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「破壊」の意味

<ある人から与えられたお題>
資料文を踏まえて、「破壊」の意味を論じなさい。
資料文は福岡伸一博士の「動的平衡」生命論である。


まず言葉の説明 エントロピー増大則

エントロピーが増大するとは、整然から混沌へ、あるいは秩序ある状態から無秩序への移行である。

筆者福岡伸一氏は以下のように述べている。


「なぜ生命はこれほどまで壊すことに固執しているのでしょうか。それは、壊し続けることが生き続けるために必要だからです。たえず分解しつづけることがエントロピーをくみ出すたったひとつの道であり、新しい秩序を作り直す唯一のしくみだからです。つまり生命は絶え間のない分解と合成の平衡の上にあるわけです」。

「生命体は、進んで秩序を壊している。その上ですぐに秩序を作り直している。つまりエントロピー増大の法則が襲いかかってくる前に、先回りして自らを分解し、そして合成している。この自転車操業によってかろうじて秩序を維持しつづけている」

「やがて自転車操業はついにはエントロピー増大の法則に追い抜かされるときがやってきます。それが個体の死です」。

以下「破壊」に関する考察

1.著者の生命論は動的平衡。生命は分解と合成を繰り返している。
この営みに関して、我々は意識していない。

2.我々が意識して破壊し創造しているものがある。それは文明と文化である。例えば、馬車から空飛ぶ自動車へ。あるいは音楽、芸術、言語。
この破壊ー創造サイクルは人類を豊かにしてきた。

3.そして今我々が、破壊しなればならないものは何か。それは、人類を滅ぼすような「考え方」である。例えば、核抑止論、戦争は普遍的な事象。

戦争をいかに防ぐか。人類は叡智を結集して、解を求めている過程で、プーチンによるウクライナ侵攻が起こってしまった。

この侵攻を早期に終了させる道筋は見えない。
しかしながら、人類を滅亡させる核戦争、あるいは第3次世界大戦は避けるべしという点では、国際的には合意できる。一つひとつ合意点を見つけ、積み上げ平和を創造していく。そのようなプロセスを全人類が歩むということが重要である。

4.破壊の意味とは、合成、創造するための前段階である。
自然界の分解ー合成サイクルは、コントロールできない。
しかし、我々が生み出したもの・ことは制御できる。
人類を悲しませる「破壊」はごめん被る。

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