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タイさんの取材ヨレヨレ日記⑬ 記者ほど面白い仕事はありません

新聞業界の地盤沈下が止まりません。

部数は急減。通勤電車の中で新聞を読んでいる人をまったく見かけなくなりました。ある小学校で、「工作に使うので、古新聞を家から持ってきてください」と呼びかけたら、自宅で新聞を取っている児童が一人もいなかった、という笑えない話も聞こえてきます。インターネットとスマホの普及が、市場を急速に奪っています。

テレビだって安泰ではありません。CMはインターネットに奪われ、人もうらやむ高給取りだったテレビマンの懐にも、寒風が吹きつけています。視聴率がなかなか取れない報道部門への社内外からの風当たりは、年々、厳しさを増しています。

でも、私は敢えて言いたい。

「記者ほど面白い仕事はないですよ」

私はほんの小さな子供のころから、近所でなにか騒ぎがあれば雨の中でも駆け出す、天性の野次馬。こういう落ち着きのない人間にとって、「24時間営業」で現場に駆け付ける記者という仕事は、文字通りの天職でした。恒常的な寝不足も、デスクやキャップから飛んでくる厳しい怒声も、ライバル紙に大きなスクープをされた時の冷たい視線も、少しも苦になりませんでした。私はちょっと、神経が鈍かったのかもしれません。

読者の皆さん。周囲に記者を希望する人がいたら、迷わず背中を押してあげてください。決して後悔はしないはずです。

とはいえ、しんどい仕事であることは間違いありません。この連載を読んでいただいた皆さんは、とっくにご存じですよね。ですから、記者希望の人にはぜひ、次の言葉も伝えてください。

「とにかく身体を鍛えろ」

この仕事、最後にものをいうのは、体力です。
 

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