見出し画像

生後4ヶ月のキジトラ猫姉妹を拾った(12)

鯛の刺身を食べた翌日、丸一日の絶食を確認して、プーアルを病院へ連れていくと、うちに来た時は1.25キロあった体重は950グラムまで痩せていました。
今日は辛いお話です。

細菌性の膀胱炎

ダメだ病院に行こう!と思った日、電車が人身事故で遅延していて、病院の受付時間に間に合うかギリギリでした。
とにかく電車に乗らないと連れて行けないし、先に予約の電話を入れたかったけど丁度電車が来てしまって飛び乗り。

あぁ……今日は間に合わないかも……と思っていたら、電車が乗り換え接続のために止まって、そのタイミングでギリギリ電話予約をとることができました。時間は6時半。だいたい3時間待ちだそうです。
ご飯を食べないなと思い始めてから5日目、これを取り逃していたら、プーアルはもう生きてなかったかも知れません。

帰宅してすぐプーアルをキャリーに動かして、チチの隣に置きました。夜9時半頃にようやく電話がかかってきて連れていくと、体重は950グラム……うちに来て10日で300グラムも痩せてしまいました。

病院では少し抵抗を見せましたが、家ではもうほぼ無抵抗、逃げる元気もないと言った感じだったので、相当体力も落ちているようです。

「おしっこ、細菌のニオイがするな……」

わたしは猫を飼育したことがないので、猫のおしっこの標準の臭いが分かりません。たしかにプーアルはおしっこまみれの所に座るので、チチに比べて臭いと思ってましたが、そういう事じゃないんだそうです。

明らかに細菌性の膀胱炎なおしっこの臭いがするとのこと。お腹を触ると膀胱がパンパンで、お腹が張ってるからご飯を食べられないのだと教えてくれました。

タイミングがチチと離れた時だったけど、チチ全然関係なかったー!!

おしっこが漏れ出る

獣医さんに「おしっこしてる姿を見た事ありますか?」と聞かれても、野良で警戒心が強くて、ご飯食べる姿も見られないのにおしっこ姿なんて…。

でも、プーアルはうちに来た日からおしっこまみれになるし、座ってるところでおしっこするし、おしっこでお尻や足が濡れているのも数日前に確認しました。

これが立っておしっこをせず、膀胱炎で溜まったおしっこがじわじわ漏れ出てるサインだったのです。病院の診察台の上でもチョロチョロと濁った尿が漏れ出ていました。

私の記憶をたどるとプーアルは保護以前から膀胱炎が始まっていた可能性があるようです。じわじわ具合が悪くなって食べる量も減って、もう苦しくて食べられなくなったのが一日前。

臭い匂いもそのサイン。
わたしが猫に対する知識をちゃんと持っていれば、もう少し早く気づいてあげられたかもしれないのに。ごめんねプーアル。

レントゲン、エコー、強制給餌

血液検査のために血をとろうにも血がほとんどとれません。今日できることはできる限りやってみようと23時頃までおしっこの検査やレントゲン、エコーなどもしてくれました。

レントゲンには膨らんだ膀胱に、うんちに、なにか先天性の異常かな?と思われる影(今のところ正体不明)、脱水で縮んだ心臓。

しかもやせ細って小さいから、膀胱に管を通して排尿するのもちょっと難しい。先生の口からは、もしかしたら助からない可能性も言われました。
点滴と抗生物質を打ってみて、おしっこが漏れでる状態が続けば細菌が流れ出ていってくれる可能性はあるけど、水分を身体に入れたのにおしっこがとまってしまうと、たちまち腎臓に逆流して腎臓も悪くしてしまうそうです。

翌朝も連れてくる約束をして、今夜は自宅で高カロリー食を強制給餌して様子を見ます。

強制給餌は過去に経験があるので、そんなに難しくないですが、プーアル自体がもう抵抗する力がないようで、10CCくらい飲むことが出来ました。

動物病院で半日入院

翌朝、トイレシーツを見ると小さな嘔吐形跡とおしっこの地図が大きめに。しっかり漏れ出てくれたようです。昨日以上に衰弱したという様子はありせん。

朝も10CCくらい高カロリー食を強制給餌して、動物病院へ。その日は夕方まで預かってもらえることになりました。

夜、迎えに行くと、先生から難しい顔で色々な報告がありました。

まず、プーアルの膀胱あたりをエコーで見たところ、尿道の下になにか尿道を圧迫するかのようなものがあるのと、陰部から白いものが見えていて、嚢胞なのか良性の腫瘍なのかハッキリは分からないが、カテーテルを通すことは絶対的に無理だということがわかりました。

腎不全を起こして、尿毒症で、まだ治療を始めたばかりだからどう変わっていくか分からないものの、お腹の傷、尿道を圧迫するなにか、それらを踏まえると昨日今日のことではなく長期間、おしっこをしづらい状態を引きずっていた可能性があり、慢性腎不全になるか急性腎不全で終わるかは現段階では分かりません。

抗生物質が効いて膀胱炎が解決したとしても、自力でおしっこを出せるようにならなければ、当然腎臓を悪くするので、そうなった場合はプーアルの寿命ということになるでしょうと…。

保護して救えた命だと思っていたのに、なんてことに…。その日の夜は強制給餌しながら、堪えていた涙が溢れました。
こんなに痩せて抵抗する力もないプーアル。一体あなたの身に何があったというの。チチを保護した時に、わたしの事情で保護を遅らせずすぐに捕獲していたら。もっと早く保護に乗り出していたら。
いや、この状態に数日気づかないんじゃなくあと三日早く病院に来ていたら…、わたしに猫の知識が備わっていたら、色んな後悔をしました。

猫の膀胱炎にクランベリージュース

私がプーアルに何か出来ることがないか、子猫の膀胱炎にはどんな対処をするのか、失礼ながらもしかして獣医師を変えたらプーアルを治せる所があるんじゃないか、インターネットでたくさん検索しました。

すると、【膀胱炎 猫 クランベリー】っていう検索ワードが予測で出てきて、それを見ると健康な猫ならクランベリーを摂取してOKで、それが膀胱炎の予防になるかも!(医学的な証明はしっかりされてないようです)とあるんです。

そしてAmazonに膀胱炎になったら飲ませてます!とレビューのたくさんついたサプリメントも。すぐオーダーしました。それに、なんという偶然か、わたしの家には100パーセントのクランベリージュースがあるんです。水分補給にもなるしと思い、強制給餌の時にクランベリージュースも2CCほど飲ませてみました。

酸っぱいからかおもわず口をパクパクしてゴクッと飲むことが出来ました。効くかは分からないけど、脱水緩和にはなるだろうし、もしもAmazonのレビューの通りほんの少しでもこれが手助けになってくれたら。

半日入院2日目

翌朝も抗生物質、強制給餌を終えて朝から入院です。今朝はちょっと体力が出たのか、シャー!っと怒られました。
寒いのでハンカチを被って病院へ。

夜迎えに行くと、なんと、プーアルの入っている箱に小さな茶色い粒が。病院からカリカリを貰っていたのです。
先生いわく、2.5グラムほど自主的に食べたとか!わぉ!!!わぉ!!!
おしっこが相変わらず漏れ出てはくれているので、抗生物質が効いて尿毒症の症状が緩和して楽になってきたのかもしれないということでした。

自宅で食べられるようにフードも分けていただいて帰宅。プーアルはこの2日間キャリーの中で過ごしていましたが、もう少し広い方がいいという事だったので、また小動物ケージを用意しました。
もちろん、膀胱炎の細菌が付着してたらいけないので、めちゃくちゃ消毒しました。

リビングのチチの横に少し距離を開けてケージを置いて、フードをセットしてお水をセットして、おしっこの量を測れるようにトイレシーツ敷き詰めてプーアルをIN!
すると、プーアルがすぐにカリカリを食べ始めたんです。あっという間に完食しておかわりまで!!これで体力をつけていくことが出来ます。夢中で食べるプーアルの姿にほっとしました。

それから、23時頃には抗生物質、お水、高栄養価ペースト、クランベリージュースを強制給餌。この時もシャー!う〜!!って怒って、噛みつかれました(笑)昨日までは弱っているからされるがままだったけど、わたしに心を開いてくれてるわけではなかったのね。
いいよ、いいよ、そういうのは元気になってから順を追ってやってこ。

タオルにくるまれると大人しくなるので、タオルでくるんでグローブをつけて水分をとってもらいます。
ケージに戻すと、さっき残していたフードを完食。お水を飲んだのでおしっこも出ています。
食べられるだけ食べてもらいたいので、3回目のおかわりを補給して0時半ごろ…なんと、プーアルがお水をごくごく自分で飲み始めました。

まだ油断出来ないけど、プーアルは生きようとしてる。その姿を見てるだけで楽しくて、1時間くらい眺めていたら、またご飯を完食してお水もごくごく。

チチはプーアルを気にかけて、網越しに手をチョイチョイってしています。プーアルもチチに反応してしばらく見つめあってました。
神様、プーアルを健康体に戻して、この姉妹の白血病を陰性にして2人で仲良く暮らせるようにしてください。

(つづく)

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?