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ドサクサ日記11/14-20

14日。
身体が冷える感じがするので、基本的に氷の入ったお酒を飲むことを控えている。なので食事のときはビール、日本酒、ワインのどれかを飲む。しかし、お店によってはこれらの酒に全く力を注いでおらず、ビール以外は地獄ということがある。そういう場合は仕方なく酎ハイを飲む。酎ハイは焼酎と炭酸の割合が店によって違うため、うっかりするとベラベラに酔ってしまう。この日の酎ハイがそれだった。

15日。
来月のBandcamp Fridayにアップする音源の整理をしていたところ、メール着信の通知が表示された。Discharming manの新曲だった。NOT WONKの加藤君からも新曲発表のDMが来ていた。それぞれにアプローチは違うけれど、実直で誠実な音楽だと思う。媚び諂うでも、捻くれ上がって他を拒むでもない。この音楽を鳴らす切実な理由が彼らにはあったんだろうと想像する。そういう音楽が好きだ。

16日。
「吠える」というのは他者の存在があっての行為なのではないかという三船君の指摘にドキっとした。つまり、それは「呼びかけ」なのだと。いつしか「吠える」を独りよがりな、ネガティブな言葉として捕まえていたんだなと思った。吠えている人は呼びかけている。そう考えると、もしかするとそれはヘルプの合図かもしれず、世界の捉え方がゆっくりと柔らかくなる。ああ、そうか、と思った。

17日。
ビールを飲みながらサッカー日本代表の試合を観戦。国や地域という括りは私たちを結びつけたり、引き裂いたり、あるいは傷つけたりする。そういうことを考えないわけにはいかないが、サッカーという競技に魅了されている。リフティングが3回だってできない俺が、偉そうにテレビに向かって文句を垂れている。誰かに見られたら恥ずかしい。組織や権威に縛られず、どうあれ選手には活躍してほしい。

18日。
阿部と京田の放出。最近は野球がまた面白いと思うようになってきた。高校球児だったので、居酒屋で熱く語れるくらいには野球が好きだけれど、もう野球の話は十分したかなという気持ちがあって(なにしろ10代のほとんどを白球と共に過ごした)、建さんと阪神の話をする以外には、誰かと野球の話をすることはなかった。今でも気が引ける。でも、「ド…ドラゴンズよ…」と敢えて書きたくなる気持ち。

19日。
ツアーファイナル。那覇公演。いろいろあった。コロナ禍というのもあったけれど、あらゆる意味で正念場みたいな期間を過ごしたと思う。ゆえに、アジカン4人で話すことが増えた。話さなければいけなかったというのが本当のところだけど、結束は強まったと思う。そういう力は外にも伝わるもので、とても素敵な仲間が集ってくれた。スタッフたちも然り。こういう気持ちで、あと何周か転がりたい。

20日。
とにかくいろいろな人に会った1日だった。よくわからない気持ちで、目が半分になりながらステーキを食べる。マッシュポテトだと思って口に入れたのが、擦りおろしたニンニクだった。クサッと思った。それ以上に眠いと思った。昼間のことはしっかり覚えているが、夜に話したことは朧げて、そのまま酒場の空気として未来永劫消えてしまうだろう。それでいい。どうせ他愛もないことなんだから、しっかり消えてしまえと思う。ただ、この感触や、人々の顔は覚えておきたいなと思う。まあでも、食器がゆっくりと冷たくなるように、いつかはなくなってしまう。ニンニクの匂いはしばらく消えないだろう。牛脂は一旦分解された後、俺の腹まわりの脂肪として居残る。しかし、それも動的平衡で読んだように、一切合切が入れ替わってしまう。それぞれに幸せだといいなと思う。早く家に帰りたいなと思った。