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コロナ禍の経営20~「幻の江島手造り醤油」、文化として残したいなら、売上、利益をあげないと存続しない~

1.「幻の江島手造り醤油」とは

長崎県西海市にある人口70人ほどの離島、江島(えのしま)があります。

江島は地図の中央の島です。西側、新上五島町です。東側、西海市です。


江島の手作り醤油は昔から島の各家庭で作っていた醤油をおばちゃんたちが商品化したものです。
今は生産者も減り、江島農産加工センターで田中さん親子二人で毎日100回かめ(大きなつぼ)をかき混ぜています。
入荷するとダンボールの中にいつも田中サワ(母)さんから手紙があり、私への気遣いの内容でいつも感動しております。
味は濃い味と麹の甘さ、風味がしばらく口の中で残ります。
料理が多少下手でも「江島手作り醤油」を使えば美味しくなります。

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2.朝日新聞さんの紹介

長崎県西海市の「江島手造り醤油」の製造現場の動画です。
田中サワさんが出られております。
冒頭の航路
佐世保→崎戸(西海市)→江島(西海市)→平島(西海市)→友住(新上五島町)

3.国土交通省都市・地域整備局離島振興課さんの紹介

島の宝100 景  江島(えのしま) 「江島手作り醤油」

4.長崎県さんの紹介

ながさき「にこり」第37号(平成29年12月号)

15から16ページ 江島(西海市)

5.「江島手作り醤油」を売るきっかけ

大阪市北区天神橋筋商店街にあります五島つばき商店の斜め前には100円均一のキャンドゥさんがいます。

キャンドゥさんで韓国産の醤油が100円税別で販売されています。

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五島の人に伝える時はエレナさんのグループと言っております。

ちなみにキャンドゥさんのお向いにイオングループのCoDeli(こデリ)さんができました。

キャンドゥさんがイオングループとして統合予定です。

CoDeliさんとのお話は「コロナ禍の経営18~「弱肉強食」ではなく、「適者生存」~」をご覧下さい。

ねっ!強いでしょ。五島つばき商店は1人です。

基本は戦えない。戦わない。

どーーーしても、戦う場合はいつも「差別化」です。

ポジショニング」で高額でも良いから、高品質の醬油を探していた所、上記、長崎県さんの「にこり」で見つけました。

6.「江島手作り醤油」の販売を開始

早速、田中さんに電話すると、2か月ぐらい、誰も電話に出てくれませんでした・・・

ここであきらめる位なら、五島つばき商店をやっておりません。

そんなある日、田中さんが電話に出て頂けて、ご了承を頂きました。

基本は長崎県西海市の道の駅で販売していると教えて頂きました。

そこで、インターネット販売をしても良いかと聞くと、こちらもご了承頂きました。

唯一、ダメと言われたのが海外への販売でした。

JANコードなし、大量生産できないためです。

2018年、五島つばき商店の店舗、インターネット共に販売を開始しました。

7.「江島手造り」が売れた理由

食塩(崎戸)、大麦、大豆のみを使っております。

薄口、少量で旨味が広がり、かつ無添加が大きな特徴です。

当然、常温保存のままですと「白カビ」が発生します。

お客様から何度か「白カビ」について、お問い合わせがありましたが、

体に悪い影響はありません。無添加の証拠として、説明しておりました。

私、一個人の感想は東京の銀座久兵衛さんの醬油の味に近いと感じました。

崎戸は江島の一つ東側にある島です。今は長崎本土と橋がつながっております。

店舗での販売で奈良県からご来店頂けましたお客様に「江島手造り醬油」お買い求め理由を聞くと、東京で行われた「アイランダー」で「江島手造り醬油」を買って、リピーターとなり、販売している所を探したと教えて頂きました。

アイランダー」とは
国交省さん主催の全国の島々が集まる祭典アイランダー
(英語の島:Islandにerを付けて、アイランダ―:Islander)

インターネット販売ではただ掲載しているだけでお問い合わせ、ご注文が全国から来ました。

インターネット広告を使わずに売れました。

検索で「醤油」、「無添加」が大きかったと感じております。

特に驚いたのは長崎県の方が一番お買い上げました。

何度も、長崎県西海市の道の駅で販売している事をお伝えしました。

お客様の中にはそれでも、五島つばき商店からお買い上げました。

8.「江島手造り醬油」の販売終了

2020年9月に記録的な台風9号、10号と立て続けに長崎県を襲いました。

このピンチを逆手に取ったのが「コロナ禍の経営15~台風で売る野菜がないと言われてから売上を上げるまで~」です。

しかし、江島の田中さんから「江島手造り醬油」の販売終了と言われました。

理由は台風の影響で醤油を作っている建物が損壊、コロナの影響で売上減少でした。

私から醤油を作っている、かめ(大きなつぼ)を下さいと言うとダメでした。

せめて、叶うなら食文化として残ってほしいので、

上記、国交省、長崎県、西海市の皆さんに電話し、もし、若い人が江島に行って「江島手造り醤油」を作りたいと言った時に施設、レシピだけでも残してほしいとお願いしました。

しかし、対応が難しいと言われました。西海市さんは何とかしたいと言ってくれました。

9.販売終了後でも、「江島手造り醤油」の注文が来ます

1年以上経った現在でも、ご来店のお客様、インターネットからのご注文が入り、お客様にはずっと謝っております。

文化として残したいなら、売上、利益をあげないと存続しない

分かっているのですが、いつも力不足です。

悲しんでいる暇があるなら、今、取引がある五島の会社の売上を伸ばさないといけません。

そして、苦しい時は志半ばで倒産、廃業した皆さんの事を思い出して、五島つばき商店を経営しております。

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