2020年、アダルトチルドレンからの回復

弟が処方薬依存症になり、「依存症」というものについて色々と調べました。弟は、どういう治療を受け、どのように回復していくのか。

その中で、ギャンブル依存症を考える会代表の田中紀子さんや、薬物依存症回復者の高知東生さんの著書やツイートが目に止まりました。とてもわかりやすく、どれも興味深かったです。そしてわかったこと。

「依存症になりやすい人は、何らかの生きづらさを抱えていて、その結果何かに病的に救いを求めてしまう。そのブレーキが効かなくなった状態といえる。」

「依存症の患者さんは、同じ依存症を抱えた仲間と分かち合い、12ステップと呼ばれる回復プログラムを通して自分のこれまでを振り返り、考え方の癖を見直す。」

などです。これを読んでいて、私は、「え。これって私自身も同じだな。」と思いました。自分自身、ずっと生きづらさがありました。承認欲求の塊のくせに、「自分なんてどうせ生きていても価値がない」みたいな気持ちが常にありました。私はたまたま一線を越えなかっただけで、自暴自棄になる可能性は十分にあったし、依存症以外にもうつや自傷行為の気配は常に感じていたのです。

そして、カウンセリングを受けるに至る決定的な理由として、私の姉弟は3人とも生きづらい大人になったという事実がありました。3人とも一生懸命育てられたと思っていたし、学生時代までは問題のない、優等生としてやってきた。それが、大人になったらみんな苦しい。「これは、自分の育った環境をモデルに子育てしてはいけないということだ。」と強く思いました。

ここから、どうしたらいいか。私は、長期的に心理カウンセリングを受けることにしました。ネットで色々なブログやホームページを見て、カウンセラーを探し、体験を受けてみて、12回コースのカウンセリングを受けることにしたのです。

これまでもカウンセラーにかかったことはあり、自分のインナーチャイルドを癒すセラピーも1回だけやったことはありました。でもそれは今思うととても恥ずかしく、辛く、嫌な思い出でした。カウンセラーのことも、全然信頼できなかったのです。

でも今回は、思い切ってちゃんとやってみた。そうしたら、まあ出るわ出るわ、私が両親に対して思っていた気持ちが、千と千尋の神隠しに出てくるお腐れ様のように、ドゥワーッっと溢れ出したのです。それは、HSPゆえの傷つきエピソードもあり、本当に理不尽なエピソードもあり、色々ごちゃ混ぜでしたが、全て私にとっての真実でした。私は自分がHSPで、華やかでも有能でもなく、姉弟に比べて愛されなかったと思っていました。母が一番弟を可愛がっていたのに、心を病んだとたん避けようとすることも、母自身が被害者のように振る舞うことも、許せなかったのです。

セラピーが進むと、だんだん両親と自分との間の境界線が見えてきました。そして、両親自身も、そのまた両親(私の祖父母)も、みんな傷つき、それを癒せず抱えた大人だったのだと気づきました。思えばうちの両祖父母は、「兄弟が多かったから、親戚の家にもらわれそうになった。」だの、「お手伝いの姉さんに火搔き棒でたたかれた」だの、心理トラウマエピソードをよく話していました。戦争もあったし、現代なら考えられない辛い経験をたくさんしたのだと思います。

今回、そのことに気づけてとても納得したし、スッキリしました。みんな加害者であり、被害者だった。

でも。だからといって、私が傷ついてよかったわけじゃない。そして、私も同じ理由で子供達を傷つけるわけにはいかない。ここで、連鎖を断ち切ろう。自分の傷をまず癒すんだ。と心に決めました。

毎回のカウンセリングで全て吐き出して、自分の感情を探し、そこにあることをしっかりと確認する。そして、自分のいのちのコア部分だけが残った時。自分でも驚くことに、「感謝」が残りました。ある時のカウンセリング後の日記です。

”ずっと探していた安心できる場所。
それは私の心の中にあった。
誰かに求めるものでもなかった。
見つからないことで誰かを責めるのも違った。
まだ遅くなかった。
何も失っていなかった。
周りを見渡せば、私を温かく応援してくれる人たちばかりだった。
それを思うだけで、どうしようもなく涙が出る。”

「何か足りない」「もっとどうにかしないと」と考えて生きていた自分が、今あるものを、自分自身で大切にしよう。と初めて思えた気がします。

これが私が今年取り組んだカウンセリングの経緯です。すでに、受ける前はどんな自分だったかあまり覚えていないのが本音ですが、以前に比べるとかなり自分を客観視できるようになったと思います。批判も受け入れられるようになってきたし。何より、こうして全てを正直に書いて公開するなんて、前は考えられなかったし(笑)。

とは言うものの、ベースHSPは変わらないので、色々気にする、凹みやすい、傷つきやすい、根に持つ、などの特性は健在で、心の中の駄々っ子は年中暴れています(笑)

でも、そんな自分も「しょうがないねえ。よしよし」と自分でケアしながら、自分の人生を自分で生きていくしかないんだなあ。ということで、腹が決まった2020年でした。

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