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ドサクサ日記 4/10-16 2023

10日。
主宰しているレーベル「only in dreams」のミーティング。CDがまったく売れなくなった昨今では、レーベルの存在意義は常に問われている。音源からの収入のことを考えれば、わざわざレーベルに所属してマージンを取られる意味はないと思う(制作費が潤沢ならば別だけど)。もともと商売というよりは、日本盤が出ないゆえに来日しないアーティストの招聘からはじまったレーベルで、仲間の音楽活動を支えるようなコミュニティとしての役割を持つに至った。しかし、音源ソフトにまつわる状況を考えるに、アジカンというバックボーンを頼りにしてどんぶり勘定を続けていると、結果、誰のためにもならない。というようは話をスタッフとがっつり行う。何を成功とするかは難しい。作品の完成こそが成功だが、売れないとやっていけない。そういう場所で逡巡することが、自分たちの役割かもしれない。

レーベルのプレイリストを作ったので、ぜひ。

11日。
午後になって妙に疲れてしまって、ぐったりとソファで寝込む。仕事はすべてやめにして、夕方から買い物。ストレスが溜まってくると目がピクピクする。いろいろなことが続いて、それなりにメンタルがヤラれているんだなと思う。乗り越える術はない。放っておくしかない。ゆっくりと自分に馴染むのを待つしかない。いろいろなものごとが、自分の力だけでほどけるというのは幻想でしかない。

12日。
フローズンショルダーの治療。肩の痛みは少しずつ減っている。肩甲骨のあたりの、永久凍土みたいなところが少し溶けた感じがするけれど、腕の付け根の部分は相変わらず痛い。そして、腕全体に痛みや張りは移って、上腕がじっとりと重くて痛い。時折その重み中指と薬指の間まで走って、ズーンとすべてのやる気を奪っていくような瞬間がある。身体が健康であることはとても大事なことだと思う。

13日。
コーラスの録音と編集。合間に餃子の王将へ行く。ガリや紅しょうがを直箸で食べる不届き者のせいで、声をかけなければ調味料がもらえない時代になってしまった。まったくどうかしてると思う。不届き者やクレーマーに対応するために、普通に好きで楽しんでいる人たちの様々な思いが踏みつけられる。店舗の側もいろいろな考えあっての判断だと思うが、お店と愛好者の良い関係を返してほしい。

14日。
北九州の抱樸の炊き出しと夜回りに参加。土砂降りの雨でも20人を超える人たちがお弁当や毛布などの支援物資を受け取りに来ていた。それだけ、困っている人がいるということだ。新型コロナの貸付金の返済が始まり、静かに困窮者が増え始めているのだという。私は困っていないし関係ない、の、その先の、こうしたセイフティネットがあなたや俺を抱きしめる可能性。それこそが社会の豊かさだと思う。

15日。
絶対間違いのない町中華といった佇まいの店で食べた豚臭いちゃんぽん麺の豚臭さが、不織布マスクの繊維の隙間からI'll be backと叫んでいる。どおりで、数十分に一度くらいの頻度で、これは脳内だけの幻臭なのか実際の匂いなのかわからない豚数が鼻先から鼻腔を駆け上がる。「さっぱりしてますね」と友人は言っていた。そんなことはない。俺にとっては濃い目の豚の煮汁。住む場所によって食文化が違い、個人差はあれど、地域としての好みみたいな感覚が存在する。豚の骨をグツグツと煮て、その煮汁に麺や野菜をブチ込んで食べる。中世の市庭などでそうした料理を調理販売していたら、どこの邪教か蛮族かと、恐ろしい目で見られたにちがいない。そうした邪悪な料理も、時代が変わればB級グルメを通り越して、行列のできるミシュランガイド公認ラーメン店みたいになるのだから、食文化は面白い。

16日。
友人のバンド、LINKのレコーディング。最近はマイクとマイクプリアンプに興味がある。ステレオのアナログ機材への興味もあるが、空間オーディオが広がりつつある時代にあって、ステレオで処理することの意味を考えてしまう。面倒臭さは愛着にもつながっているが、現代のスピード感のなかで、リコールできないのは弱みでもある。録音は嘘をつかない。ゆえの難しさと向き合うことの楽しさ。