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“赤”の呪縛とメリーバッドエンド(続・『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』 望海サティーンと芳雄クリスチャンについて)
7月上旬に書いた長文の続きです。2023年の『ムーラン・ルージュ!・ザ・ミュージカル』は、元々この二人が揃う回をメインにチケットを取っていたので、観劇回数も多かったし、相当気持ちが熱いです。そして先日の芳雄のミューへの望海さんゲスト出演&芳雄さんとの『星のさだめ』のデュエット……ありがとうございました。二人の声が重なる時に「これだ〜〜!!!(涙)」ってなり、心揺さぶられて鳥肌が立つような興奮と、あの熱狂の日を懐かしく思い涙腺が熱くなるような感動の瞬間が証明するように、やっぱり私はこの二人の並びとデュエットが大好きだ……改めてそう実感した。望海さんの凛とした神々しさと、相手役を見つめる芳雄さんの眼差しと、溶け合う声。もう抗えないです。
ところでアイーダの『星のさだめ』ってエルトンジョン作曲なところにめっちゃくちゃ縁を感じる。ムーランルージュのYour Songと同じじゃん…それをもう一度サティーンとクリスチャンになる二人でデュエットするの尊すぎるし選曲した人ファインプレーすぎますね、ありがとうございます… #芳雄のミュー
— 灰 (@xxx3220amo) February 17, 2024
エルトンジョンのこと、勝手に恩人みたいに思ってしまう現象。
「ムーラン・ルージュ」、このフランス語を直訳すると「赤い風車」なわけで、帝劇のロビーも、客席も、開演前の舞台セットも全てが真っ赤。パリの本場のキャバレー、ムーランルージュも全体的に赤いと聞いたことがあるけど、そもそも赤って何の色…?熱狂を示唆する「炎」。燃え上がるほど熱くなる「心」、そして、「血」の色だったのかもしれない。そう思うとまた別の解釈が生まれそうだ。サティーンが握りしめる白いハンカチに染み付いていたのは、赤い血。
プレビュー初日翌日のバイマイで、バズラーマン監督に「悲劇性を感じたのは日本公演が一番」だと言われたと芳雄さんが話していたけど、望海サティーンと芳雄クリスチャンの回ではその悲劇性をすごく感じた。お涙頂戴な展開が残されてないと満足しない国民性がそうさせるわけではなく、感情が揺らぐきっかけを掴んだら最後まで引き摺り下ろしてくれるような幕のおろし方。ある意味、一種の責任の取り方。二人が揃うと幸せが何倍にもなり、苦しめば輪をかけて転がり落ちて、二人が見せてくれる喜怒哀楽の相乗効果ってとんでもないんだなと思い知らされた。
派手な音楽やセットの中では誤魔化しきれないほどの、どうにもならない悲劇をしっかり描いてくださる繊細な掛け合いに心掴まれる日々でした。2幕後半の、上手と下手それぞれで涙ながらに、それでいてパワフルに歌われるCrazy Rollingのナンバーは、もう本当に、心の底から大好きで、お二人ともしっかり見たいのに目が二つしかない自分を嘆いたよ。
望海さん芳雄さんのCrazy Rollingがあまりにも好きで何を語ってもチープになるのでこの感動を書き残すことなんてできずただ劇場でもう一回観る以外選択肢はないけど、散々怒り喚いたクリスチャンの行き着くところはサティーンと同じく涙なんだ、本当はずっと泣いてるんだと今日すごく感じたので書く✍️ https://t.co/6ICnzBRlQu
— 灰 (@xxx3220amo) August 5, 2023
ピストル片手に心を失い怒りも狂気も露わにするクリスチャンの本心は涙でいっぱいなんだろうな。ここは望海サティーンも涙が今にも溢れそうで、ロックな曲調とは裏腹に、強烈に感情に訴えるナンバーなので改めて好きだなと唸る。歌詞のとおり2人にとって痛烈な仕打ちで「もうやめて これ以上」なのよね
— 灰 (@xxx3220amo) August 5, 2023
外的要因によってサティーンを手に入れられないと思ってたのに結局僕を見限ったのは彼女自身だと痛感して1番心を抉られる方法で傷ついたクリスチャンと、自責の念に苛まれながらも身体も苦しくてもうどうにもならないサティーン、歌い上げながらも2人揃ってものすごい泣き顔になった瞬間本当に胸に来た
— 灰 (@xxx3220amo) August 5, 2023
サティーンが別れを告げる指パッチンで魔法が解けた芳雄クリスチャンの表情からやばさを感じた本日。これも象の真下から見えた苦しくも忘れたくない景色。 「星を旅しよう」って象の部屋でサティーンを口説いてあの1幕ラストを迎えるのに、星空の下1人残され始まるCrazy Rollingの虚しさ、秀逸すぎて。
— 灰 (@xxx3220amo) August 5, 2023
悲劇のはずなのに、二人が迎えたゴールはもしかしたら幸福だったのでは…?と思わされるほどの含みもあって、本当に深い。望海サティーンと芳雄クリスチャンのラストシーンはエリザの「泣いた、笑った、挫け、求めた」に近いものがあると思ってるけど、悲劇なのに二人だけで到達した確固たる幸せが残り続けるのが逆に切なくて、幸せも不幸も紙一重なんだという儚さもあって。
「僕を見て?サティーン…」と呼びかけられ振り返った望海サティーンの表情が天才すぎて情緒終了。望海さんの心の機微から直結するようなお芝居や歌というあらゆる表現が大好きだし、クリスチャンと迎えるラストは悲劇なのに幸せを全うしたように思えてしまう🥲 #ムーランルージュザミュージカル pic.twitter.com/XSbvuVMX6T
— 灰 (@xxx3220amo) August 15, 2023
クリスチャンは心を無くして迷子になるし、サティーンは血で染まったハンカチ片手に苦しいし、2人が行き着く先はどこなんだろうと心掴まれながらも目が離せないけど、1番本音が顕になるのは“泣き”の瞬間なんだと思ってる。どうにもならず天を仰ぎ泣くしかないという最高潮がCrazy Rollingのラストかな
— 灰 (@xxx3220amo) August 15, 2023
8/24マチネの組合せラスト回、召される望海サティーンを追いかけるように名残惜しそうに振り返り見つめ続ける芳雄クリスチャンの背中が印象深くて、フィナーレのCome What Mayが始まっても、多分気持ちが戻ってこられてなかったんじゃないかなと思わせられる涙声。そんな余韻も、観劇がもたらしてくれる宝物だな。
帝劇ついた!望海サティーン×芳雄クリスチャンのラスト回、大事に大事に観ます🥲
— 灰 (@xxx3220amo) August 24, 2023
大好きな2人の共演を観られて最ッッッ高に幸せだったなぁと噛み締めながら楽しむぞ〜!✊❤️🔥!#ムーランルージュザミュージカル pic.twitter.com/JKI625KAnL
https://x.com/xxx3220amo/status/1694611073465536761?s=20
望海サティーン×芳雄クリスチャンの組合せラスト公演、カテコでセンターで合流していつも通り手を繋ぐ前に思いっきり強めのハグを交わす2人に涙腺崩壊。ずっと忘れたくない光景。
— 灰 (@xxx3220amo) August 24, 2023
こんなに #ムーランルージュザミュージカル に夢中になれたのは2人のおかげ。楽しかったなぁ…ありがとうございました🥲 https://t.co/2qo49Gw3rO pic.twitter.com/f6Hjbq7JvD
畳み掛けるような2幕に気持ちが持っていかれそうなところがあるけど、8/24マチネのElephant Love Medleyも最高オブ最高…と心震わせながら観ていた。ソロでも客席を支配するほどの技量を持つ二人が、こんな細かな掛け合いの中で心の機微を見せてくれるのが大好きすぎる。芳雄さんが闇堕ちしなくても望海さんが血を吐かなくても、二人が素直に愛を歌い合うのがシンプルに最高なんだ。「じゃあ僕が恋人になろう!」から始まる、ピアノが流れる中でクリスチャンが紡ぎ出す言葉はさティーンにとっての救いだ。
Elephant Love MedleyとCome What May、状況は違えどどちらも一幕と二幕それぞれで最も幸せの絶頂を迎える瞬間。どちらも、ちょうどデュエット中にバックハグになる時に声が混ざり合うのが本当に好き。溶けるというか、声の相性というか、本当に圧巻だった。はやウタで披露されたCome What Mayも好きだった…
「マリー、あなたは誰なの?」の劇中劇から続くクライマックスは、もはや二人以外誰も音を立ててはダメと思ってしまうほど、緊張感がものすごくて。息を止めて観てた。二人の描く最後はこうだったんだな…という、悲壮感の中に幸せがあるような、でもクリスチャンの中では拭い切れてない悲しみが続くような。サティーンが召された後、みんなが手を差し伸べるところでようやくサティーンが運ばれる現実が視界に入り、サティーンを目で追うクリスチャンの背中から漂う喪失感が衝撃的だったな。
こんなに好き勝手想像を働かせてしまうほどの余韻を残してくれた2人だけど、カテコではブチ上がりまくりの音楽と舞台上のキャストと思いっきり手拍子してる客席の熱狂の中でさっきまでの展開なんて忘れて超元気にぴょんぴょん跳ねながら手を繋いで転生してきてくれる2人がさぁ…もうほんとにわけわからないくらい大好き。2人の組合せラスト回だった8/24のマチネ、舞台奥センターで硬くハグを交わした2人の光景は墓場に行くまで脳裏に焼き付けたい。こんなにムーランルージュに夢中になれたのは紛れもなく2人のおかげです。沢山感動させてくれてありがとうございました。
等身大とか、本場のブロードウェイではこうだとか、イマジナリーな存在とか、キャストによって色んな感想を目にしたし、私も色んな感動と気づきをもらえたけど、望海サティーンと芳雄クリスチャン回にどハマりした身としてこの組合せを振り返るのであれば、血の色が強めな“メリーバッドエンド”回かな。サティーンが吐く血も、クリスチャンのピストルによってどちらかが血を流すかもしれなかった展開も、血が通った人間らしさも。こちらから見れば悲劇なんだけど、悲劇だって誰が定義したの?懸命に生きた軌跡だよ。そんな声が聞こえてきそう。
そして千秋楽後のバイマイで聴きたかった話を聴けて感無量。20年来の二人の関係性と重ね合わせても胸にくるものがある。これまでの歩みの肯定。開かれる扉。早く今年のムーランルージュが観たいよ!!!
#井上芳雄byMYSELF 再び芳雄さんと望海さんの掛け合いが聴けるなんて夢みたいだったな。MR!のエピソードさあ来い!デュエットも来い!ってテンションで臨んだらそれ以外の話を沢山してくれたりとびら開けてまで歌ってくれたの嬉しくて、先週の芳雄さんの「僕達の仲がどれぐらい深まったのか」を体感🥲
— 灰 (@xxx3220amo) September 17, 2023
とはいえムーランルージュのぞよしラスト回の話を聴けたのがめっちゃくちゃ嬉しかった…最後の「僕を見て?サティーン…」の後に望海さんが歌い出すYour Songリプライズ、「自慢していいんだよ」が芳雄さんにとって「だいもんと知り合ってからの20年は間違ってなかったよ」の肯定だったという話とか、
— 灰 (@xxx3220amo) September 17, 2023
望海さんも、あの回で自分の扉が開いた、何で今まで素直になれなかったんだろうという話がそのまま、自分の心に従うことが難しいサティーンと最後は彼女に肯定されるクリスチャンに重なる🥲私ほんとにMR!の2人の回が好きすぎたの、こういう心の機微を感じさせてくれたからだと改めて #井上芳雄byMYSELF
— 灰 (@xxx3220amo) September 17, 2023
「扉が開いた」話、望海さんはここでも語ってくれていたね。
豪華絢爛!華やか!ヒットソングでブチ上がれ!!✊❤️🔥
— 灰 (@xxx3220amo) October 2, 2023
っていうムーランルージュの世界観の裏側で、魂と魂がぶつかり合うような逢瀬を重ねる望海サティーンと芳雄クリスチャンが本当に好きだったなぁと一瞬にして懐古。扉開いた望海さんによる「自慢していいんだよ君の歌だって」、早くまた聴きたい🥲
今年の再演も本気でチケ取りに挑んでいるので、「運命の神様 あなたは女神(東宝版のスカイマスターソンによると「俺のBaby Luck 幸運の女神」かな)」、どうかどうか、微笑んでください。おわり!
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