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壊れたトレーラー荷台|イラク

※写真はAIによる生成画像のため、実物や記事内容とは関係ありません。

今日はイラクでの出来事について話す。
イラクと言われても
すぐに思いつけない人のために
まずは位置図と概要について紹介する。


イラク位置図

人口:約4000万人
国土:43.8万k㎡(日本の国土のおよそ1.2倍)
言語:アラビア語、クルド語(クルド人自治区)
宗教:イスラム教
産業:世界有数の石油埋蔵量と産出量



1986年当時、
まだイラン・イラク戦争の真っ最中ではあったけど、
私の滞在していた街「ナジャフ」は
宗教上の聖地と言われていて、
治安もほとんど問題なかった時期だった。

ある日仕事の都合で
会社事務所のあるバグダッドまで
車で移動中だったのだけど、
街と街の距離が離れていて
移動途中の景色と言えばほとんどが土漠だった。

見るものもあまり無いような景色の中、
かつ前後を走る他の車両もほとんどない、
さらにこちらの車も100km/hくらいの速度が出ている状況だった。

何となく車の窓の外を見ていたのだけど、
急にアスファルト道路のわきに放置された
長いトレーラーの荷台の半分が見えた。

あれっと思いながらも、
すぐに通り過ぎてしまったので、
今自分が見たものは何だったのか
思い出そうとしてみた。

普通に考えると
荷台の半分ということはありえないよな、
運転席が設置されているトラクター(牽引車)の部分と、
荷台の接続部分が外れただけだったのかな、
などと思ったけど
そのまま自分の乗っている車両は
何事もなかったのように走り続けている。

それから数百メートルくらい進んだかなと思ったところで、
今度はその牽引車と荷台の前半分が接続された状態で放置されていた。
しかもその荷台には大量の荷物がのっけられている。

ええ~っと、びっくりしたけど、
何しろ荷台が真っ二つなんて
普通ありえないよな。

開発途上国だと
修理不能となって放置されている車両を時々見ることはあるけど、
荷台が真っ二つって、ありなのか?
どうしたらそうなる、

と思わず考え込んでしまった。

機械技術者でもある私は
ちょっと真面目に考えこんでしまったところで、
「金属疲労」という技術用語を思い出した。

人間と同じく、
金属もあまり頻繁に力が加わると、
疲労しちゃって壊れてしまうことがある。

それをヒントとして考え続けると、
古い車両を数十年にわたってずっと使い続けていることは
容易に想像できた。

それでかつ大量の荷物を搭載し続けた場合、
長いトレーラー(荷台)の真ん中あたり、
つまり前部のタイヤと後部のタイヤのついている
真ん中あたりの部分では、
力のかかる部分を支えられず
真っ二つになることもありえなくはないかと思った。

でも100km/hの速度で進む車両からちらっと見ただけで、
技術的にどうこう言えるほど詳しく調べたわけでもないので、
これも「カルチャーショック?」と言うのかな等と、
いつもの私のお気楽な性格で
そのままずっと忘れていた出来事だった。

以上


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