見出し画像

ゴール設定が超絶下手だった話

「今年の目標は?」

新年になる度に、誓いを新たに決めようとする今年の目標。
しかし、この歳になると、仕事の売上目標、収入UP、ダイエット、海外旅行、新しい資格の取得程度のことしか思いつかず。大した目標も決めないまま、2月、3月となってしまっておりました。

ゴール設定が苦手だった理由

これまでの人生で様々なゴール設定をしてきて、達成出来たものと、出来なかったこと、いろいろあります。私の人生を振り返ると、勝率30%程度の感覚。そして、その時にはこのゴールを達成することが全てと思いながら頑張っても、途中でゴールが変わったり、達成してみると既に過去になったことには興味もなく。

歳と共に、年々欲も少なくなってきて、むしろ自分よりも子供達の幸せやゴールを応援することこそが美徳とも思い始めていました。

しかし、「認知科学に基づくコーチング」を学ぶ中で、私のゴール設定のやり方が間違っていることに加えて、それをゴール達成を妨げる様々な要因を理解してないことを知りました。

ゴールは達成しなくて良い

コーチングを学び始めて、一番衝撃的だったのはこの事実です。
これまではゴールを設定して、そこから逆算して自分の行動を細分化、PDCAを回しながらゴールに向かっていくものと思っていました。

しかし、本来ゴールは達成するものでなく、常に更新していくもの。達成しそうになったら、新しいゴールを設定していくので、言ってみれば半永久的にゴールを達成することが出来ないのが正しいゴール設定です。

ゴールは現状の外に

通常のゴール設定の仕方は、今置かれている環境の中での理想の現状のことがほとんどです。例えば、会社での昇進、業界内でのシェア拡大、オリンピックの金メダリストになる。

現状の外にゴール設定をする理由は、達成するためでなく、脳の使い方を変えるためです。認知科学においては、現状の外にゴールを設定することで、ブリーフシステムを変えます。

ブリーフシステムとは「未来にまで続くあなたの現在を作っているシステム」です。

『オーセンティック・コーチング』苫米地英人

現状の外にゴール設定することで、スコトーマと呼ばれる心理的盲点が外れて、RASと呼ばれる脳内にある情報システムが活性化します。そうすることによって、これまでは見えていなかったものが、見えてくるようになるというもの。

例えば、いつかはハワイに永住したいと思っている人が、二年後にハワイに移住とゴールを設定。そうすると、仕事や家庭があるから無理だと思っていたことのスコトーマが外れ、ハワイにいくための新しい職、仕事のスキル、人間関係などと言った情報がどんどん入ってくるというもの。

ゴールは「have to」でなく、「want to」のみで設定

ゴール設定において、事業拡大、売上UP、ダイエット、資格取得などは全て「have to」に基づくもの。本当に自分がやりたいことではなく、会社のためや自分の将来のためにやらなければならないもの。

振り返ってみると、私達の多くは子供の頃から親に、将来はいい会社に入るために、いい大学に入りなさい。だからちゃんと勉強しなさいと育ってきました。これなどは典型的な「have to」によるゴール設定。

社会に出ても、会社や昇進のために売上を上げる、家族のためには今の仕事をやめられない、健康のためのエクササイズやダイエットなど全て「have to」をベースに決められたゴール。だから、ゴールに向かって努力することが美徳という考え方が身に付いていると思います。

ゴールは複数の領域で設定する

「年収10億円」、「会社を上場させる」、「金メダルを取る」、「起業する」などゴールは勇ましいほど凄そうに感じますが、ほとんどの人は一つの領域でのゴール設定をする人が多いです。

しかし、認知科学におけるコーチングおいては、ゴール設定は8つの領域で設定し、それを全てうまく回しながらゴール設定に向かっていくものと考えています。その8つの領域とは、仕事、趣味、人間関係、社会貢献、知性、家族、ファイナンス、美容健康です。

上記の例で言えば、年収や会社上場は「ファイナンス」でのゴール。私もそうでしたが、多くの人はファイナンスでのゴール設定しか考えていないと思います。「仕事」のゴールとは、本来お金にならないけどやりたいもの。社会に自分が価値提供出来ることです。給料をもらえないなら、やらないという仕事は全てファイナンスになります。

コンフォートゾーンの正体

私がゴール設定が苦手だった理由の一つが、長続きしないから。毎朝5時に起きてランニングしよう、飲酒の量を減らそう、毎日英語の新聞を読もう。これまでの人生で、何度も何度も目標を立てましてが、いつも三日坊主から長くても1〜2ヶ月で終わってしまいました。

この原因は私が「コンフォートゾーン」というものを全く理解していなかったからでした。これは文字通り、自分にとって居心地の良い空間のことです。これは意識レベルではなく、無意識レベルでの話。

このコンフォートゾーンは非常に強力なもので、コンフォートゾーンから出ようとすると、ホメオスタシス(恒常性維持機能)によってすぐに引き戻されてしまいます。人間はコンフォートゾーンから出ることは出来ないのです。

例えば、人間の体温は36.5度程度で、どんなに激しい運動やサウナに入っても体温が60度とかになることはあり得ません。そうならないように、汗を出したり、動けなくなったりして、その温度変化を防ぎます。

このことから、いくら高いゴールを設定したところで、コンフォートゾーンが変わらないければ、人間は変わることが出来ないのです。1億円稼ぎたいと思っても、自分のコンフォートゾーンが変わらない限り、今の現状から抜け出すことは出来ないのです。

ブリーフシステムを変える

結局のところ、いくら高いゴールを設定したところで、ブリーフシステムを変えないと、自分の未来を変えることは出来ないのです。

コンフォートゾーンで言えば、コンフォートゾーンから抜け出すのではなく、ズラす。現状からゴールを見るのではなく、設定したゴールを達成した未来の自分から現状を見る。そうすることによって、現状に甘んじている自分がむしろ嫌になり、無自覚的に行動を起こし始めると言うことです。

ゴール達成に最も必要なものはエフィカシーです。これは、自分がゴールを達成出来る能力の自己評価です。要するに、自分がゴールを達成出来るという自信。成功者と言われる人たちは、一様にエフィカシーが高いと言われています。コーチングでは、クライアントのエフィカシーの高い領域を見つけ出します。

そして、ゴール達成に向けてのパフォーマンスを決定付けるものは「セルフトーク」です。人間は無意識レベルも含めて、1日24時間のうちに3〜5万回のセルフトークを行なっています。どんなに素晴らしいゴールを設定したところで、このセルフトークを変えない限りはゴール達成は出来ません。

自分が自らに語りかける言葉が映像を生み出し、映像が感情を想起。それが自己イメージを形成して、コンフォートゾーンを形成します。だから、「自分にはそんなことは出来ない」などというネガティブ・セルフトークは日々の生活から徹底的に排除していきます。

現状の外にゴールを設定することで、スコトーマが外れて、RASが発火し始めます。そうすることによって、これまでの自分からは想像も出来なかったような創造性が生まれてきます。多くの人は、出来ない理由を探すことに創造性を使って、これをクリエイティブ・アボイダンスと言います。せっかくの創造性はゴール達成のために使いましょう。

まとめ

「認知科学に基づくコーチング」を学び始めて思うことは、これまでゴール設定について何も知らなかったなと言うこと。目標設定をしろと言われたからしていたり、周りの目を気にしながらなんとなく設定したり。どのレベルに設定していいのかもわからないので、とりあえずその世界のトップを目指すとゴールを立てても、ゴールに対しての臨場感も上がらず。

私自身もコーチングスクールにおいて、まだまだ自己適用中ですが、周りの仲間達がどんどん新しいゴールを設定して、未来を変えていく姿に非常に影響を受けております。

コーチングのテクニックを使って、閉塞感のある今の日本をもっと元気にしてたいと思っております。


Noteの記事を読んで頂き、ありがとうございます! よろしければ、記事への「スキ」お願い致します。