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国替えか、お取り潰しか〜ニコニコ・コンビニのゆくえ

同志Aからのお題:リニューアル


近所のコンビニが新装開店と相成った。店内は少し落ち着いた色合いになって、新しい什器が入ったり、店内調理の弁当が並んだり。アップデートは喜ばしい限りだが、中の人たちまで変わってしまった。

前の店長は、いつもえびす顔で、その下で働く店員たちも皆明るく、気持ちがよかった。中でも店長の右腕らしき人は会計のクレジットカード承認の際に「3、2、1、はいっ!」とカウントダウンしてくれる面白キャラだった。なので、家から最も近いコンビニ(別のチェーン)ではなく、二番目に近いこの店をひいきにしていた。近くて無愛想より、大通りを渡った先の、温かな雰囲気の店を選ぶ。

新しい店長・店員は極めて普通の人たち。全く悪くはないが、以前のスタッフの印象が強くて物足りない。ニコニコ店長たちは、別の地域に“国替え”になったのか、それとも本部の意向に合わず“お取り潰し”になったのか。

店頭で改装工事のお知らせを見た時は、ニコニコ店長たちの働きぶりが評価されて、店がリニューアルされるのかな、よかったね、と思ったものだ。新装開店の日、「おめでとうございます」と声をかけたいが、いつもの彼らが見当たらない。バックヤードにいるのだろうか。しかし何日経っても、店に出ているのは新顔ばかり。何だか妙だ。知らない中年男性の胸に「店長」の札を見た時、心がへなへなとなった。

そういえば、一番近いコンビニは数年前に改装したのだが、その際におじいちゃんオーナーの姿が消えた。もともと明るくはない店だったが、一段と愛想のない店になった。逆に、少し先のコンビニ(これもまた別のチェーン)は増床時に少々ぶっきらぼうな主要メンバーがいなくなった。リニューアルのタイミングで人が入れ替わる。

えびす顔の店長と陽気な店員たちは今どこに。
また聞きたいな。「3、2、1、はいっ!」を。







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