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本当に世界平和を考えているのは○○だけだ|シリア大使

30年以上も昔のインターネットもない時代の話しです。
仕事の関係で初めてシリアに行くことになったのですが、現地の状況についての資料や情報があまりにも不足しているため、シリア大使館にお願いしてお話を伺うことができました。
 
それまで大使館に足を運んだり、大使館の方に話しを伺うといった経験のなかった私はかなり緊張したり恐縮したりでしたが、電話をしてみたら丁寧に対応してもらい、話しを聞くことができることになったものです。
 
実際に大使館に行き、ご担当者から現地の交通事情や医療事情等についていろいろと話しを伺っていたところ、急に大使が部屋の中に入ってこられて、緊張感マックスの状態でした。
 
あらためて訪問目的や、これからシリアに渡航する予定があること、コンサルタントとしての調査活動が必要なこと、特に現地の医療事情等について説明したところ、ありがたいことに大使から直接お話を伺うことができました。
 
こちらは緊張しっぱなしのところ、大使には大変好意的に受け入れていただいて、丁寧な説明や対応をしていただいたことに、いくら感謝してもしきれないくらいでした。

このためこのようなご丁寧な対応をしていただいて大変感謝していますとお伝えしたところ、大使からの返答内容はいまだに鮮明に覚えています。
 
大使
「日本人に対して丁寧に対応するのは当然だ。本当に世界平和を考えているのは、日本だけだよ。」
 
私にはすぐに大使の言葉の意味を飲み込めず、「なぜそのように思われるのでしょうか。」と重ねて質問しました。
 
その質問に対する大使からの説明は以下のようなことでした。
 
大使
「外交官というのは、日夜様々な国の関係者と様々な分野での交渉を続けることが責務だが、たいていの国は自分たちの主張を押し通すために、ありとあらゆる圧力を使ってくるのが普通になっている。
例えば、軍事力や経済力といった面での圧力をかけられる場合も多々ある。
 
しかしながら、日本だけはそういうことが全くないのだよ。
我々が困っている課題に対して、本当に一緒になって考えてくれている。
こんなありがたい国は他にはない。
だから大使館でも日本人の来客があれば最大限に歓迎する。」
といったご説明でした。

私自身は政治とも外交とも全く何ら関係のない一民間人でしかありませんでしたが、大使や大使館ご担当者のこのようなご丁寧な対応や説明に対して、本当に感謝したい気持ちになり、現地での仕事にもベストを尽くしていこうと決意をあらたにした出来事でした。

現地でも信じられないくらいの待遇でさらに驚愕したことは、また次回お話したいと思います。


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