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英語ネイティブとは誰なのか?


様々な国で様々な人達と会ったことから、
英語学習についても疑問に思うことが多々ある。
 

【疑問1】どこの国や地域の英語が正しいのか?


 
仕事の関係でネパールに滞在していた時に、
同じホテルに滞在しているイギリス人女性と
立ち話を数回程度する機会があった。
 
雑談しながらも、
時々発音についての違和感があったため、
直接本人に聞いてみた。
 

イギリス出身だと思っていたけど、
オーストラリア出身だったっけ?
発音が少し違うように感じたよ。
 
イギリス人
イギリスには間違いないけど、
スコットランドの出身なのよ。
 
イギリスでは、
大きく分けて4つの地域で、
言い方や発音が違うのよ。
 
 
 
なるほど、
確かにイギリスと言うと、
一つの国としてのイメージがあるけど、
実際には4つの国から成り立っている。
 
イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド
の4つだ。
 
このためイギリスの正式名称は、
 
The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland.
グレートブリテン及び北アイルランド連合王国
 
となっている。
 
つまり4つの国の連合だということだ。
 
そういうこともあって、
そのイギリス人女性の言う
4つの地域で発音や言い方が異なるというのも頷ける。
 
実際日本でも、
元は日本語とは言っても、
関西弁や東北弁もある話なので、
地域が異なれば言い方や発音が異なるのも納得できる。
 
英語ネイティブも、
元をたどればイギリスから米国やオーストラリアと
広がっていったはずだけど、
 
その元々のイギリスすら発音や言い方が
4つの地域に分かれていて、
それが米国やオーストラリアといった他国では、
時間の経過とともにさらに変化していったと考えられる。
 
問題はそういう状況の中で、
英語学習者はどこの地域の英語を学ぶのが
良いのだろうか。
それが私の第一の疑問だ。
 

【疑問2】正しい英語を指導できる講師は誰なのか?


 
語学を指導するというのは、
一つの専門分野の話でもある。
そこで単純に国籍だけで指導能力を判断することはできない。
 
日本国内では、
なぜか単にアメリカ人、イギリス人である、
という程度で英語が学べると思っている人も
多いように感じる時があるが、
自分にとっては強い違和感がある。
 
逆の立場で、
もし外国人から日本語を学びたいと言われたら、
日本語ネイティブのはずの日本人の大部分は、
正しい日本語の発音、日本語の文法、フレーズ等、
それを詳しく説明することができるだろうか。
 
少なくとも私自身は全く自信がない。
自分の日本語では全然当てにならないとしか思えないからだ。
 
そういう指導が可能な日本人というのは、
それなりの訓練を受けた学校の教師や、
日本語教師等の資格を持つ人達ということになる。
 
同じくアメリカ人やイギリス人というだけで、
正しい発音や文法上の詳細まで知っているわけではない。
国や地域によって異なるからだ。
 
最初に記述した通り、
イギリスであっても4つの地域で発音や言い方が異なり、
アメリカも東西南北の地域でやはり異なる。
 
ちなみに私が過去に調べた資料では、
「アメリカ人の2割は英語を話せない」
というショッキングな内容が書かれたものもあった。
 
「そんな馬鹿なわけがないだろう」
と思われるだろうか。
私も実際にそう思った。
 
しかしながら、
中南米からの移民は一年中ひっきりなしだと言うし、
最近のニュースによれば、
中国からも様々な国を経由して
アメリカに入り込む人達も急増していると報道されている。
 
違法な移民に限らず、
アメリカンドリームを追って、
縁故関係の人を頼って移住する人達もたくさんいる。
 
そういう移民や移住をする人達は、
必ずしも最初から流暢な英語が話せるとは限らないし、
おそらくは全く話せない状態で行く人達がいてもおかしくはない。
 
実際に私の知り合いのラオス人やベトナム人も、
特別英語がうまいわけでもないけど、
知人を頼ってアメリカに渡っていった。
 
アメリカという国自体が
過去の歴史から移民を多数受け入れることで
成り立っている国でもあるので、
英語が話せない人達がいてもおかしくはない。
 
ではまた振り出しに戻るが、
我々のような英語学習者は
一体どのような指導者から学べば良いのだろうか。
 
これが2つ目の疑問だ。
 
 

【疑問3】どうやって適切な指導者を探すのか?


 
では英語学習者は、
一体どのようにして、
自分が求める内容を正しく教えてくれる
指導者を探したらよいのだろうか。
 
講師の出身の国や地域によって
発音、アクセント、言い方(フレーズ)等が異なる状態で、
どのようにして自分が求める指導者を見つたら良いのか、
ということだ。

私は仕事の都合上で
多数のアメリカ人看護師達と一緒に英会話を指導したが、
同じアメリカ人とは言っても、
人が違えば文字の読み方(音)が違ったり、
言い方が違ったりで統一するのも手間がかかった。

ではたくさんの講師がいる中で、
誰の言うことを信じたらよいのか、
誰から学ぶべきか、
ということも英会話学習者にとっては重要だ。

そして信頼できる指導者について、
どこからどう探したらよいのか、
それが3つ目の疑問だ。
 
以上のような疑問点について、
日本国内で英語学習者が意識していることと、
実際の海外での状況には結構な差があるように感じた。

【結論】

途中の検討状況はおいておいて、
私の結論としては以下のようになった。

1.自分自身の学習目的及び目標を明確にする。


将来的に海外留学だとか、
仕事や生活の事情で海外に長期的に滞在するのか、
どこの国や地域を想定しているのか、

もしくは日本国内において、
外国人の顧客に対して、
最低限の案内やコミュニケーションがとれたらよいのか等、
 
自分が置かれた状況も考慮して、
長期的な学習取り組みが必要なのか、
または最小限のコミュニケーションで十分なのか、
そういった方向性によって決めていく必要がある。

言い方を変えれば、
英語学習に関してどこまで深堀りしていく必要があるのか、
それを事前に明確にするしていくことが重要だ。
 
英語学習について長期間をかけて深堀りしたい人は、
予算や時間がかかることは覚悟しておく必要がある。
 
逆に、
とにかく最小限、
最低限のコミュニケーションが取れたら良い、
という学習初心者の方には、
中学校レベルの教科書や参考書について、
基礎的知識を身につけることが最優先だが、
その内容をアウトプットできるようになるまでが目標だ。
 
中学レベルの英語をいつでもパッと言える、
そのために必要な最低限の発音について習得する。
ということであれば、
 
目安として、
短くて3ヶ月、長くても6ヶ月あれば十分だ。
 
おそらく大部分の日本人、
特に社会人にとっては、
英語だけのために長期間の取り組みや、
多額の費用を準備することは難しいだろうから、
 
私の方では、
とにかく中学レベルの基礎知識の習得と、
それを実際に口で言えるだけの
アウトプット訓練を行うことを強くお勧めする。
 
発音に関しては、
別記事でも紹介している8種類の発音ができれば、
たいていの国の人には通じるので問題ない。
 
 

2.目的や目標に合致する方法を取捨選択する。


 
長期的な取り組みで深堀りしていくのか、
または初心者として
短期的に効率よく最小限の知識を習得するのか、
まずはそれを区分した上で検討を進める。
 
日本国内で学習を続けるのか、
もしくは留学等を考慮できるのかによっても
対応方法は全く異なるだろう。
 
この記事では、
日本国内で学習に取り組む初心者が対象なので、
現代社会における強力な味方として、
ネットを最大限に利用することをお勧めする。
 
この点については
ちょっと前までは全く想定されていなかったが、
急速にネット環境が世界中で改善してきている。

そういう意味では
ネットやパソコンについてもある程度のスキルが必要になる。
 
ネットをフル活用することで、
世界中の外国人講師、
ネイティブの先生の話を聞くことも可能だ。

一人二人の先生ではなく、
時間の許す限り多数の先生、
アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド
といった異なる国の語学専門講師の話を聞くことも可能だ。
 
特に発音に関してはネイティブの中でも、
発音を専門としている講師もいるので、
そういうのも活用すると良い。
 
ただし初心者にとってはそれも難しい場合もあると思うので、
まずは中学レベルのテキストや参考書を購入し、
それを人に説明可能なくらいまで
頭の中を整理した上で、
アウトプットの訓練をしていく必要がある。
 
発音に関しても、
まずは8種類の発音を習得することで、
スピーキング力やリスニング力も飛躍的にアップするので、
ご関心のある方は別記事も参考にしてほしい。
 
Note記事:発音はこれで十分(有料版)|英会話初心者向け
https://note.com/great_abelia1175/n/n0ce926108f88
 
 

3.アウトプット訓練方法を決める。


別記事でも紹介したように、
世界中の学習者が誤解している点として、
ひたすら膨大な量の情報をインプットすることに注力し、
そのことで記憶を定着できていない
という非効率的学習に偏っているということだ。

逆に効率的な学習方法として指摘されているのが、
常にアウトプットを意識しながら学習するということだ。

私自身が学生の時には、
自分で頭が悪いからという理由で、
ひたすら音読をして記憶を定着させようと努力してきた経緯がある。

しかしながら近年の研究では、
音読に限らず、
学習した内容を人に説明する、
または学習した内容を白紙に書き出してみる、
といった方法もアウトプットとして
記憶の定着がしやすくなるとのことである。
 
さらに私個人の海外経験も含めて、
最小限、最低限の発音に関する学習方法として、
最初に8種類の発音の訓練を行うことを勧めている。

本当に最低限の基礎知識だが、
それをさらに発展させていく必要がある。
 
アルファベット➡️単語➡️フレーズ➡️会話
という順番で英会話能力を伸ばしていくことが肝心だ。
 
このため具体的には
音読の反復練習、
発音の仕方を他の人にも説明可能なくらいまで練習する。
 
記憶定着のためには、
学んだことを、
白紙に書いてみる。
 
会話練習という意味で、
無料で最低限の訓練ができるということでは、
Duolingoもお勧めだ。
 
マイクとスピーカーは事前に準備しておく必要があるが、
発音や会話だけでなく、
小学生かとも思えるレベルから中学レベル程度で、
記入式の問題も準備されている。
何よりも無料なのは助かるだろう。
 
Duolingo日本語版ホームページ
https://ja.duolingo.com/
 
それ以外でも無料の学習サイトもあるので、
自分で検索してみて、
自分の現在のレベル、
もしくは目標とする内容に合致したものを
探していくことも重要だ。
 
私の方でもオンラインを活用して、
ボランティア講師による無料の勉強会も開催しているので、
ご関心のある方は
以下の記事も参照下さい。
 
ボランティア講師による無料英語勉強会
https://note.com/great_abelia1175/n/n0bac79764d5c
 
ただしこれは英語を本業とする講師ではなく、
元々看護師や助産師といった日本人のチームで、
海外ボランティアを行うための勉強会だったのが、
コロナ禍の影響で現地活動ができなくなったために、
現在では日本人の人材育成のための勉強会をしているものです。
詳しくはまた上記の記事をご参照下さい。
 
以上
 
 

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