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この音が鳴り止むまでは

racikuというバンドをやっている ひらたゆうや から連絡が来た。先日出した新曲をぜひ歌ってほしいというものだった。

僕は「やってみる!」と言ったものの、どうしたものかと思った。それはこの曲がひらたゆうやにしか歌えない曲だったからだ。

そのことについてはこの記事に書いたので興味があれば読んでみてほしい。


「この曲はこの人のものだな」と感じた曲をそのまま歌うことはできない。この歌詞を僕自身の歌にするしかない。せっかくなので僕なりの解釈をここに書いておこうと思う。

「この音が鳴り止むまでは」raciku

反抗期もそれなりにあって 暴言を吐いた時もあった
初めてみる泣き姿 細い肩が震えていた

あなたの強さに隠れた 弱さに気づかないフリ
大人になったこの僕に できることがあれば

今では止まってしまった家族の時間に彩りを
叶うならこの音が鳴り止むまでは
思い出全てが綺麗でありますように


反抗期もそれなりにあって 暴言を吐いた時もあった
僕には反抗期がなかった。暴言も口に出しては吐いたことはないかもしれない。でも、幸せについての価値観には反発心があった気がする。「お金が全て」「30になったら夢は諦めなあかん」
僕はなんだかそれは嫌で、心の中で暴言のようなことをを言っていたかもしれない。
初めてみる泣き姿 細い肩が震えていた
おそらくracikuの方は反抗期とつながっているのだけど、僕はそこが繋がらないので、別のシーンとして僕の記憶の中にあるおかんが初めて泣いた時をイメージした。小学生の時僕が万引きをした時だ。泣きながらめちゃくちゃ叩かれた。それが僕の記憶にある一番古い泣き姿だ。ちなみにかなり細いので「細い肩」はそのままイメージした。
あなたの強さに隠れた 弱さに気づかないフリ
中学生の時死にたいと言っていた時期がある。僕は半分冗談のつもりだったのだけど、それがおかんの耳に入ったらしい。ある日の深夜、僕の布団に入ってきて静かに泣いていた。僕はまだ起きていて寝たフリでその弱さに気づかないフリをした。それから死にたいなんて言わないようにしようと思うようになった。
大人になったこの僕に できることがあれば
言うことを聞くでも、わざわざ反抗するでもなく、自分の価値観で幸せを選んで、生きたいと思えるようになった。それを仮に大人と呼んで、そんな僕にできることはなんだろう。今はまだ必ず年末に帰って顔を見せることと、毎月奨学金の返済分を少しだけ多めに振り込むことぐらい。もっと仕送りできるようになりたいし、もう少し頻繁に帰れるようになりたい。
今では止まってしまった家族の時間に彩りを
僕は母子家庭だけど、おばあちゃんとおかんとの3人暮らしだった。18歳で僕が大阪にきて、随分前にばあちゃんも死んだ。「家族の時間」というものがあるのならそれは年末に帰れる数日間以外は止まっているのかもしれない。たまにラインはするんだけども。一緒にいれる時間が彩りになればいいなと思う
叶うならこの音が鳴り止むまでは 思い出全てが綺麗でありますように
ひらたの言う「この音」は実際にワンマンライブで久しぶりに散り散りになった家族が集まった時のその「音」だろう。僕は「心臓の音」と考えることにした。おかんは体調がよくない。毎年帰るたびに「あと何年こういう年末があるのかな」と考えるようになってきた。いつかおかんが死んでも、僕の心臓が止まるまでは「一緒に過ごせてよかった」と綺麗な思い出として忘れずにいられますように。という気持ちで歌った。


解釈の面ではracikuのバージョンとはもう別物の歌になっているんだけれども、この曲に関してはここまでやらないとカバーできないなと思った。

いい曲も、いいボーカルも、うまい演奏陣も、いい歌詞も、溢れかえってるけど「僕だから意味があること」「あいつだから意味があること」というのは変なことをしなくても心や記憶の中にある。

この曲は特にそういう曲だと思うから、よかったら聴いてみてください。

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読んでくれてありがとうございます:-D

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