見出し画像

オールキャップスの欧文は叫んでいる?

こんにちは。グランドデザインの市川です。

日本の欧文組版で文中に社名、人名、地名などが出てくる場合に、全て大文字(オールキャップス)で表記しているケースが多いようです。無意識に日本独自の大文字表記に慣れてしまっていると、ネイティブの人が見ると“大声で怒鳴っている”ように見えてしまうことがあるようです。これを知ったとき自分も今まで気にせず、意識せずに原稿通りやってきてしまったことに冷や汗をかきました。

組版ではないですが、大文字表記の与える印象で分かりやすい事例があったので以下に紹介します。

MAKE AMERICA GREAT AGAIN!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) February 4, 2017

上記のような選挙スローガンにおいては強調が有効に使われている例となりますが、以下のような長文では読ませることよりも、文字の固まりとなっていて、内容はともかく少なくとも怒っている感情が先に伝わってきます。

画像1

大文字は大声で怒鳴っているように感じるというのは、あくまで文中のことであって、ロゴや看板や見出しなどアテンションをつける意図がある場合はこの限りではありません。組版において大文字か小文字かについて詳しくは以下の書籍のP58とP64に詳しく書いてありますので興味ある方はぜひ調べてみてください。

欧文組版における適切な強調表現

以下の文献からは欧文組版の強調表現はイタリックにすることが基本とされています。他にも強調するには、ウェイトを変える(ボールド)、下線を引く、文字サイズを変える、違う書体を使う、色を変える、網かけをするなどがありますが、これらは全て大文字で表記するのと同様、文章組みとしてのまとまりを崩す恐れがあるため、“読ませる”文章ではできるだけ避けたいところです。

文章の一部を強調するときには、その部分をイタリックにするのがもっとも基本的な方法だ。ディテール・イン・タイポグラフィ P47-49 強調

Illustrator、Indesignでのオールキャップスとスモールキャップスの設定は以下の記事が参考になります。

欧文組版においては数多くの失敗を重ねてきました。以下から過去記事が見れます。引用から成り立っているような記事ですが、自分の役割としては、分かりやすく、間違えがちなところを紹介していければと思います。実践的なものや詳しい内容は推薦図書に書かれていますので、興味をもたれた方がいたらぜひ、学んでみてください!

Twitterでも日々発信しています。よろしかったらフォローしてくれると嬉しいです。


この記事が参加している募集

推薦図書

noteのつづけ方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?