日本の伝統模様 vol.1
クリエイティブに役立ちそうな、日本の伝統模様の象徴する意味とデザインについてまとめてみました。
市松文様(石畳)
色違いの正方形を交互に敷き詰めた文様。たがいちがいにならべた碁盤目模様の柄が途切れることなく続いて行くことから、繁栄の意味が込められていおり、子孫繁栄や事業拡大など縁起の良い模様として沢山の人に好まれています。
東京五輪・パラリンピックのエンブレムに採用されている市松模様は、通常の同じ四角形が組み合わさった模様ではなく、3つの四角形が組み合わせてある市松模様を担っています。そこには、多くの文化や国が関わり広がっていく事による「多様性」を表現したいという思いが込められているようです。
麻の葉
日本独自の文様で、
正六角形を規則的に繰り返して配置した幾何学文様です。対角線によってできる重心と各頂点を結ぶことによって作成可能です。
麻は生命力が強く、手を掛けなくても丈夫ですくすくとまっすぐに大きく育つことから、魔除けの意味もあり、健やかな成長を祈願し赤ちゃんや子どもの着物に多用されました。
矢羽根 / 矢がすり
矢の羽根を絣織りで表した文様。一度射た矢は戻ってこないことから、婚礼の際に「出戻らない」と縁起を担いだ他、「破魔矢」のように邪気を払う意味も込められています。明治・大正時代以降には女学生のファッションとしても流行しました。また、少女漫画「はいからさんが通る」の主人公が着ていたことから、矢羽根の着物にこの袴は現在も大学の卒業式の着物の柄として人気があるとのことです。
青海波(せいがいは)
大海原の波、青い海の波を扇形にパターン化、同心の半円を連続して重ねた、入れ子になった半円を連続して波を表した幾何学文様。どこまでも穏やかな波が続く様子から、永く続く幸せや平和な暮らしへの祈りが込められた文様です。雅楽「青海波」が名前の由来とされ、青海波を舞う人はこの文様の衣装を身に付ける。「源氏物語」には、光源氏が青海波を舞う場面が描かれている。幾何学文様。その名前は、舞楽「青海波」の装束につけられていたことに由来している。古くから吉事に用いられている。
鮫小紋
将軍の徳川吉宗の生家である紀州徳川家が用いた柄と言われています。細かい点で円弧を重ねた模様が、鮫の肌に似ていることから名付けられたとのこと。この文様の制作は青海波のように扇状に点をフラクタル構造のように配置することで完成しますが、数学的に構成しようとするとうまくいきません(実験済み)。機会があったら、illustratorによる『本格的な鮫小紋の制作プロセス』なる記事を作成しようと思います
七宝
いくつもの円弧を4分の1ずつ重ねることで作成可能。四方どちらへも永遠に続き縁起のよいことから、「しっぽう」=「七宝」と呼ぶようになった。耐えることのない永遠の連鎖と拡大を意味し、 円満や平和、子孫の縁、円満、繁栄を表しています。 花菱を入れたりとほかの文様と組み合わせるが多いです。
亀甲
正六角形を上下左右につなぎ合わせた、長寿吉祥の象徴である亀の甲羅の六角形に由来する伝統模様。「亀甲花菱」「毘沙門(びしゃもん)亀甲」などバラエティに富む。
唐草
長寿や繁栄の意味が込められている伝統模様。その由来はツルが四方に延びていく様子から。シルクロード経由で日本に伝来。
菱
2方向の平行線が交わって生まれる菱形が規則的に並んだ幾何学文様。ヒシは繁殖力が強いことから、子孫繁栄や無病息災を象徴する。非常に古くから見られる文様で、縄文土器や飛鳥奈良時代の織物の地紋などにも発見された。「入子菱」、「割菱」、「花菱」などバリエーション豊富。
鱗
三角形を交互に組み合わせた伝統文様です。こめられた意味は再生。蛇の鱗とも魚の鱗とも言われていますが昔から世界各地にみられ、邪気払いとして使用されてきました。他にも、埴輪や古墳の装飾。近世では、武士の能装束や陣羽織に用いられてきました
まとめ
いかがでしたでしょうか。こうして見てみると、シンプルな幾何学は、意味を持ったおめでたい意匠として何かを見立てたデザインとして活用されていることがわかります。他にも様々な日本の伝統模様はありますが、今日はここで区切りをつけました。
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