しい50代男性常連客。

男性スタッフに鍵を投げて渡したりこっちだろ!

と怒鳴り悪態をつくなど、いつなにで怒り出すかわからないお客様。

いろんな代行に着拒にされてうちに辿り着いたようだ

客ドラの私はとにかくお客様のご機嫌を損ねないように出発。

すると

客「ねぇ〜俺左利きなんだけどさぁ〜左利きってどうなの?」

私「そ、、、そうなんですねっっ!かっこいいですよね!」

客「そうなの?ずっと左ききなんだよね〜」

私「えーっ!すごいですね!」 

客「やっぱり?左ききってそうなの?」

私「そうですよ!左利きっていいですよねぇ」

客「右と左だとどっちがかっこいいの?」

私「もちろん左ですよ!右より左ですよ!わぁ

客「そっかぁ〜右より左なんだ〜」

私「そうですよ!ひだりがかっこいいです!」

客「俺左だもんなぁ〜」

私「左似合いますもんね!」

と到着するまで15分の道のりを褒め倒した。

ご機嫌で帰宅でなによりです。


        第18案件
      1本のカフェラテ 
         客ドラ

客ドラの私と40代女性随ドラ茂原の女性2人ペア。

実車中にお客様がコンビニにやってから到着。

会計をしお客様との別れ際に

客「はいっ!」

とお客様がコンビニで買っていたカフェラテを1本私だけにくれた。

2人でいるのに私だけ

随ドラの時でも客ドラの時でもたまにある

とりあえずお礼を言ってそのまま随伴車の後部座席にカフェラテを置いた。

そしてその日の業務が終了し帰る際に茂原が

茂「私カフェラテのまないから持って帰っていいよ!」

と。

私「う、うん。ありがとう

うん。 

うん

そうだよ

チップや頂き物は基本的に2人で半分こ。
どちらかが頂いても半分こ。

今回のように一つしかない時は軽いやりとりで決めるのだが

でも

空気的なものってあるよね?

暗黙の了解みたいなものあるよね?

優先的

主導権的なもってあるよね

いうとしたら私からだよね?

「カフェラテどうする?」って私から言うから待ちなさい


        第19案件
        消息不明

「いつもお世話になっております。そちらでお世話になっております有吉の妻ですがうちの人今日出勤していますか?」

と代行受付電話に20代男性スタッフ有吉の奥さんから電話がかかってきた!

「あ!はいっ!出勤しています!」思わず嘘をついた配車係!

奥さんが何かを怪しんで探りを入れてきたのだ!
彼はきっと不倫相手と! 

実はこの彼

高校時代にバイト先のスーパーで知り合った子持ち人妻と不倫関係になり、略奪して子連れ結婚しているのだ。

年上妻とまだまだ若い25歳の夫有吉。

結婚してまだ一年経つか経たないか

こいついつかまたやるな

と思ってたがまさかこんなに早くにやっちまうなんて!

と話は戻り

修羅場は避けたいと思わず嘘をついてしまった配車係!

それからスタッフみんなで彼に連絡するが繋がらない

何度も電話もしたしメールも入れた

できることはもうない。
あとは無事を祈るのみ

そのまま業務を終えてみんな帰宅。

翌日。

どうにかごまかせたと彼から連絡がきてホッ。

が。

その数日後に代行辞めますとメールがきてそれっきり消息不明。


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