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「香害デモ」について考える

先週末、Twitterで「香害」というハッシュタグがトレンドに上がっていた。いわゆるTwitterデモだ。

論点は3つ。
1つ目は、主に洗剤や柔軟剤に使われる主に合成香料に対するアレルギーなどの健康被害。
2つ目は、同じく洗剤や柔軟剤に含まれる香料を包むためのマイクロカプセルによる環境汚染。
3つ目は、香水の着けすぎによる不快感の表明。

香害デモのツイートを何件か読んでみたが、非合理的だなと感じたのと、香水やお香などを含む香りプロダクトがすべて一纏めに否定されているようで悲しい気持ちになった。

香料が充満するバスや電車で一定の時間過ごすことはとても苦痛だろうし、自分が求める機能を維持した無香料のシャンプーや化粧品などの日用品を探すのはなかなか大変なことだろうと思う。
私自身、軽度のアレルギーを持っているので、香料にアレルギー反応を起こしてしまう人の苦労や苦痛はとてもよく理解できる。

一方で、香りを楽しむ自由を完全否定するのは少し違うと思う。

我々ができることは、3つ目だけで、あとの2つはメーカー側の問題だ。
Twitterでデモをしたとして効果的だとは思えない。メーカーにそのような状況を知覚させる効果があるとしても、科学的手法をもってメーカーや担当省庁に訴える方が合理的だと思う。

何よりも「害」だと言い切ってしまうことは香りに携わる人・香りが好きな人を傷つける。
香りプロダクトを作っている人を知っているだけに、私自身とても辛い気持ちになった。

確かに、柔軟剤の中にはとても香りの強いものがあり、香りが好きな私でもここまで強くしなくても…と思うことはある。
マイクロカプセルの問題については、香りを閉じ込める素材であるとしても、「香害」とは別に論じられるものではないだろうか。

「香害デモ」は、ある主張に対して一部の過激な人たちが極端な行動を起こすのと同じで、実情を知ってもらうためのものではなく、「害」と呼ぶことで香りが好きな人達を攻撃し全否定して両者に溝を作っているだけのように私には思えた。

ことが健康被害なだけに折衷案はおそらくないのだろう。
私とて合成香料に対する知識などほとんどない素人で、良いアイデアなど浮かぶわけもない。
それでも相手を傷つけるようなやり方はいかがかと思う。

香害デモに限らず、Twitterでは特定の人・モノへの集中攻撃を時々見かける。
所詮SNSといえばそれまでなのだが、物事を主張しようとする人は自らの主張が誰かを傷つけるかもしれない可能性と責任を自覚しておかなければならないのではないだろうか。

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